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2017/08/21

菅野 直人

サバゲでもダンボールで作れそう?! 世界の豆戦車BEST5

戦車といえば昔の重戦車など役に立たなくとも見ているだけで華があり、実際に役に立ったものもありました。一方、対極にあるのが豆戦車で、山椒は小粒でピリリと辛い……とはなかなか言い難く、役に立たなそうで本当に役に立たずビックリ。

でも戦車さえいなければそれなりには? ということでいくつか厳選してみました。

5位:カーデン・ロイド豆戦車(英)

3.7inchHowitzerTowedByCarden-LoydMortarCarrier1929-2.jpg
By Photographer not identified. “Official photograph”. –
This is photograph KID 502 from the collections of the Imperial War Museums.
, パブリック・ドメイン, Link

元祖豆戦車たるイギリス製の超小型装軌車両。
正確にはロクに装甲も無い装軌式牽引車に機関銃を装備した程度のもので、それもそのはず、イギリス軍のある将校が自宅ガレージで適当な廃品を寄せ集めて作ったのが原型と言いますから、「やっぱりブリテンか!」というエピソードではありますが。

1920年代のイギリスでは多砲塔戦車など重戦車を配備したら普通の戦車を配備する予算が無い! ならば少ない予算でも配備できる超小型戦車、つまり豆戦車を配備しよう! というハイ・ローミックス構想で採用されてしまったんですね。

結局重戦車も予算が無くて配備されなかったんですが、カーデン・ロイド豆戦車は植民地警備用にはちょうどいいので、イギリス軍以外でもとりあえず大量に戦車らしきものを持ちたい世界各国で使われました。

イギリス軍で使われた車両なんかは、太平洋戦争序盤のマレー戦で忍び寄った日本軍歩兵に殴り込まれては乗員ごと撃破されたりで、マトモな軍隊相手に通用しなかったわけですが。

※装軌車両とは、一般的に言う「キャタピラ」で走る車両です。ハンドルで左右に動く前輪を持っている場合は半装軌車、いわゆるハーフトラックになります。

4位:60式自走106mm無反動砲(日)

Type60leftfront.jpg
By Sturmvogel 66投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, Link

陸上自衛隊が誇る、採用当時最大口径・大威力の自走対戦車砲。当時の主力戦車が90mm砲の61式戦車ですし、106mm砲なら当たれば成形炸薬弾で敵の戦車にも大穴が! ただし当たればの話

ジャンルとしては自走砲なのですが、普通科(歩兵)の対戦車戦闘用の切り札であると同時に連装砲だったので、榴弾砲やカノン砲のような間接射撃兵器とは別に、直接照準で射撃可能な近距離火力支援にも使われました

他にこの無反動砲を搭載したのはジープとかですから、これだけ小さな装軌車両でも戦車並の頼もしさがあり、部隊では「豆タンク」などと呼ばれたそうです。

さすがに対戦車ミサイルが登場すると対戦車兵器としての出番は減りますが、1990年代以降でも使い方によっては待ち伏せ→射撃→逃走→また待ち伏せの繰り返しで、演習でも熟練した車長に率いられれば生存率は高かったとか。

3位:L3シリーズ タンケッテ(伊)

L-35-Beograd.jpg
By Andrei Romanenko投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, Link

カーデンロイド豆戦車を輸入したイタリアが、これはエチオピアなど東アフリカで植民地拡大にちょうどいい…とばかりに独自改良したのがL3シリーズで、C.V.33から最終型のC.V.38まで各型が2,000両以上も生産。

エチオピア軍を蹴散らすぐらいなら良かったのですが、第2次世界大戦にまで投入したらイギリス軍に通用するわけもなく、コテコテに蹴散らされました。

なお、アニメ「ガールズ&パンツァー」では砲撃を浴びて転倒しては人力でよっこいせと元に戻して延々と戦線復帰してましたが、いくら豆戦車でも重量3トン以上あるのでJKが束になっての何ともならないのではないでしょうか

なお、オープントップ(天井が無い)が多かったカーデン・ロイドと比べて、薄いながらも鋼板の天井を持ち20mm対戦車ライフルや火炎放射器も装備した武装強化型もありましたが、かえって視界が悪化して射撃や移動がしづらいという欠陥もあったそうです。

2位:九四式軽装甲車 TK(日)

IJA TK Tankette Display at Armor School History Museum 20130302b.JPG
By 玄史生投稿者自身による作品, CC0, Link

TKなので通称テケ車なんて言われましたが、戦車生産数が絶望的に少ない日本陸軍にとっては貴重な装甲戦力で、武装は7.7mm機関銃だけながら日中戦争ではそれなりに活躍。

本来はカーデン・ロイド同様「武装した牽引車」程度のもので、カーデン・ロイドを輸入車時に、戦車っぽく使えるようにと手を加えられました。

小型で軽快だったので部隊では何かと重宝されましたが、いかんせん太平洋戦争でアメリカ軍相手にまで投入してしまうと、何か貧相な装軌車両がギコギコ言ってるくらいにしか思われなかったのが難点です。

なお、道端で放棄されたテケ車が邪魔なので米軍がブルドーザーで引っ張ってる写真など残されていますが、ブルドーザーの方がテケ車より大きくて強そうだったのが泣けてきます。

なお、現在の陸上自衛隊が配備している装輪装甲車、87式偵察警戒車も略して「テケ」と言われますが、25mm機関砲を持っていてもちろん旧テケより強そうです。

1位:TK/TKS(ポーランド)

TKS P1010141 2.jpg
Attribution, Link

TKS TKシリーズの後期主量産型
 
これもイタリアのL3シリーズ同様カーデン・ロイドの独自発展型で、テケ車と言いいかにカーデン・ロイドが当時の諸国に好評だったかがわかります。

第2次世界大戦が始まった時のポーランド陸軍主力戦車だったのですが、悲しいことに当時のドイツ陸軍も大半の戦車が訓練用軽戦車のI号、II号戦車だったにも関わらず、7.92mm機関銃しか持たないTKではドイツ軍を止めることができませんでした。

しかしTKの後期型TKSにはごく一部の車両に20mm対戦車ライフルを装備して少量ながら生産配備され、ドイツ軍の35(t)軽戦車を次々撃破する活躍もしています。

まるで5年半後にベルリン前面に押し寄せるソ連軍を次々撃破したティーガー戦車のごとき活躍ですが、当時のドイツ軍なんてその程度だったということです。7TP軽戦車と言わないまでも、せめてTKSが大量配備されていたら、ドイツのポーランド侵攻の計画はだいぶ狂ったかもしれないかもと思うと、残念!

菅野 直人

物心付いた時には小遣いで「丸」や「世界の艦船」など軍事情報誌ばかり買い漁り、中学時代には夏休みの課題で「日本本土防空戦」をテーマに提出していた、永遠のミリオタ少年。撤退戦や敗戦の混乱が大好物で、戦史や兵器そのものも好きだが、その時代背景や「どうしてこうなった」という要因を考察するのが趣味。

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