- コラム
TKDの実銃語りたい-M16後編-
2016/11/13
サバアカ編集部 TKD
すごいー! たーのしー!
2016/11/10
サバアカ編集部TKD
実銃あれこれ
こんにちは、サバアカ編集部のTKDです。今日はM16について語ってもいいよと言われたのでM16について語っていきます。
M16は基本的にアサルトライフルという区分の銃になります。
米軍が正式採用しているアサルトライフルで、映画やドラマなどにもよく出てくる銃のため、なんとなくそのフォルムは見たことがあるかもしれません。
M16A1
そもそもアサルトライフルという銃は第二次世界大戦時、アドルフヒトラー率いるドイツ軍が開発したStG44が元祖だと言われています。(*諸説あり イタリア製Cei-Rigottiライフルが元祖だという説も)
By Claus Ableiter – 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 4.0, Link
StG44
StG44とはSturmgewehr 44の略称で、Sturm(突撃)gewehr(小銃)というドイツ語をそのまま英訳しアサルトライフルと呼ばれるようになりました。
アサルトライフルにいくつかの定義がありますが
出典:Small Arms Identification and Operation Guide – Eurasian Communist Countries
とされています。
当時、歩兵同士の撃ち合いは、上層部の想定では1km程度の距離を置いて行われるものだと考えていました。
そのため、従来の歩兵用火器には1km以上先の敵に正確に当たる精度と、一撃で相手を沈めるストッピングパワーが重要視され、M14という今ではスナイパーライフルとして運用されている銃器がアメリカ陸軍の制式ライフルとして採用されていました。
By Airman magazine – Af.mil, パブリック・ドメイン, Link
M14
ところが、実際の戦闘では想定されていた距離の半分以下、約300m程度の距離で戦闘が展開されていたのです。
そうした近距離での銃撃戦は、高威力の弾丸を一発ずつ狙って撃つよりも、弾をばら撒く連射が有利であることも合わせて明らかになりました。
これら報告をもとに次世代ライフル開発は“SALVO(一斉射撃)”計画として発足、当時の制式ライフルよりも軽量かつ弾薬の小型化などが条件となり、開発がはじめられました。“SALVO”計画は、のちに名称変更を経て“SPIW”(Special Purpose Infantry Weapon 特種用途歩兵用兵器)と改称。
1957年“SPIW”はアメリカの銃器メーカー、アーマーライト社に新型ライフルの開発を依頼。開発設計はユージン・ストーナーが担当しました。
1年後の1958年ユージン・ストーナーはAR-15を完成させ、陸軍のテストに挑むことになります。競合としてウィンチェスター社のプロトタイプも提出されましたが、最終的にテストをパスしたのはAR-15。
AR-15はもともとユージン・ストーナーの開発していたAR-10をベースに開発され、リュングマン式と呼ばれるガス圧作動式を採用していました。
M16の内部構造は当時の一般的な機構を採用していましたが、その外観が当時にしてはかなり独創的なスタイル。ストックとハンドガードには樹脂を使用し、金属パーツのほとんどは軽金属の鋳造。特徴的なレシーバーと一体化したハンドガードなど、現在ではある種見慣れたフォルムも当時はかなり不思議な銃だと見なされていたようです。
当時の銃といえば鉄を木をベースにしたものが主流で、ずしりとした重みを感じる従来の銃器に比べれば、当時の兵士たちにとってはまるでオモチャのように感じられたのかもしれません。
現場の兵士からは“ブラックガン”、“ブラックライフル”などと呼ばれ、異質な銃、未来の銃という見方はぬぐえなかったようです。これらの見方はのちにM16が抱える欠陥問題の一端を担うことになってしまいました。
あまりに独創的なフォルムからアメリカ陸軍はAR-15の採用を見送りました。しかし、銃器の採用に独自の立場をとっていたアメリカ空軍が1960年にAR-15を採用しのちにM16と名称を変更します。
こうしてM16が誕生しました。
リュングマン式ガスシステムやクローズドボルト方式の採用により、M16の射撃精度自体には定評があります。
しかし、小口径軽量弾を用いるM16は風に煽られやすいため、長距離狙撃いわゆるスナイピングには不向きです。
ここで1つの疑問が浮かびます。私が知っている限りM16系を愛用している凄腕スナイパーが2人ほど思い当たるのです。
1人目はゴルゴ13ことデューク・東郷です。100巻以上も続いている超長期連載の日本一有名なスナイパーであるゴルゴ13の愛銃はスナイパー仕様にしたM16です。
figma ゴルゴ13
ゴルゴ13がM16を愛用してる理由には、彼がワンマンアーミーであり、すべての状況に対応可能な銃が必要というのが理由のようです。が、実際には連載開始時に作者のさいとう・たかを氏が手に入れた資料にM16が混じっていたことがキッカケのようですね。
もう1人の愛用者としては世界一腕の立つ殺し屋が思いつきます。とにかく腕の立つ殺し屋な彼も、M16系の銃を使用したスナイピングが得意…?のようです。
世界一腕の立つ殺し屋が出るのは第三巻!
なんてったって
世界一腕の立つ殺し屋
ですから。
ちなみに彼の使用していた銃はM16から派生するM4カービンの先祖ともいえるXM177E2。ゴルゴ13よりも狙撃には不向きな銃でターゲットを打ち抜く(主にイケメンの顔を)のですから、やっぱり彼が世界一腕の立つ殺し屋たる所以なんだと感じます。
そもそもストックを肩に担ぐ(バズーカ砲を撃つようなイメージ)狙撃の方法など、話し出すと枚挙に暇がない。
世界一腕の立つ殺し屋に関しては私たちの理解を超えた範疇にあると考えた方がいいのかもしれません。
長くなったので今日はここまで。
次回はM16を語るには欠かせないベトナム戦争とM16についてです!
サバゲーアーカイブ最後の良心。好きなマリオカートはダブルダッシュ。彼女はいない。来年こそは頑張りたい。
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