- コラム
日本海軍航空隊・対艦攻撃のプロBEST5
2017/07/22
菅野 直人
すごいー! たーのしー!
2017/06/17
菅野 直人
女性に対する職業制限を撤廃する努力は長年のテーマで今でも続いていますが、軍隊もそのひとつです。今回は過去から現在まで、正規またはそれに準ずる軍事組織として存在した女性部隊をご紹介しましょう。
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現在では潜水艦乗組員や空母パイロットに至るまで女性を登用しているアメリカ軍ですが、第2次世界大戦時に補助組織として設立されたのが婦人陸軍部隊(WAC)です。
第一線で戦闘任務についたわけではありませんが、後方のみならず前線に近い司令部でもタイピストや事務的作業などで大勢の女性がその役割を果たしました。
約15万人の女性の活躍によって、7個師団の男性を前線に送ることができた、つまりそれだけの男性を補助的な業務から解放できたと言われています。
なお、当時は海軍にはWAVES、沿岸警備隊にもSPARSという同様の組織があったほか、米陸軍航空隊にも航空機を工場から基地へ空輸するWASPという組織がありました。
By Ministry of Information official photographer – http://media.iwm.org.uk/iwm/mediaLib//20/media-20543/large.jpg
This is photograph TR 2832 from the collections of the Imperial War Museums.
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1945年4月、ATS兵士として従軍するエリザベス王女
現在も世界最長在位君主として元気な姿を見せている、イギリスのエリザベス女王。
その女王陛下が若かりし頃、それまで名誉職にすぎなかった軍隊で本当に王室が軍隊に参加した初めてのケースが、補助地方義勇軍です。
第2次世界大戦でドイツと対峙して国家の存亡を賭けた戦いの中で王室も現場に出るべき、とばかりにトラックの整備や運転をしていた後の女王陛下ですが、所属していた補助地方義勇軍にはほかにウィンストン・チャーチル首相の娘もいたと言います。
基本的には米の婦人陸軍部隊同様、後方から前線まで軍隊の補助業務、後方支援任務が主だったようですが、ダンケルク撤退で命からがら撤退する英フランス派遣軍の中には補助地方義勇軍の女性隊員も含まれ、前線と無縁だったわけではありません。
そもそも英本土すら爆撃で戦場だったのですから前線と言ってよかったのですが、そこでもサーチライトや射撃管制装置の操作まで活躍しています。
ほかに戦前から王立婦人空軍、王立婦人海軍で女性が同様の働きをしており補助地方義勇軍も後に王立婦人陸軍に改組、1994年に王立婦人海軍が消滅(軍に編入)されるまで存続していました。
U.S.Army photo by Spc. Patricia Caputo/Released
アメリカ軍での女性兵士は2010年代には珍しくなくなっていましたが、特別に女性部隊として編制されたのがアフガニスタン派遣部隊でのCST。
イスラム圏では戒律が厳しいほど男性と女性の接触が認められないケースも多く、女性の民間人などを相手に男性兵士が情報収集を行うわけにはいかないので、そうした特殊任務のために女性部隊が創設されました。
基本的には男性部隊により攻撃や進撃が行われる前に先行して潜入活動がメインとなるため、時にはゲリラなどと交戦することもあり、文化的事情に起因するとはいえ、近年では珍しい最前線で戦う女性専門部隊です。
後に、従軍した部隊員により「アシュリーの戦争」として書籍化されました。
By Douzeff – 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, Link
「夜の魔女」らが使用したものと同型のPo-2連絡機
第2次世界大戦中、本土で激しい戦いが行われる中で女性の大規模動員に踏み切ったのは、ソ連も同様でした。
中でもソ連が飛行クラブなどでパイロット資格を持つ女性も多く、また損耗が非常に激しかったため第一線飛行隊で戦った女性が多数おり、女性飛行隊があったことが特徴。
練習機や連絡機として使われていたポリカルポフPo-2で編成された第46新鋭夜間爆撃航空隊もそのひとつで、Po-2は日本で言えば「赤とんぼ」(海軍九三式中間練習機 / 陸軍九五式一型練習機)どころかそれより小さい飛行機です。
わずか100馬力程度のエンジンに小型爆弾を抱えて夜間低空で目標に接近、エンジンを切ってほとんど音も無く滑空しながら爆撃を行うという戦法でした。
爆弾の威力は小さくとも、毎晩繰り返されるこの種の攻撃は心理的に有効で、ドイツ軍からは「夜の魔女」と呼ばれています。
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スターリングラードの白百合ことリディア・リトヴァク
その当初、操縦技術を見込まれてあらゆる任務に投入されたソ連の女性パイロットですが、操縦はともかく戦闘に関しては全くの素人だったので、損害が続出しました(もっともこの点は男性でも同じですが)。
しかし、中には戦闘機パイロットとして頭角を現す女性パイロットもいて、彼女たちを集めて編成された飛行隊のひとつが、ヤコゴレフYak-1戦闘機を装備していた第586戦闘機航空連隊です。
(他に前述の第46親衛夜間爆撃航空連隊と、軽爆撃機ペトリャコフPe-2で編成された第587爆撃飛行連隊がありました)
有名なのは12機撃墜のリディア・リトヴァクと11機撃墜のエカテリーナ・ブダノワで、この2人が史上たった2人しかいない女性エースパイロットだと言われています。
2人とも戦死してしまい、またソ連空軍女性パイロット部隊創設に尽力した女性飛行家マリーナ・ラスコーヴァも戦死するなど、男性部隊同様に損耗は非常に激しく、さすがに戦後まで女性航空隊は維持されませんでした。
物心付いた時には小遣いで「丸」や「世界の艦船」など軍事情報誌ばかり買い漁り、中学時代には夏休みの課題で「日本本土防空戦」をテーマに提出していた、永遠のミリオタ少年。撤退戦や敗戦の混乱が大好物で、戦史や兵器そのものも好きだが、その時代背景や「どうしてこうなった」という要因を考察するのが趣味。
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