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今回紹介するのは19世紀から20世紀の初頭まで使用されていた超巨大な銃「パントガン」について!
By Sydney Harold Smith (or collaborators on his behalf) – This file has been provided by York Museums Trust as part of a GLAMwiki partnership., パブリック・ドメイン, Link
使用者と一緒に写っている姿を見ると、誰がどう見ても大砲にしか見えないのですが、実はこの銃は大砲ではなく、狩猟の為に開発された散弾銃なのです。
とはいっても、こんな巨大な銃を「狩猟で使っていた」と聞いても、まったくイメージが沸いて来ないと思います。
そこで今回はそんな世にも奇妙な散弾銃についてご紹介したいと思います。
この超巨大な散弾銃が狩猟で使われていたという事は冒頭も触れましたが、このパントガンを使って何の動物を狩っていたかというと、ずばり水鳥です。
「なんで水鳥を狩るのに何でこんな大きな銃がいるの!?」
と思われるかもしれませんが、これにも一応理由があります。
鳥類は危険を察知すると素早く飛んで逃げてしまうため、狩猟を行う際は“逃げられる前にどれだけ沢山の鳥を打ち落とすか”が重要となってきます。
そこで、考え出されたのは“一発で大量の散弾を発射できる銃”であり、それを実現するために作られたのがパントガンというわけです。
このパントガンは銃口から弾丸を装填する先込め式の散弾銃で、約0.5㎏分の散弾を発射する事ができます。つまり水辺に集まっている水鳥たちを一発で一網打尽にするために誕生したというわけですね。
ちなみに銃の名前にもなっている“パント”とは日本語で“船底”を意味しており、船に搭載して固定大砲のように使用されてしました。
ただ、ここで言う船とは大型の戦艦のような船では無く、大人が一人乗れる程度の小さな木製のボートであり、砲台は固定されているため照準を定める事が難しかったり、船上では2発目が装填できないなど、なかなか使い勝手が悪い銃でもあったようです。
しかしパントガンの猟果は素晴らしく、たった一発で50羽以上を仕留める事ができたため、たとえ使い勝手が悪くてもパントガンを使用して狩猟を行う人はかなりの数がいたそうです。
ただ、そんな見た目に反して大活躍だったパントガンですが、別の問題が発生してしまいます。
かなりの成果を出し続けたパントガンですが、残念ながら20世紀の初頭には姿を消してしまいます。
その理由はパントガンが禁止猟具に指定され、狩猟が法律で禁止されてしまったためです。
それまではパントガンをつかった猟が主流になりつつあり、時にはパントガンを使用する漁師があつまって船団を組み、一斉に水鳥を狩猟するという行為も行われていました。
しかし、パントガンはあまりにも優秀しすぎて“根こそぎ水鳥が獲れてしまった”ため、水鳥の数が一気に激減してしまったのです。
そして、この事態を重く見た政府は環境保全と水鳥の減少を防ぐために、パントガンによる狩猟を禁止し、その結果パントガンは時代と共に消えていったというわけです。
狩猟の道具としては違法になりましたが、パントガンは今でも何丁かは現存しています。
そしてYouTube上で実際にパントガンを射撃している動画を見つけてきました。
発射と同時に響き渡る爆音と跳ね上がる銃身、一気に崩れ落ちる128枚のクレー。
この威力を見る限り、パントガンは散弾銃というより、やはり大砲と呼ばれるほうが適切な気がしますね……。
いかがでしたか。
誰もが目を疑うような姿形をしているパントガンですが、実際に威力についても目を疑うような威力でしたね。
昔の猟師はこんな危険な物をボートのような船にのせて撃っていたというのですから、常識を疑わざるを得ませんね……。
ただ、日本ではかなりマイナーな銃ではありますが、イギリスではパントガンを使った祝砲が行われたこともあり、海外では割と有名な銃ではあるようです。
変わったエアガンが大好きな私ですが、仮にパントガンがエアガン化されても、この図体だとサバイバルゲームでは使用できそうにないですね……。
元々はインドア派だったが、体力の衰えを感じはじめたため、体を動かす趣味を探してサバイバルゲーム初参加。
それ以降というものサバイバルゲームの魅力と銃の魅力にひきつけられ、今では猟銃免許や狩猟免許まで手を出して本物のショットガンを背負って山でイノシシやシカを追うまでに。サバゲーやアウトドアの魅力を知ってもらうために今日も熱意執筆中。
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