意外と多い祝砲の事故。海外では死者多数……？

お祝い事の時に空砲を使って銃や大砲を発砲する「祝砲」

銃刀法が非常に厳しい日本ではあまり馴染みがありませんが、海外で割とメジャーな行為だったりもします。

また、祝事だけでなく弔事や式典などでも行われ、戦争映画好きの人なら一度は“墓地に集まった礼服を来た兵士達が空に空砲を撃つ”といったシーンを見た事があるのではないでしょうか。

しかし、実はこの祝砲で大事故や死亡事故が度々発生していることはあまり知られていません。

そこで今回は祝砲や弔砲の歴史や祝砲による死亡事故などについてご紹介していきたいと思います。

■祝砲の種類と歴史

By PH1 DAWN C. MONTGOMERY, USN – http://www.dodmedia.osd.mil/Assets/2005/Navy/DN-SD-05-00552.JPEG, パブリック・ドメイン, Link

冒頭でも少し触れましたが、祝砲には大きく分けて3つ種類があります。

その三つとは祝事に行う「祝砲」、弔意を表すための「弔砲」、そして式典の時に「礼砲」です。

また一言で祝砲といっても使う銃器は様々で、戦艦に搭載されている大砲や陸地で使う野戦砲、そして映画などでよく目にするライフルなど多種多様です。

ちなみに実は日本でも天皇が即位された時などに行われており、防衛大臣が必要と認めた場合には祝砲が行われていたりもします。

そしてこの祝砲は元々、イギリス海軍が武装解除の証として行われたのが始まりだといわれています。

昔の戦艦に搭載されていた大砲は銃口より砲弾を装填していたため、一度発射すると銃口を戦艦の内部に格納しなければ次弾が装填できませんでした。

そこで、あえて空砲を撃ち、大砲を戦艦の内部に収納しないことで
「砲弾は装填されておらず、攻撃の意思はない」
と表現していたといわれています。

それがいつの間にか祭典や祝事で行われるようになり、現代の祝砲になったといわれています。

■空に向かって撃つのは非常に危険？意外と怖い実弾の祝砲

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元々イギリス海軍から始まったと言われている祝砲ですが、最近では民間にも広がりつつあり、結婚式やお祭りでも行われるようになってきました。

しかし、民間人が行う場合の大半は空砲ではなく実弾。

特に西アジアや中央アジア周辺ではAK-47などのアサルトライフルを用いて空に向かって乱射するという行為が見られるようになりつつあります。

そして、空に向かって弾丸を撃てば誰にも当たらないし安全と思われるかもしれませんが実はこれは非常に危険な行為なのです。垂直発射された弾丸はかなりの距離を上昇した後、重力の力により自由落下がはじまります。この自由落下の速度は方程式によって導きだすことがですが、非常に難解のため結論だけお伝えすると、なんと30口径クラスの銃弾だと時速300km以上の速度で落下してくることとなるのです。

■実際に起きた祝砲の事故

時速300kmの速度で落下してくる弾丸に直撃すれば人間はひとたまりもありません。実際にこれまで数々の人々が祝砲により命を落としています。

一番大きな事故になったのがサウジアラビアで起きた祝砲による事故。なんと祝砲が電線を切断し、近くにいた23人もの人物が高圧電流により死亡するという事件が起きています。

またインドでは結婚式に参列していた男性が祝砲を撃った際に花婿に直撃し命を落としてしまったり、フランスでは空に向けて撃った実弾の祝砲が別の結婚式の参列者の頭部を直撃するといった事故も発生しています。

礼砲としてはフィリピンでは新年を祝う際に爆竹や花火を使うのですが、実弾を用いた祝砲を撃った結果、流れ弾が少女に被弾し命を落とすという事態になっています。

■まとめ

意外と怖い祝砲。
空に撃てば安全と思われつつも、実際は非常に危険な行為だったりします。

日本ではまず起こり得ない事件や事故ではありますが、サバイバルゲームでは銃口の先には十分に気を付けましょう。