- コラム
ロシアの英雄「リュドミラ・パヴリチェンコ」!300人以上も狙撃した女性スナイパーの壮絶な人生!
2018/07/21
Gunfire
すごいー! たーのしー!
2018/07/22
Gunfire
前回、サバゲーアーカイブ内でロシア帝国時代に活躍した女性スナイパー「リュドミラ・パヴリチェンコ」ついてご紹介しましたが、今回も前回に引き続き、ロシア帝国時代に活躍した女性兵士についてご紹介したいと思います。
関連記事:ロシアの英雄「リュドミラ・パヴリチェンコ」!300人以上も狙撃した女性スナイパーの壮絶な人生!
ちなみに前回はスナイパーでしたが、今回はパイロットとして活躍した方々の紹介です。
当時のソビエト連邦は男女同権を唱えていたため、数多くの女性が戦闘に参加していますが、その中に女性のみで結成された爆撃部隊が存在したのはご存知でしょうか。
その爆撃部隊は時代遅れの機体や時代遅れの装備を使用しつつも、ナチス・ドイツから“夜の魔女”や“スターリングラードの魔女”恐れられ、輝かしい戦果を残しています。
それでは早速紹介していきましょう!
By Russian Post, Publishing and Trade Centre “Marka” (ИТЦ «Марка»). The design of the stamp by A. Gribkova. Scanned by Dmitry Ivanov. – http://news.sarbc.ru/main/2012/03/27/120690.html
From a personal collection., パブリック・ドメイン, Link
ナチス・ドイツから“夜の魔女”と恐れられたのは、赤軍で初めての女性パイロットとなった「マリーナ・ラスコーヴァ」が率いていた「第46親衛夜間爆撃航空連隊」。
マリーナは当時の最高責任者であったヨシフ・スターリンと個人的な縁があったため、彼女は司令部の力を借りて「第586戦闘飛行連隊」、「第587爆撃飛行連隊」、「第588夜間爆撃飛行連隊」という3つの女性連隊を組織します。
そして、この第588夜間爆撃飛行連隊こそが、後の第46親衛夜間爆撃航空連隊であり、彼女たちの主な任務は部隊名の通り夜間爆撃でした。
ただ、爆撃とはいっても現代のような絨毯爆撃ではなく、爆弾を2個ほど飛行機に積み込み、夜間に敵地に向かい爆弾を落として帰ってくるというもの。
By Michał Derela (Pibwl) – 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, Link
しかも彼女たちはPo-2と呼ばれる機体を使用していたのですが、Po-2は機体のほとんどが木材で作られた複葉機で最高時速も150㎞と遅く、当時では時代遅れとなっており、主にパイロットの練習機や農薬の散布などの雑務機として使われている機体でした。
しかし、Po-2は時代遅れながらエンジンを切っても滑空飛行ができるほど機体のバランが良かったため、彼女たちはPo-2の利点を最大限に活かし独自の爆撃方法を編み出します。
その爆撃方法というのが敵地まで低空飛行で飛び、敵地へ近づいたら急上昇してエンジンを切り滑空を開始。
そして敵陣上空に到着したら爆弾を投下し、爆弾の炸裂と共にエンジンをかけて飛び去るという物。
文字にすれば非常に簡単で単純に思えますが、Po-2は無線機すら搭載されておらず、暗闇の中、ペンライトとコンパスのみで目的地まで操縦するのは至難の業。
しかもPo-2に搭載できる重量は非常に限られており、爆弾を2個ほど積み込めばほぼ限界で、彼女たちは少しでも重量を減らすためパラシュートすら装備せず、まさに命がけで任務を遂行していました。
しかし、その甲斐もあってか彼女たちの夜間爆撃はナチス・ドイツ軍に多くの影響を与えます。
爆撃の被害自体は大した事無いのですが、ナチス・ドイツ兵からすると暗闇の中、遠くの方で風切り音が聞こえたと思えば自軍のどこかが爆発し、しかもそれが毎夜のように続くためろくに休む事すらできず、兵士達の神経は日に日に磨り減り進軍速度にもかなりの影響を及ぼしていました。
夜の魔女達の襲撃に毎夜のように悩まされていたナチス・ドイツですが、ついに本格的に文字通り魔女狩りを行い始めます。
当時、ナチス・ドイツの主力戦闘機であったメッサーシュミット Bf109を使い、夜にやってくる魔女を撃破する計画を立てたのです。
しかし、当時ではわりと最新型だったメッサーシュミット Bf109を投入しても夜の魔女たちの爆撃を止める事はできませんでした。
Po-2は低空飛行な上、木造のためレーダーにも感知されにくく、見つけることが困難だった上に、Bf109はスピード重視の機体だった事に対しPo-2は最高時速が150㎞と遅く、空中戦での撃破は困難を極めたのです。
あまりにも撃破が困難だったことからPo-2を撃破できたパイロットには鉄十字章が授与されるほどだったのだとか。
結局、ナチス・ドイツのパイロットたちは戦闘機で魔女達を狩る事に匙を投げてしまったため、残された手段は地上からサーチライトで照らし、対空砲で迎撃するしか手段は残されていませんでした。
そして最終的に、夜の魔女達が結成された1942年から終戦までの間、3000トン以上の爆薬を敵地に投下し、間接的ではありますがナチス・ドイツに膨大な被害を与えていったのです。
実は今回紹介した第46親衛夜間爆撃航空連隊を描いた映画もあります。
史実を描いた戦争映画は割と好きで割と良く見るのですが、第46親衛夜間爆撃航空連隊の映画があると知ったときには心躍る思いでした。
しかし、映画のタイトルを見たとたん愕然としました……。
第46親衛夜間爆撃航空連隊を描いた映画の名前は、その名も「対独爆撃部隊ナイトウィッチ」。
なにやらB級映画感満載のタイトルで、第46親衛夜間爆撃航空連隊の事を知らなければなんの映画かさっぱり分からないタイトルとなっています……。
また1981年に作られた映画なので、CGなどもなく今の映画に慣れてしまっている人にはかなり物足りない映画かもしれません。
また、肝心の夜間爆撃などのシーンが非常に少なく、タイトル通り中身も残念な感じに仕上がってしまっています。
ただ昔の映画が好きな方や第46親衛夜間爆撃航空連隊に興味がわいた方は、一度見てみるのもいいかもしれません。
面白いかどうかは保証できませんので悪しからず……。
元々はインドア派だったが、体力の衰えを感じはじめたため、体を動かす趣味を探してサバイバルゲーム初参加。それ以降というものサバイバルゲームの魅力と銃の魅力にひきつけられ、今では猟銃免許や狩猟免許まで手を出して本物のショットガンを背負って山でイノシシやシカを追うまでに。サバゲーやアウトドアの魅力を知ってもらうために今日も熱意執筆中。
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