TKDの実銃語りたい-M16後編-

こんにちはTKDです。

前編はこちらから！
ではさっそく後編へGO！

M16とベトナム

ベトナムに送られたM16ですが、動作不良が続き欠陥問題が発生してしまいます。この欠陥問題は1966年に上院や公聴会を開かれるほど大きな問題へ発展しました。

さて、M16の欠陥問題ですが、最も大きな欠陥点とされたのは※ボルトの不完全閉鎖。（※弾丸の火薬が燃焼する間、薬室を閉鎖する部品）

加えてベトナムの高温多湿の気候はM16のボルトから入り込み、銃内部に錆を発生させて使い物にならなくさせてしまいました。

トライアルではM16は優秀な結果を出したにも関わらず、ベトナムではなぜ欠陥問題を抱えてしまったのか。
調査を進めた結果、分かったことは兵士によるメンテナンス不足が原因でした。

当時のアメリカ陸軍はどうもM16のクリーニングを徹底させなかったという衝撃の事実が判明。
元々クリーニングキット自体の支給量も限られていたため、兵士の中には本国アメリカからクリーニングキットを取り寄せる者もいたそうです。

さらに悪いことにM16に付随されたパンフレットには「本銃は現用兵器の中でも最も手入れを必要としない」という項目をメンテナンスを一切しないでよいと、勘違いする者も多かったという…

M16の派生型

By Post-Work: User:W.wolny – http://www.army.mil/cmh-pg/matrix/101/, パブリック・ドメイン, Link

XM16E1をクリーニングするアメリカ陸軍兵士

M16は5.56mm弾を使用してるのですが、この弾薬をNATOの統一規格にゴリ押し採用。これを受けたM16のメーカー、コルト社（AR-15のメーカーはアーマライト社だったのですが、いろいろあってM16のメーカーはコルト社）はM16の派生型の開発に乗り出します。

M16A1からM16A4へ

NATO規格5.56mm(SS109)に対応したモデル。M16A1E2の名前でアメリカ陸軍のテストを受けました。銃身をより肉厚のヘビーバレルに、またライフリングのピッチも変更。ハンドガード部分も特徴的なおにぎり型から円形のものへ。

さらに、射撃モードに3点バーストが追加され、さらに弾薬の節約と命中精度の向上へとつながりました。
テストをパスしたM16A1E2はM16A2へと名称を改め、従来のM16A1から切り替えられていきます。

1996年にはM16A3とM16A4も導入され、さらにバリエーションは広がっていきます。M16A3は海軍のみが使用しており、陸軍と海兵隊はM16A4を使用。（アメリカ海兵隊とアメリカ海軍はそれぞれ独立した軍隊組織）

M4の誕生

東京マルイ No.3 SOPMOD M4 18歳以上次世代電動ガン

M16が長くて使いづらいなら短くしちゃおうという発想からM4という銃が作られました。カービン（騎兵銃）モデルの銃はM16の他にはM1カービンなどが有名。

By ポルトガル語版ウィキペディアのFab-peさん – Transferred from pt.wikipedia to Commons by Econt., パブリック・ドメイン, Link

上がM1、下がM1カービン

M1カービンの思想を受け継ぎ、1994年にはM16A2の短縮モデルM4カービンを開発。世界を代表するにふさわしいカービン銃M4はこうして誕生しました。

M4カービンはアメリカ特殊戦群（SOCOM）でも使用され、SOPMODと呼ばれる各種アクセサリーが用意されています。

パブリック・ドメイン, Link

M4 SOPMODアクセサリーキット

現在でもM4カービンは進化しつづけ、M4クローン（コルト社以外のメーカーが開発したM4をM4クローンと呼びます）の台頭は目覚ましい。エアガンの部門でも東京マルイの次世代電動ガン、HK416、HK417などは人気ですね。

1963年の採用以来、戦闘形態の変化に対応し続けてきたM16。設計思想の古さからこれ以上の改良は不可能であるとし、”LSAT(Lightweight Small Arms Technologies/軽量小火器工学) ”計画を新たに打ち立てましたが、
あまり目立った進歩はない様子。

まだまだしばらくM16系、M4系の活躍が続いていくことでしょう。