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2017/07/8

菅野 直人

空の彼方で大活躍! 宇宙兵器BEST5

宇宙というのはいろいろ面倒な場所で、地上や空中とは違い、何か壊れようものなら破片はスペースデブリ(宇宙ゴミ)となって、超高速で地球軌道上をグルグル回り続けます。いつか落下するか軌道から離脱するか、何かにぶつかって破壊するまで。そのため宇宙の軍事利用というのは非常に制限されていますが、研究はされていて実験された事例もあります。

5位:軍事宇宙ステーション「アルマース」(旧ソ連)

Almaz radar satellite.svg
By NASA/David Portree ~ Corrections, colouring and optimised by Fred the Oyster – David Portree (March 1995). Mir Hardware Heritage. NASA Reference Publication 1357., パブリック・ドメイン, Link

 
一番「宇宙兵器」としてわかりやすい例で、しかも実際に軌道上に存在したことのあるのが軍事宇宙ステーションです。

もっとも一般的な宇宙兵器は非破壊性の偵察衛星なのですが、その手探りの時期には有人でやってみようという試みがありました。
そこで旧ソ連が打ち上げたのが軍事宇宙ステーション「アルマース」で、平和目的の宇宙ステーション「サリュート」の2号、3号、5号として軌道に送られましたが、その実態は軍事目的です。

そのうちもっとも成功したのは1974年6月に打ち上げられたアルマースOPS-2(サリュート3号)で、搭載していた23mm機関砲で標的衛星を撃破することに成功しています。

安全のために乗員が乗っていない無人の期間、地上からの遠隔操作で射撃試験が行われましたが、高速で姿勢を変化させて精密照準、射撃というのは、まさにSFに登場する「宇宙砲台」や「迎撃衛星」の世界ですね。

なお、アルマースOPS-4ではロケット弾も装備する予定だったそうですが、実際には打ち上げられませんでした。
それ以前にアルマースの主目的だった「地上偵察」が、無人の偵察衛星でコト足りるようになったので、アルマース自体が不要になったのです。

後に余剰のアルマースは無人の偵察衛星に転用されました。

4位:対衛星ミサイルASM-135 ASAT(アメリカ)

Asat missile 20040710 150339 1.4.jpg
By Lorax, CC 表示 3.0, Link

 
1980年代、大気圏内の戦闘機から発射して初の衛星迎撃実験に成功した、アメリカ空軍の対衛星ミサイル

1985年9月13日、F15戦闘機の胴体下に搭載されて高度38,100フィート(約11,600メートル)で自動発射されたASATは高度555kmの衛星に直撃、撃破しました。

5回の試験発射で実際に目標へ放たれたたった1回のチャンスをモノにした形ですが、当然スペースデブリが発生したことや、アメリカ議会の反対もあって、以後同種の実験は行われず、計画は中止されました。

第3次世界大戦モノの小説「レッド・ストーム作戦発動」(トム・クランシー著)の作中では、ソ連の偵察衛星をASATで撃墜するシーンが登場します。

3位:キラー衛星(旧ソ連)

IS anti satellite weapon.jpg
By Ronald C. Wittmann – http://www.dia.mil/history/art/images/anti_sat.jpg, パブリック・ドメイン, Link

 
衛星攻撃手段は前述のアルマースのように旧ソ連が先行していましたが、アルマースの射撃試験が無人で行われたように、衛星攻撃を有人機で行うというのは乗員の危険を考えればよほどの非常時でもありえません。破片が飛んで来て気密を破る可能性を考えれば、回避行動を取る方が適切だからです。

であれば、無人の衛星を海上での「機雷」のように使うのが合理的で、ソ連の軍事用コスモス衛星を使った対衛星攻撃用「キラー衛星」の試験が何度か行われたと言われています。

標的衛星に対してキラー衛星が接近、自爆するという実験が数度にわたって行われましたが、最終的にソ連も衛星攻撃兵器の計画を中止しています。

2位:中国版ASAT(名称不明)

対衛星攻撃手段としては、ここまで書いたように他の衛星から何らかの兵器による攻撃、キラー衛星による自爆攻撃、大気圏内の航空機からの攻撃と説明してきました。

そしてもうひとつの手段が地上発射型の、衛星打ち上げロケットや弾道ミサイル(両者は大気圏再突入能力以外は同種の技術ですが)による、対衛星ミサイルです。

アメリカやソ連でも実験していましたが、それらの国が宇宙の平和利用に合意して実験をやめてからしばらく後、21世紀になって中国が地上発射型衛星攻撃ミサイルの実験に成功しました。

それが2007年1月11日に発射された中国版地上発射型ASATで、老朽化した気象衛星に直撃、撃破しています。

しかし、既に国際宇宙ステーションまで軌道上にある中でこの実験は無謀で、多くのスペースデブリ発生から「非常に大迷惑」な状況を起こして各国から非難され、結局中国も2008年2月に衛星攻撃兵器の実験を自粛することになりました。

1位:ボーイング X-37B(アメリカ)

X-37 spacecraft, artist's rendition.jpeg
By NASA/Marshall Space Flight Center – http://www.nasa.gov/centers/marshall/multimedia/photogallery/photos/photogallery/x37/x37.html (direct link; DFRC file), パブリック・ドメイン, Link

 
当初は次期スペースシャトルの実験機と言われていたものの、NASA(アメリカ航空宇宙局)が手を引いてからもアメリカ国防総省により2機が試験飛行を繰り返している、謎の軍事宇宙機。

無人のためスペースシャトルのような生命維持装置が不要なため、数百日の宇宙滞在が可能ですが、実際に何をやっているのか、明確にされたことはほとんどわかりません

2015年5月20日から続いている、2号機による4度目のミッション(2号機では2度目)では、エラロジェット・ロケットダイン社により、同社の開発した「ホールスラスタ」(電気推進機の一種らしい)の実験を行うと発表されましたが、それが初めて、そして唯一明らかになった内容です。

そのため、「実は無人宇宙爆撃機」「中国の衛星や宇宙ステーション実験機の監視」など、さまざまな憶測が流れていますが、いつか真実が明かされる日が来るのでしょうか? どうせなら、デブリ回収実験でもしていてくれたら良いのですが。

菅野 直人

物心付いた時には小遣いで「丸」や「世界の艦船」など軍事情報誌ばかり買い漁り、中学時代には夏休みの課題で「日本本土防空戦」をテーマに提出していた、永遠のミリオタ少年。撤退戦や敗戦の混乱が大好物で、戦史や兵器そのものも好きだが、その時代背景や「どうしてこうなった」という要因を考察するのが趣味。

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