• TOP
  • 今後も続々増えるオスプレイ!計画含む派生型紹介

2017/03/12

菅野 直人

今後も続々増えるオスプレイ!計画含む派生型紹介

いろいろと話題を振りまきながらも順調に配備の進む垂直離着陸多用途機、ベルV-22「オスプレイ」ですが、日本でお馴染み海兵隊の輸送型MV-22以外にも、さまざまな派生型があります。計画倒れに終わる可能性も含めて、その一部を紹介しましょう。

輸送型 MV-22

US Navy 091011-N-7508R-005 An MV-22B Osprey assigned to Marine Medium Tiltrotor Squadron (VMM) 263 (Reinforced) from the 22nd Marine Expeditionary Unit (MEU), takes off from the amphibious assault ship USS Bataan (LHD 5).jpg
By U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 2nd Class Julio Rivera +/−, パブリック・ドメイン, Link

現状でオスプレイの基本形とも言えるのが、米海兵隊も大量採用し、日本でも陸上自衛隊が装備する予定のMV-22。
日本でニュースになる時は大抵この型式ですね。

一応後部から兵員を乗り降りさせるためのカーゴ・ランプに機関銃を据えて地上掃射にも使えますが、ヘリのように機体側面の大型スライドドアが無く、そこから広い射界を得られないので実用性としては少し劣ります。

米海兵隊の場合はAH-1Z攻撃ヘリなどとタッグを組んで周辺制圧するからいいのですが、陸上自衛隊ではそのあたりどういう運用を想定するのか、気になるところです。

特殊作戦型 CV-22

CV-22 Osprey in flight.jpg
By U.S. Air Force photo/Staff Sgt. Markus Maier – http://www.af.mil/shared/media/photodb/photos/070809-f-0001m-901.jpg http://www.af.mil/photos/, パブリック・ドメイン, Link

米空軍向けの長距離強行輸送任務などに投入される特殊作戦型で、わかりやすい任務としては敵地に降下したパイロットを救出するなどコンバットレスキューでしょうか。

その過酷な任務の性質から、腹部に12.7mmガトリング砲IWCSを装備するなど最初から武装や装甲が強化されており、単なる輸送型より搭載量を犠牲にしてでも生残性が重視されています。

昔の映画「バット21」なんかだと、コンバットレスキューのO-2観測機(セスナ337)がベトコンにガンポッドやロケット弾を撃ちまくるシーンが出てきますが、CV-22Bもそのように敵の妨害を実力で排除しつつ、自ら降下する役割まで求められているでしょう。

救難型 HV-22

こちらは海軍向けで、CV-22B同様のコンバットレスキューも考慮されてはいますが、海上での救難や輸送任務も考えられて若干仕様が異なるタイプ。

もっと救難任務に特化した機体も考えられているようですが、現状ではまだ米沿岸警備隊も採用していません。
「ホイスト」と呼ばれる機体備え付けのクレーンで被救助者を釣り上げるには、ヘリと違って真下に猛烈なブラスト(熱気)を叩きつけるオスプレイは不向き、という意見もあります。

ヘリより高速で急を要する救難任務にうってつけにも見えますが、実現するとしてももう少し先になりそうです。

艦上輸送/空中給油母機型 CMV-22

アメリカ海軍が、空母に発着できる艦上輸送機C-2の後継として採用する艦上輸送機型で、他の型より燃料タンク拡大による航続距離延長などの改良が施される見込み。

さらに、現在の米空母はヘリ以外に戦闘攻撃機F/A-18と電子戦機EA-18GやEA-6B、早期警戒機E-2しか搭載していません(C-2は空母と地上を往復するのみで、日常的に搭載しない)。

空中給油母機としての任務はF/A-18がほとんど行っていますが、そうした雑用的任務に戦闘機を多用することは機体寿命にも影響して、新造機の追加注文を余儀なくされるなどコスト面で芳しくないのです。

そのため、米海軍はCMV-22を空中給油母機として使う事も想定しており、そうなると日常的に米空母で搭載・運用されることになるでしょう。

ただし、オスプレイの垂直離発着時に発生するブラストで飛行甲板が高熱になることから、CMV-22の運用には甲板への熱対策強化や、VTOL(垂直離着陸)を行わない運用制限が求められるかもしれません。

AEW型 EV-22

荷室を輸送に使うだけではなく、さまざまな機材を設置すれば偵察や特殊な電子戦機にも転用可能なオスプレイには、輸送に関わる任務以外にさまざまなバリエーションが計画されています。

「EV-22」と通称されるAEW(早期警戒)型もそのひとつで、レーダーアンテナを胴体上に設置したり、あるいはカーゴランプ(後部の出入り口)から機外につき出してぶら下げるなど、さまざまな方式が提案されています。

これに興味を示しているのは、通常の地上発着型AEWやAWACS(空中早期警戒管制機)を運用できず、さらにカタパルトで発艦、着艦用ワイヤーにフックを引っ掛ける方式で着艦可能なE-2も運用できない空母保有国です。

フォークランド戦争の教訓からAEWヘリのシーキングAEWを使っていたイギリス海軍、それにインド海軍も興味を示していると言われます。

AEWにVTOLまで求める軍隊や組織というのはそうそう無いので需要は非常に少ないと見込まれますが、CMV-22との共通性や、強襲揚陸艦にF-35B戦闘機を搭載することで「軽空母」として使う見込みもあることから、米海軍や米海兵隊が将来的に採用する可能性もあります。

ガンシップ型

V-22 M240 machine gun.jpg
By Cpl. Sheila M. Brooks – Image description, hi-res image, パブリック・ドメイン, Link

MV-22やCV-22の多用途性をさらに推し進めて武装を強化した、ガンシップ型オスプレイも検討されています。

「ガンシップ」というと、大型機関砲や榴弾砲まで搭載した米空軍装備のAC-130などを連想しますが、現代のガンシップは上空を旋回しながらそうした重火器で掃射するより、強力なセンサーと誘導兵器が主体になりつつあり、ガンシップ型オスプレイもそうなる見通しです。

ガンポッドや機体腹部のリモコン旋回銃座のほか、現状ではパイロン(兵器を吊り下げる装置)が無いため見送られているミサイルや爆弾、ロケット弾も搭載され、強力な火力を発揮するでしょう。

機体が大型なことから、単なる武装型というより、旧ソ連/ロシアのMi-24ハインドのような、兵員輸送能力も兼ね備えた機体になりそうです。

民間型 AW609

2007年パリエアショーにて航空機モードで飛行するAW609
By Dmitry Mottl投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, Link

厳密にはオスプレイ派生型ではありませんが、元をたどればベル社とボーイング社の共同開発から始まった民間用ティルトローター機で、オスプレイやその実証機であるXV-15に非常に似ている機体。

現在はイタリアのアグスタ・ウェストランド社が単独で開発続行しており、墜落事故などを起こしつつも現在は3号機までが完成、アメリカで飛行型式証明を取得するためのテストに移っています。

早ければ2018年には証明取得して商業運航が可能になる予定で、日本でも小笠原諸島の父島など、さまざまな制約から通常の滑走路を整備できない離島との商業航空路開設にAW609を、という声もあるようです。

AW609が実用化されるとティルトローター機が「普通の飛行機」として認知されていくのでしょうが、輸送手段としては普通の飛行機よりコスト面で割高、かつ大きな、あるいは重い荷物の運搬も制限が大きいので、よほど特殊な航路や用途向けになるでしょう。

菅野 直人

物心付いた時には小遣いで「丸」や「世界の艦船」など軍事情報誌ばかり買い漁り、中学時代には夏休みの課題で「日本本土防空戦」をテーマに提出していた、永遠のミリオタ少年。
撤退戦や敗戦の混乱が大好物で、戦史や兵器そのものも好きだが、その時代背景や「どうしてこうなった」という要因を考察するのが趣味。

この記事を友達にシェアしよう!

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

サバゲーアーカイブの最新情報を
お届けします

関連タグ

東京サバゲーナビ フィールド・定例会検索はこちら
東京サバゲーナビ フィールド・定例会検索はこちら

アクセス数ランキング