ローン・サバイバー～アフガンで迷子、怖いおじさんもいっぱいだ！～

先日紹介した『マイル22』はもうみんな見たよね？え、まだ見てない？なんで、どうして？ふむふむ、ピーター・バーグってアレだろ？『バトルシップ』の監督だろ？

ちょっとおまちよ。この間も言った通り、今やピーター・バーグといえばリアルアクション路線の第一人者なんだぜ。え、まだ信じられないって？だったら今Amazonプライムでピーター・バーグ監督と、マイケル・ウォールバーグが初のタッグ組んだ記念すべき作品『ローン・サバイバー』が見放題だからこれを観て考えを改めな！

出典：ローン・サバイバー(吹替版)

大まかなストーリー

タリバンの暴れん坊幹部を暗殺する任務を受けた4人の米軍兵士達。しかし任務遂行中に地元住人に見つかり、人道的な判断で彼らを殺さずに解放するも、タリバンに報告されてしまう。電波状況が悪く、助けを呼ぶ無線もうまくつながらない！しかも怖いタリバンが4人を殺しにAK片手に追ってくる！ズラリそろったその数100人、4人に対して多すぎだろ！やっと助けに来たヘリも撃ち落とされるわ、仲間はみんな死んじゃうわで、てんてこまい！たった一人生き残ったマーカス一等兵曹は、無事この地獄の遠足からお家に帰ることができるのか！？

レビュー

そもそもこの映画のストーリーは、2005年に実際に行われた『レッド・ウィング作戦』、その失敗という実話と、それを綴ったマーカス・ラトレル本人による手記が原作となっている。こうして出来上がった今作の見どころはなんと言っても、リアルな戦闘シーン。といってもアクションが迫力満点、爆発がすごいというカッコよさにベクトルを置いたものではない。どちらかと言うと、リアルに人が傷ついていく、徐々に命を削られていくという、戦いの現実と、その痛みの描写に趣が置かれている。敵から逃げる為にやむを得ず崖から転がり落ちていく際に、下にマットなんかない、硬い石や木に激突し、肉は裂け骨が折れていく。敵の銃弾で体の一部が徐々に削り取られていく様が嫌になるほど直接的に描写されているのだ。これまでの戦争映画でも人の体が徐々に壊れていくものは多く存在したが、明らかに今作はその進化系と言える出来になっている。これはテクノロジーの向上や、それに伴って生まれた新しい撮影テクニックによって可能となったものだ。兵士の視点から見る、霧や日光の中にうっすらと浮かぶ敵の影、目の前をかすめる弾丸、生々しい傷、画面を見ているだけで、恐ろしい戦場の臨場感を味わわされてしまう。

映画『マイル22』は全国の劇場で絶賛公開中。その予習も兼ねて『ローン・サバイバー』をご覧になって見てはいかがだろうか？