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2017/12/19

Gunfire

アメリカ軍制式採用のP320が使用禁止!? 原因は「暴発の危険性」!

2017年の1月にラスベガスで開催された2017 SHOT SHOWでアメリカ軍は制式拳銃を「Beretta M9」から「SIG SAUER P320」へ変更する事を発表し、法執行機関の装備に大きな転換期を迎える年となりました。

そして2017年の11月から実際にP320の支給が開始され、来年にはすべて置き換わる予定といわれています。

そんな歴史的快挙を成し遂げ、順風満帆のように見えるSIG SAUER社ですが、「P320の危険性が発見され使用認可を停止した」という情報が飛び込んできました。今回はそんなP320を取り巻く実情についてご紹介したいと思います。

P320の使用を禁止させたテキサス州のダラス市警察


今回、P320の使用を禁止させたのはアメリカのテキサス州にあるダラス市警察

ダラス市警察はP320が制式拳銃として認可されたにも関わらず「落下時に暴発の危険性がある」と指摘し、ダラス市警察に配属されている警官たちに今まで通りP226を使用するか、それ以外の認可している銃を購入するように通告しました。

この出来事はアメリカではかなり注目を集め、P320のリコールの噂が流れたり、独自でP320の落下テストを試して動画を公開するYouTuber達が現れるなど様々な波乱を巻き起こす結果となりました。

本当は禁止ではなく一時的に使用を停止していただけ? 噂が噂を呼び大事に?

SIG Sauer P320 compact pistol.jpg
By Rouven74投稿者自身による作品, CC 表示-継承 4.0, Link

このP320使用禁止騒動ですが、当初は原因が不明だったものの、最近になってようやく事件の全貌が明らかになってきました

今回、ダラス市警察が使用を禁止した理由ですが、実際は禁止ではなく正確には“一時的に使用を停止しただけ”だっただけのようです。

一時停止の理由はマニュアルの文言。

P320のマニュアルには「If dropped, the pistol may fire(落下時に発砲される可能性があります)」と記載されており、その文言に疑問を持った採用担当者がSIG SAUER社に問い合わせを実施し、返答がくるまでの間、P320の使用許可を一時的に停止しただけだったのです。

この一連の出来事が伝言ゲームのように外部に漏れ、今回の「ダラス市警察がP320の使用を禁止した」という事態に発展したようです。ちなみにP320が暴発したという事件や事故は起こっておらず、現在は普通に支給品として使用されています。

アクセサリーも次々登場しているP320

引用:Fire Control Unit
 
意外なところでひと騒動が起きたP320。ただ、今回の事件がただの勘違いだったと判明したため、今後のP320はさらなるシェアを拡大していくでしょう。

そんなP320のシェア拡大を見越してか様々なガンアクセサリーも登場しています。その中でも個人的に注目しているのはFireControlUnit社が開発している「X01」

X01はファイバー強化樹脂で作られたコンバージョンキットで、P320がサブマシンガンぐらいの大きさになり、ストックやピカティニーレールも付属しています。射撃性能はハンドガンですが、ストックやピカティニーレールが加わることにより命中精度が上がったり、光学機器を装着できたりと様々なメリットがあります。

また、アメリカではコンバージョンキットは銃としてカウントされないため、購入する際にシリアル登録など煩わしい手続きをせずとも購入することができ、簡単に銃の形状を増やすことができるため銃愛好家たちにも人気の商品のようです。

まとめ

説明書の文面一つで大きなトラブルとなった今回の事件。実際に独自で落下テストを試したYouTuber達の中には本当に落下時に暴発するという事態になったケースもあるようです。

ただ、今回の事件を重く見たSIG SAUERは自主的にアップデートプログラムの提供を開始し、無料でパーツを追加することでより暴発しにくい構造となるようです。一時はリコール騒ぎになるかと思っていたのですが、SIG SAUER社の対応の早さもあり、今後も末永くP320が使われていくこととなりそうですね。

関連記事:米軍正式拳銃がついに世代交代!Beretta社の「M9」からSIG SAUERの「P320」へ!

Gunfire

元々はインドア派だったが、体力の衰えを感じはじめたため、体を動かす趣味を探してサバイバルゲーム初参加。それ以降というものサバイバルゲームの魅力と銃の魅力にひきつけられ、今では猟銃免許や狩猟免許まで手を出して本物のショットガンを背負って山でイノシシやシカを追うまでに。サバゲーやアウトドアの魅力を知ってもらうために今日も熱意執筆中。

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