史上最低の米国大統領はまさかのあの人！映画『マイル22』のトークショーがなんか、すごい方向にブッとんでった話

今月18日、古着屋と飲み屋が同居する、よく言えば庶民的、悪く言えば貧乏御用達をなんとなくオシャレなイメージで塗り固めた町下北沢にて、映画『マイル22』で公開記念のトークショーに行ってきたんですよ。もうね、すごかったです。何がすごいって映画の話はもちろんなんだけど、話が変な方向に飛びまくっててこれがまた面白いんだけど、途中から「え、え、ソレ話していいの？ コトと次第によっては命狙われない？」みたいな話まで出てきて、帰り道サングラスかけた男に狙われている気分になりましたよ！

関連記事：最新映画『マイル22』～爆発亡命大作戦！お供は地獄のナビタイム！～

今回壇上に上がったのは、家に帰ると猫とドイツ人の嫁さんが待ってる、映画監督の松江哲明氏。そして「手を挙げて横断歩道を渡りましょう」でお馴染みじゃない方の松崎まこと氏、“松崎Aさん”って言うと知ってる人も多いんじゃないかな。それであともう一人、国際ジャーナリストの大野和基氏なんですが、この方の話すことがまぁ、消されるギリギリの線をいってて、話の最中も「これ以上は消される」的なニュアンスを挟んできて、楽しいやらヒヤヒヤするやらで、一本の映画に匹敵するスリルが味わえましたｗ

大野さん国際ジャーナリストですよ。まぁなんでも知ってるんです。今回の『マイル22』もそうだけどスパイ映画とかって見てるときの心持ちとしては、まぁこれは映画だから凄いんであって、実際のスパイはもっと地味なんだろうなーなってるじゃないですか。大野さん曰く実はそうでもなくて、かなり本当のことが描かれているとのこと。例えばボールペンにリモコン爆弾の起爆スイッチを仕込むなんてことはもう当たり前なんですって。で、それがどういうことかと言うと、CIAなんかが映画会社にバンバン情報提供して、実際の秘密兵器なんかも教えられる範囲で教えちゃって、それでカッコいい映画を作ってもらうことで、国内外にCIAはヒーローでしかもメッチャ強いってイメージを持ってもらおうってことらしい。逆に言うと、それでも教えられる範囲でしか教えてないから、実際はむしろ映画よりもっと強いって理解しちゃいますよね。さらに今回の『マイル22』の主人公たちは、任務に就くにあたって一旦米国籍から外されて、その結果海外で米国政府とは無関係というタテマエで危険なミッションを遂行するわけですが、これも本当にあるらしい！ 仮にミッションに失敗して敵に捕まっても、米国とは関係ない無国籍者として処理されるから、国際問題にならないんだとか。こう聞くと卑怯なやり方に聞こえるかもしれないけど、大々的に国同士が名乗りを上げて戦争に突入するよりも、こういった名もなき裏方たち同士で戦い、そこで問題を解決してしまえば無用な大戦争に発展しなくて済むということなのだ。平和な世界に出来た小さいほつれが広がって皆にバレる前に、裏でこっそり縫い直してる人たちなんですね。



で



ここまで来て、フィクションだけど限りなく現実に近い映画をピーター・バーグが撮る意味って何なのってところで、流石映画監督の松江さんが語るわけですよ。
ピーター・バーグのバトルシップより後の監督作品って全部事実を元にした、所謂“実録モノ”ばかり。事実を元に可能な限りリアルなアクションを描いてきたピーター・バーグ。筆者も観ました。まぁリアル。特に人が怪我をする描写がすごいんです。撃たれたり、崖から落ちたり、実際の戦場で人はどう動くかとか、実話を元にしているだけあって演出の説得力がすごいんです。3本続けて現実の戦いをポートレイトしてきた、もうそれが手癖の域まで達したんではないか。戦場のリアルがしみ込んだ監督が今フィクションを作ればどうなるか！？ フィクションが限りなくリアルに近づく、フィクションなのにリアル、絵空事のはずなのに戦場の匂いがする、そんな映画の次のステージへ行こうとしているんではないでしょうか、と松江監督。

現在世界最先端のアクション映画監督として完全に仕上がったピーター・バーグの最新作『マイル22』は、確実に今観る価値のある映画と言えるだろう。

あ、ちなみに大野さん曰くオ●マは史上最低の大統領らしいよ。