ベトナム戦争で生まれたベトコン発見器『People Sniffer』！おしっこの臭いで居場所が分かる！？

戦時中には変態銃をはじめとする様々なトンデモ兵器が登場していますが、中には誰が見ても失敗するだろうと思われていた兵器が予想以上に成果を挙げる場合もあります。

そんな兵器の一つがベトナム戦争時に開発された「People Sniffer」と呼ばれる兵器。

なんとこの兵器はベトナムのジャングルに潜むベトコン達を見つけることができるという非常に画期的な兵器だったのです。

今回はそんなPeople Snifferについてご紹介したいと思います。

■ゲリラ戦でアメリカ軍を苦しませたベトコン達

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ベトナム戦争と言えば映画『プラトーン』に登場するようなジャングルにおける戦闘をイメージすることが多いと思います。

プラトーン（字幕版）

実際、南ベトナム解放戦線のベトコン達は熱帯のジャングルを味方に戦っており、ジャングルに潜みながらゲリラ戦や奇襲を繰り返す事でアメリカ軍に膨大な損害を与え続けました。

一方でアメリカ軍は絨毯爆撃などを行い、ジャングルに潜むベトコン達を一掃しようと考えますが、木々が生い茂ったジャングルでは空からベトコン達を発見することができない上、闇雲に爆撃しても密集した木々で爆風が遮られ殆ど効果はありませんでした。

航空機を使った絨毯爆撃などでも成果もあげられず、被害を増やし続けていたアメリカ軍は更なる別の手段を模索しなければならなかったのです。

■ベトコン達のおしっこに反応する「People sniffer」！

苦戦を強いられていたアメリカ軍ですが、ある日ゼネラルエレクトリック社によって『People sniffer』とよばれる兵器が開発されます。

このPeople snifferはまるで火炎放射器のような姿形をしている兵器なのですが、実はこのPeople snifferは人間の汗や尿の臭いに反応する機械で、ジャングルに潜むベトコン達の臭いで居場所を突き止めるという物でした。

導入された当初は使用者の臭いに反応してしまうなど、いくつかのトラブルはあったものの、人間特有のアンモニアを100万分の1まで検出する事ができた上、なんと効果範囲も広く、本当にジャングルに潜むベトコン達を見つけ出すことができたのです。

成果が出ることが確認できたアメリカ軍は更に航空機に取り付ける事ができる大型のPeople snifferを開発し、空からもベトコン達が潜んでいる拠点を見つけることができるようになったのです。

またこの頃にはPeople snifferを専門に扱う部隊も編制され、部隊のワッペンには人気キャラクターのスヌーピーが採用されることとなりました。

■あっさり対処法を編み出されてしまった「People sniffer」

People snifferが実戦に投入されて以降、アメリカ軍はPeople snifferを頼りにベトコン達の居場所を探し始めました。

そして最初の内こそかなり効果があったものの、ある日を境に全く役に立たなくなってしまいます。

実はベトコン達に「アメリカ軍は機械を使い、臭いを頼りに拠点を探している」ということがバレてしまい、ベトコン達はPeople snifferの対策のために尿を貯めたバケツを様々なところに設置しはじめたのです。

この方法は非常にアナログな方法でしたが効果は抜群で、今までのようにPeople snifferを使って臭いを辿っていっても尿の入ったバケツがあるだけでベトコン達を見つけることができなくなってしまったのです。

また空からPeople snifferを使った探索は引き続き行われましたが、臭いを探知するためにしばしば低空飛行を行わなければならず、地上に潜むベトコン達の的になってしまう事もありました。

こういった出来事が重なり、一時は大成功を収めたPeople snifferもすぐさまお役御免となってしまったのです。

■まとめ

変態兵器の中でも割と効果を上げたPeople sniffer。

活躍できた時期はごくわずかでしたが、兵士達にとってはジャングルのどこに潜んでいるか分からないベトコン達を見つけてくれるPeople snifferは非常にありがたい存在だったことでしょう。

一方で、即座にPeople snifferの存在に気づき、的確な対策を生み出したベトコン達も見事と言わざるをえません。

こういった普段は思いつかないような発想が、今の科学技術を生み出していったのでしょうね。