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2017/10/18

菅野 直人

買える! カスタマイズする? 日本車の軍用車両5選

民生用として開発されながら自衛隊や他国の軍隊、非正規軍事組織で使用、あるいは逆に軍用車両の民生版として発売され、一般的に手に入りやすい「日本車」を紹介します。サバゲー用アイテムとしてもあり?

三菱 パジェロ(2代目)

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GFDL, Link

かつては同じ三菱でもジープを「73式小型トラック」の制式名で使っていた自衛隊ですが、1996年からは制式名称はそのままにベースをパジェロに変更。あくまで「73式小型トラック」のモデルチェンジ版2代目という扱いでしたが、2001年からは「1/2tトラック」に変更されています。

自衛隊仕様の型式がV16Bとなっていることから、ベースとなっているのは2代目パジェロ初期に存在した型式V14V、3ドアショートボディ・メタルトップ版の「XEバン」とも思えますが、調達開始時期にはより新しい型式V24C、2ドアショートボディ・着脱式トップの「JトップXS」が登場していることから、こちらの方が近いと言えるでしょう。

外観は軍用車両らしく角張ったものへ大幅に変更され、エンジンもベース車のショートボディが搭載している4D56型2.5リッターOHCディーゼルターボ(85馬力)から、4M40型2.8リッターOHCディーゼルインタークーラーターボ(140馬力)へ変更されています。

実際、初代や2代目パジェロベースで73式小型(1/2t)トラックに準じた外装に変更したカスタムカーが製作され、中古車市場に出回ったケースがあるようで、製作自体は不可能では無さそうです。

その際、動力系にこだわるならエンジン換装はポイントになりますが、2代目パジェロには150馬力3リッターV6ガソリンエンジンやパジェロエボリューション用280馬力の3リッターV6MIVEC仕様もあったので、好みでそちらでも構いません。

なお、2014年以降に配備された1/2tトラックはボンネットにインテークの無いV17B型となっており、そちらのエンジンは2.5リッターDOHCMIVECディ-ゼルインタークーラーターボの4N15型に変更されています。
排気量は下がったとはいえ最新エンジンで出力・トルクともに向上していますが、自衛隊向けは少なくとも仕様書の上では旧型とスペックは同じです。

ベースの2代目パジェロJトップは中古市場でもタマ数が少ないのですが、あれば50~100万円程度が相場となります。

トヨタ ハイラックス(歴代)

2015 Toyota HiLux (GUN136R) SR5 4-door utility (2015-10-18).jpg
By EurovisionNim投稿者自身による作品, CC 表示-継承 4.0, Link

日本市場では2017年9月からダブルキャブ仕様の販売が再開されたピックアップトラック、トヨタ ハイラックスですが、紛争地帯で機関銃やロケット弾など武装して使われているのは、当然ながら荷台の広い昔ながらのシングルキャブやキングキャブ

中東やアフリカの方では、現地軍か武装組織に配備されたと思しき新車のハイラックス(あるいは北米名の4ランナー)がズラリと並ぶ写真もあり、「戦場のタフギア」として重宝されている様がうかがえます。

正式に軍用車両として使うよりゲリラなどでの使用が多く、日本から輸出された中古車も多いことから、オリーブドラブなど「軍用色」より似合うカスタマイズが。

あえて「日本の工務店や林業などで使われていたお古」という想定で、適当な商用マーキングを施し、適当に汚したり塗装や文字を剥がした上で、ダミーの高射機関砲に擬装シートなど被せておくと、それっぽいのでは無いでしょうか。

ベースになる2ドアシングルキャブ、あるいはキングキャブのハイラックスは昔はどこでも見かけた頑丈な商用トラックだけあり、35~319万円の間でタマ数も豊富です。ただしローダウンされたカスタム車両の古いものも多いため、ミリタリー風にカスタムするためのベース車としては80万円から上でしょうか。

トヨタ ランドクルーザー(主に40系、70系)

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By Andreas Tille投稿者自身による作品, CC 表示-継承 4.0, Link

ハイラックス同様「紛争地帯にトヨタあり」と言われるほど強靭なSUVで知られるランドクルーザー

ただし、日本でもっともよく見かける豪華大型SUV「ランドクルーザー」(80 / 100 / 200系)や、その小型版で見た目ほど悪路走破性は高くない見た目だけランクル、「ランドクルーザープラド」(70プラド / 90 / 120 / 150系)は別物です。

これらは車両価格に見合った豪華仕様、あるいは「クロスオーバーSUV」と呼ばれるシティオフローダー程度の走破性しか持たないのと、外装もそれに合わせて「ちょっと迫力ある乗用車風」なので、ミリタリールックは似合いません。

戦場で使われているのは、そのタフさが認められて世界中で大ヒットとなった本格オフロード4WD版(ヘビーデューティ-系とも言われる)で、1960年代から使われている40系と、その後継車で現在まで30年以上生産が続けられている70系です。

その中でも後部キャビン&ラゲッジが着脱式トップ、または幌となっているバージョンか、三方開きの延長された荷台となっているピックアップトラック仕様が戦場では武装の搭載に便利で、ピックアップは2014年に期間限定で70系ランドクルーザーが再販された時にも人気でした(それが2017年のハイラックス日本復活へつながります)。

ベース車は70系が日本で正規販売こそされていないものの、現在でも生産されているので高価ながら程度良好のものもあり、40系も含め市場価格は59.8~649万円ほど。タマ数は多いのでミリタリーカスタマイズのベース車として選択肢の多さが魅力です。

スズキ ジムニー(歴代)

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By Tennen-Gas投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, Link

1960年代に今は無きホープ自動車が開発、ホープスターON 4WDとして少数販売した後、製造・販売権を購入したスズキが大幅に手を加えて1970年代に発売したジムニー。軽自動車でありながら世界最強級の実力を持つ超本格オフローダーで、間もなく新型がデビューするとの噂ですが、2017年9月現在販売中のモデルでまだ3代目です。

その特殊さから「ボロボロなほど、それだけの悪路を走りきった証拠でジムニーらしい」と言われるほど国産車では70系ランドクルーザーと並んで稀有なオフローダーですが、日本でもジムニーシエラとして販売している海外版は若干大きいエンジンを搭載しています。

そんなジムニーですから軍用の軽連絡車として目をつけられないはずもなく、インド軍をはじめいくつかの国で正式な軍用車両として採用され、今も使用中。さすがに兵器プラットフォームとしては小さすぎますが、2代目の幌タイプを購入してオリーブドラブに塗装し、トイガンやレーションを前線? まで運ぶ小部隊用兵站車両としては、実にサバゲー向きでは無いでしょうか?

新型はだいぶ角張っているという話もあり、ハンヴィーや自衛隊の高機動車っぽくカスタマイズするのもシャレてるかもしれません。中古車市場価格はピンキリで1,000円(!)からオフロード用コンプリートカー368万円までありますが、ともかくタマ数は豊富です。

トヨタ メガクルーザー

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By Ypy31 – 自ら撮影, パブリック・ドメイン, Link

ここまで紹介したのは全て「民生用車両が軍用に転用されているケース」ですが、三菱 ジープと並び、「軍用車両の民生版」であり、もともとアメリカ製のジープを除けば唯一の「国産軍用車両の民生版」がメガクルーザーです。

ランドクルーザーや日産 パトロール(後のサファリ)も元々初代モデルは警察予備隊用に開発されましたが、採用されてないのでここでは除外ということで。

1993年に「高機動車」として自衛隊に配備開始、民生版メガクルーザーは1996年に発売されましたが、見ての通りアメリカ製のハンヴィー(民生版はハマーH1)をモデルとして日本国内で使うのに便利な仕様としたものです。

本家とサイズ的には似ていますが4WS(4輪操舵)の採用で小回りが利く……とは言うものの、元の図体が全長5m、全幅2mオーバーですから、乗用車感覚で「狭いところでもスイスイ」とはいかず、せいぜい狭い不整地でUターンやきついカーブを曲がりやすい程度。SUVというよりは「機動性の高いトラック」と考えるべきで、それゆえ自衛隊で「高機動車」として使われているわけです

悪路走破性やタフさではここまで書いた中でNo.1、あるいは最高レベルと言えますが、デカすぎるので個人の乗用にはちょっと向かず、中も頑丈な駆動系の張り出しで思いのほか狭いので、分隊より1個班の移動がやっとくらい

サバゲーでも被服やレーション、小火器程度ならジムニーやランクルで十分なので、メガクルーザーの出番があるとすれば、野外炊具の運搬や仮想敵として装甲車の役をやるくらいでしょうか。

同じプラットフォームを使ってトラックボディを乗せた通称「メガダイナ」や、同じくマイクロバスの「メガコースター」もあるので、そうしたレア車を買って「戦力」とすれば大ウケかも?!

まだまとまった数の注文があれば受注生産はしていると言われますが、基本的に出回っているのは中古車のみで、相場は700~1,000万円くらい。元々高価な車だけにオイソレとは手が出ませんが、レンジローバー・ディフェンダーより安いと思えばいかがでしょう?

菅野 直人

物心付いた時には小遣いで「丸」や「世界の艦船」など軍事情報誌ばかり買い漁り、中学時代には夏休みの課題で「日本本土防空戦」をテーマに提出していた、永遠のミリオタ少年。撤退戦や敗戦の混乱が大好物で、戦史や兵器そのものも好きだが、その時代背景や「どうしてこうなった」という要因を考察するのが趣味。

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