名前だけで何だかわかる？ 自衛隊の珍名？ 装備品BEST5

自衛隊の装備にはどれも堅苦しい名前がついていますが、さりとて「愛称」はセンスの問題で全く定着しないので、結局「堅苦しい方がそれらしい」と一般にもそれで通用しています。ただ、中にはそうした名前では何なのかよくわからないものもあるようで…

5位：ディーゼル機関車(海上自衛隊)

あれ？自衛隊に鉄道部隊なんかあったっけ？ 陸上自衛隊の101鉄道隊はとっくの昔に解隊したはずだし……と思う人は多いと思います。

しかしあるところにはあるもので、海上自衛隊呉弾薬整備補給所には、弾薬運搬用の鉄路が敷かれており、ここで小型のディーゼル機関車が使われているのです。

保線用の小型モーターカーなどを作っている堀川工機の草加工場(埼玉県草加市)で作られたもので、陸海空自衛隊の中では唯一、海上自衛隊だけが機関車を使っているということでした。

4位：野外支援車(陸上自衛隊)

By Trans5885 パブリック・ドメイン, Link

4トントラックの荷台を改造するなど数種類があるようですが、長い箱型の構造物といい、「野外支援車」という名称といい、これだけでは何だかよくわかりません。

陸上自衛隊の方面隊や師団の需品科に配備されたこの車両、実は「トイレカー」と呼ばれる野外トイレ。

そう聞くと災害派遣などに役立ちそうで、実際もともとは阪神・淡路大震災(1995年)で大規模災害には仮設トイレの配置が追いつかないことが直接の導入原因だったようです。

ほかにも演習場で排泄物による土壌汚染が深刻なことから、本州以南の小規模な演習場に短期間展開する隊員用トイレとして使われいます。

3位：坑道掘削装置(陸上自衛隊)

By JGSDF – 坑道掘削装置, CC 表示 2.0, Link

名称も見た目も強そうで、怪獣映画には陸上自衛隊期待の新兵器として登場しそうなこの機械、民生用そのもので三井三池製作所製のトンネル掘削用ロードヘッダMRH-S100です。

施設科(工兵)の坑道中隊というのがあるそうで、そこで砲撃や空爆を避けるためのトンネル陣地、平たく言えば防空壕を作るための装備。

掘れるのは普通土や軟岩までなので、例えば民間の道路用トンネルなどを作るのはこれ単体では無理そうで、硬い岩盤に出会ったらダイナマイトなどで発破をかけるのでしょう。

2位：艦長専用車/司令専用車(海上自衛隊)

チャリで来た。

これは官給品ではなくあくまで私費購入らしいのですが、海上自衛隊では敷地内の移動が基本的に自転車だそうで、艦長や護衛隊司令などが移動する時そのへんの2等海士などが乗っていってはいけないので、艦長専用車や司令専用車もあるようです。

陸上自衛隊の駐屯地や航空自衛隊の基地近くでも官舎との往来に自転車に乗る隊員はいますが、部隊長クラスが公用でもママチャリや折り畳み自転車で移動するのは海上自衛隊のみとのこと。

なお、ちゃんと艦長や司令用の専用駐輪スペースもあるようで、そういう意味では一応特別扱い？ になるのでしょうか。

1位：M1A1運搬車(陸上自衛隊)

By 丁 – 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, Link

何か凄そうな装甲車両、あるいはM1というからには昔の米軍払い下げ装備かなにかかと思ってしまいますが、正体を見るとただのリヤカー。

陸海空自衛隊いずれもリヤカーは保有しており、あらゆる局面で簡易運搬車として重宝しますし近年はアルミ製折り畳みリヤカーという収納コンパクトなものもあります。

ただし、陸上自衛隊が配備している107mm銃迫撃砲M2だけは普通のリヤカーと少し形状が異なり、前方のT字バーに左右1人ずつ、プラス後ろから2人、さらに牽引ロープを使い最大8人で迫撃砲を引っ張る、ちょっとだけ本格的なカートです。まあリヤカーには違いないのですが。

既に旧式装備で重迫撃砲は120mmRTに更新されつつあり、総重量161kgのM2に対し120mmRTは582kgと重く、とてもリヤカー……M1A1では運搬できず高機動車などで牽引するため、M1A1もM2とともに間もなく退役する予定です。