- コラム
古代の重戦車?自走突撃砲?ベトナム戦争でも使用されたと言われる「戦象」とは
2018/06/13
菅野 直人
すごいー! たーのしー!
2018/03/29
笹木恵一
先日戦術核に関する記事が公開され、現実の歴史上でその使用の可能性があった例が取り上げられていたが、冷戦時代にはこういった核兵器の恐怖というものは今よりも身近なものだったのかもしれない。
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当然フィクションの題材としても幾度となく取り上げられ、中には日本が戦術核の実験場になるかもしれないというものまであった。それが今回紹介する1984年版『ゴジラ』だ。今作はファンの間では通称“84(ハチヨン)ゴジラ”とも呼ばれている。
出典:Amazon Prime Video
1954年の初代ゴジラ出現から30年。噴火直後の伊豆諸島大黒島付近で漁船第五八幡丸が行方不明となる。偶然ヨットで航行中の新聞記者牧吾郎によって発見されるが、乗組員は1人の生存者を除いで全員が死亡。生き残ったアルバイト学生奥村は巨大生物を見たと証言する。奥村の恩師で生物物理学者の林田は、奥村が見たという巨大生物は30年前に東京を襲った大怪獣ゴジラだと確信するが、政府は社会的混乱を避けるために報道管制を敷く。ところがその後ソ連の原子力潜水艦がゴジラによって撃沈されてしまう。ソ連はアメリカによる攻撃だと断定、米ソは臨戦態勢に入ってしまった為、日本政府は急遽ゴジラに関する情報を解禁する。ゴジラの日本上陸が確実視されるなか米ソは、足並みをそろえてゴジラに対する戦術核の使用を日本政府に要求する。そんななか総理大臣林田のとった行動とは? そして人類はゴジラにどう立ち向かうのか!?
御存知ゴジラは1954年に第1作目が公開され、当時としては高度な特撮技術と明確に反戦、反核のメッセージが込められたストーリーで一般的な『特撮=子供向け』とは一線を画すものだった。しかしシリーズが進むにつれ、映画業界の低迷も相まって徐々に子供向けの内容にシフトしていくが、それでも人気は低迷し1975年に一旦終了してしまう。その後アメリカで『スターウォーズ』が登場し世界中でSF映画の大ブームが巻き起こる。同時に日本のSFファンたちの間でゴジラ復活を望む声が徐々に大きくなり、満を持して製作されたのが今作だった。1度は子供向けとなったシリーズの原点回帰が謳われ、設定も第一作目の直接の続編として、今でいう“リブート”が行われた。ストーリー面でも1作目に倣い反戦、反核をテーマとし、当然タイムリーな東西冷戦を取り入れた作品となった。またリアルなポリティカルフィクションを目指し、各界の専門家をスタッフに招き入れ、政治的なやり取り、巨大生物が実際に現れた際の対応、対怪獣兵器の設定等に活かされた。もっとも、それらがすべて上手く運んだとは言い切れず、特に当時の保守的な演出のせいか中途半端な出来に終わった感が歪めない。このことは当時の若いスタッフやファンにとっては大きなフラストレーションを残す結果となり、1995年からの『平成ガメラシリーズ』を経て2016年の『シン・ゴジラ』を生み出す原動力ともなった。
作中ゴジラよりもむしろやっかいなものとして描かれるのが、東西冷戦という時代、アメリカとソ連の2大大国だ。米ソはゴジラ撃退の為に戦術核の使用を日本政府に要求する。その思惑は、戦術核を実戦で使用する機会を何度も逃しつづけた両国にとって、ゴジラ対策の大義名分で実際には実戦テストを兼ねているのではないかという疑惑が持ち上がる。ゴジラが上陸した場合と戦術核による被害、また要求を蹴った場合の国際的立場等を天秤にかけるが一向に答えは出ない。そこで小林桂樹演じる三田村総理大臣の名君っぷりは今作の名シーンとして長らく語り継がれており、この直後からのバブル景気により世界的影響力を持っていく事となる日本の前夜として見るのも面白い。ちなみに『シン・ゴジラ』作中において、このシーンに対する現代からの回答もなされている。
現実に核兵器が飛び交うかもしれない時代に復活した核の申し子ゴジラ。皮肉にもこの時代は現実の恐怖の方が映画の大怪獣のそれを上回っていた。そのためだろうか、ラストシーンの火山に消えていくゴジラの後ろ姿になぜか寂しさを感じてしまうのは。
幼稚園時代からレンタルビデオ屋に足しげく通い、多くの映画や特撮、アニメ作品を新旧国内外問わず見まくる。
中学時代に007シリーズにはまり、映画の中で使用される銃に興味を持ちはじめる。
漫画家を目指すも断念した過去を持つ(笑)。
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