格安海外製エアガンについて

初めてのエアガンを購入するときの、「とりあえずマルイ製にしておけばいいべ！」という言葉は、もはやこの界隈では挨拶のようなものかと思います。
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しかし、近年のマルイ製のトイガンは、価格が高めのものも多くなってまいりました。
私が初めてエアガンを購入したのは純真無垢な19歳の時、次世代M4を買いましたが、およそバイト代ひと月分くらいはしたので会計の際は手が震えたものです。今では給料半月分くらいなら眉一つ動かさず出すくらい麻痺していますが。

次世代シリーズだと大体5～6万円、スタンダード電動ガンであっても大体2万円台後半から4万円ほどであり、18歳になったばかりの学生の方などには少しハードルが高く感じられるかもしれません。大手ショップではかなり値下げされて売られるようになったとはいえ、人気のモデルは売り切れ状態が長く続くこともよくあります。

こうなりますと、2万円台から中には1万円台で購入できる格安の海外製エアガンに興味をもち、「最初は安めのものから始めればいいかな」と購入する人もいておかしくありません。

が、エアガンにある程度慣れた人ならご存知の通り、格安海外製電動ガンの購入は、当たりはずれの多い修羅の道……。
ハズレのエアガンだと、箱から出しても動かないうえにまともな説明書もなく、動いたと思えばすぐに破損すると苦行まみれです。「若い時の苦労は買ってもせよ」とはよく言いますが、本当にお金を出して買ってしまうのはどうなのさ。

先日、そんな「初めてのエアガンが格安海外製」な方に依頼され、S&T G36C competitionのカスタムを引き受けました。なるべく安価に一式そろえようと、2万円しなかったこの銃をチョイスされたようです。
初めてのエアガンにもかかわらず、性能が悪いらしいからとまともに使えるように、と内部カスタムパーツまで一緒に購入し、さすがに一人では組み込めないからと経験者を探していたので、ある程度かじった私が手を挙げた、という経緯。
最初からいきなりカスタムしてしまうと後の整備が大変じゃないか、初めてならS&TではなくせめてG&Gにしておいた方がいいのではないか、プロのショップ店員ではない私が安易にカスタムを引き受けてよかったのか、ていうかこのエアガンめちゃくちゃ性能悪いしメカボ弄りづらいしなんだこれ！？

・・・と、思うところは色々ありますが本題から外れるので割愛。

結局カスタムパーツと合わせてマルイの電動SMGくらいの値段になっていますし、これを購入するくらいなら少しお金を貯めて置いてマルイ製にした方が良かったのではと強く思います。のちに破損する可能性も高いので、依頼者の方にはマルイ製SMGも購入しておくことを強く勧めました。



組み込んだパーツや作業の様子

老舗中華料理店もかくや、というレベルで茶色くギトギトなグリスを洗浄して塗り直し、ギアのシム調整をやり直し、ピストン・シリンダーヘッド＆ノズル・タペットプレートを交換しました。
疲れ切った作業後半に撮影したので、とっ散らかっています。

まとめ

海外製のエアガンは、ここ数年で値段と性能のバランスが取れてきているとはいえ、まだ「安かろう悪かろう」の状態から抜け出せていないのが現状だと考えています。なんなら「高かろう悪かろう」という恐ろしいものも転がっていたりします。
あまりに粗悪なものだと、今回のカスタムの件のようにゲームに出すことすら一苦労でサバゲーどころの話ではなくなりますし、かといっていきなり高価な高性能カスタムガンを買っても、免許取りたての人がフルチューンのランボルギーニを乗り回すようなもので払った費用に見合った効果は実感しにくいでしょう。

とはいえ、東京マルイをはじめとする国内メーカーが作っていない、マニアックなエアガンを供給してくれたり、外装が本物と見紛うほどにリアルだったりと海外製エアガンも魅力たっぷりです。G&Gなど、価格をマルイよりも抑えつつ、マルイ製に次ぐ性能のエアガンを作るメーカーもありますから、ショップの店員さんなど詳しい人とよく相談した上なら、初めてのエアガンが海外製だからとてそれほど苦い思いをすることはないでしょう。
逆に言うと、慎重に事を運ばないと容易にハズレを引いてしまうということでもありますが・・・

余計な心配をせず、どれを選んでもまず間違いはない、という、東京マルイの天下はまだもう少し続きそうです。