今のガスは使えなくなる？ 今後はCo2ガスガンが主流になるか？

電動ガンが登場してからというもの、メインウェポンの座はオールシーズン使用可能で連射能力の高い電動ガンに奪われつつありますが、ガスガン特有のブローバックの強さに惚れ込んでいるサバイバルゲーマーも多く、未だガスガンも根強い人気があります。

しかし、そんなガスガンの未来には大きな壁が立ちはだかっているのをご存じでしょうか？

実は、ガスガンに使用しているガスが今後は地球温暖化対策の一環で規制対象になる予定があり、使用することができなくなる可能性があるのです。今回はそんなガスガンに必要不可欠なエアガン用ガスに取り巻く問題についてご紹介していきます。

HFC系ガス85％削減に合意した日本

現在のガスガンに使用されている主なガスは「HFC134a」か「HFC152a」というガスで一般的に「HFC系ガス」と言われています。
 
 

元々、このHFC系ガスは従来のフロンガスの代替品として誕生し、別名「代替フロン」とも呼ばれています。

代替フロンであるHFC系ガスの大半は冷蔵庫やエアコンの冷却用ガスとして使用されていますが、フロンガスと比べオゾン層破壊効果は少ないものの地球温暖化係数（温室効果）は二酸化炭素より高いという性質を持っています。

そしてここ最近になってHFC系ガスの地球温暖化係数が問題視されるようになってきたのです。

このHFC系ガスの規制はモントリオール議定書と呼ばれるオゾン層を保護するために採択された議定書によって定められており、実は日本も既に“2036年までにHFC系ガスの使用を85％削減する”と合意しています。

サバイバルゲームのガスガン用に使われている量は冷却材として使われているガスの量と比べたらごくごくわずかなので、規制の対象外になる可能性もあるのですがHFC系ガスそのものが規制されてしまうとどうしようもなくなってしまうのです。

十数年前にも起こったフロンガス使用禁止問題

実は以前にも一度、今回のガスに関するような問題が起こっており、十数年前からずっとサバイバルゲームやエアガンに触れている熟練プレイヤーは既視感を感じるのではないでしょうか？

実はガスガンが登場した際に使用されていたガスはCFC-12と呼ばれるフロンガスだったのですがオゾン層を破壊する上に温室効果も高いため使用が禁止されたという経緯があります。

その結果、現在使用しているHFC系ガスを使うようになったのですが、今回はHFC系ガスも規制される可能性が出てきてしまったというわけです。

Co2ガスガンが主流になる時代はくるのか？

最近、徐々にCo2ガスを使うガスガンが登場してきました。特に有名なのが日本のエアガンメーカー「マルシン」が開発したCo2ガスガンである「Five-seveN」。

Co2ガスガンのメリットは冬場であっても夏場と同様の威力やブローバックを楽しめる点にありますが、こういったCo2ガスガンが登場した背景には今回のHFC系ガスの規制問題も少なからず関係してきており、どのメーカーもHFC系ガスに変わるパワーソースを模索していると考えられます。

ただ、ガスガンのガスとして使用できる条件としては「ゴムを腐食しない」「ガス圧が強い」「毒性がない」「安価」そして「気化しやすい」といった様々な条件があり、なかなかすべての条件を満たすガスはありません。

一部では環境省や経済産業省が推奨している「HFO」と呼ばれるオゾン層破壊効果もなく温室効果も少ないガスが使われるのではないかという声もあります。

まとめ

なかなか難しいHFC系ガス規制問題。もしかしたらこのまま規制がかからない可能性もありますが、規制がかかってから次世代のガスを探していては遅いので、規制がかかる前に新しいガスが登場してくると思われます。

ガスガン自体が無くなるという事はまずあり得ませんが、代替ガスによってはガスの価格が上がったり、威力が弱くなったりする可能性はゼロでは有りません。

ガスガン好きのサバイバルゲーマーは今後、エアガンメーカーの発表や動きに注意したほうがよさそうですね。

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