- コラム
陸の珍兵器「“ニー・モーター”だからって膝撃ち厳禁!八九式重擲弾筒」
2018/11/21
菅野 直人
すごいー! たーのしー!
2019/03/10
Gunfire
サバイバルゲームを趣味にしている人は軍事関係のニュースなども見ることも多いと思いますが、最近話題の軍事関係ニュースと言えばコマツが発表した「自衛隊車両の開発中止」。
自衛隊は用途や目的に応じて様々な車両を採用していますが、その車両を開発・製造してきたコマツが今後は自衛隊の新型車両の開発を行わないと発表したのです。
そこで今回はコマツを取り巻く現状や開発中止に至った経緯などをご紹介したいと思います。
まずはコマツとコマツが開発・製造してきた自衛隊車両についてご紹介したいと思います。
コマツの正式社名は「株式会社小松製作所」。東京都の港区に本社を置く建設機械と鉱山機械メーカーで、元々は「小松鉄工所」から分離した極々小さな会社でした。
しかし、戦後は戦時中に得た技術を活用しブルドーザーや油圧ショベルなどを開発。そして早期の海外進出を果たし現在では建設機械メーカーで世界第二位を誇る大企業と成長しています。
そんなコマツが自衛隊の車両を手がけ始めたのは1950年頃。
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それまで自衛隊の装備はアメリカ軍から供与されていましたが、経済が徐々に安定し始めた頃より装備の国産化が始まり、この時にコマツは「60式装甲車」を開発し、自衛隊で正式採用されることとなりました。
また、それ以降は60式装甲車を改良した「60式自走無反動砲」や「60式自走107mm迫撃砲」などを次々に開発。
その後も時代に合わせて「82式指揮通信車」や「軽装甲機動車」などを開発・納入しています。
By Los688 – 投稿者自身による作品, CC0, Link
今回、コマツが開発中止を表明したのは先ほど少し触れた「軽装甲機動車両(通称:LAV)」。
軽装甲機動車両はイラク派遣や国連の平和維持活動で活躍しており、2001年から2016年までの間に約2,000車両が納入されています。
「2,000車両も防衛省に納入している」と聞くとそれだけでもかなり売り上げに繋がっているように思うかもしれませんが、防衛省に採用されるためには様々な条件やスペックを満たす必要があり、開発や製造にはかなりのコストが発生します。
さらに採用されたとしても、自衛隊が購入する台数は非常に少なく年度によっては納入数が0台という年もあり必ず売り上げに繋がるという訳ではありません。
このような情勢を踏まえ、コマツは自衛隊車両の開発はコストに見合わないと判断し、新規開発を行わない旨を防衛省に通達したのです。
一方で2019年の防衛予算案として提案されている金額は約5兆3,000億円
これだけ見ると十分に予算が割かれているようにも見えますが、自衛隊員達の給料や食料費が約2兆1,000億円、艦船や航空機などの維持費が1兆円と半分以上が自衛隊の現状を維持するために使用されています。
ちなみに新しい装備の購入や開発については装備品購入費として約8,400億円の予算が割かれる予定ですが、この8,400億円の中には過去に購入した装備品のローンの支払いも含まれており、新たな装備の購入に充てることができる金額は極々わずかで防衛省側としてもコマツの期待に応えるのは厳しい状況に立たされているのです。
新規開発を行わない事を発表したコマツですが、現役の機動車である軽装甲機動車については既に生産を終了しており、今後も納入する予定はありません。
By Los688 – 投稿者自身による作品, CC0, Link
ただNBC偵察車をはじめとする他の車両については現行モデルであれば納入に応じると発表しています。
とはいってもNBC偵察車も現状のスペックでは防弾性能に問題があると指摘されており、防衛省としては現行モデルのNBC偵察車を使い続けていくということは難しそうです。
また今回の一件により防衛省は今後、新たな提携先を再検討する必要が出てきていますが、三菱やトヨタが興味を示しているという噂もあり、今後は大手自動車メーカーが後を引き継ぐ事になるかもしれません。
防衛省に納入を行っている企業が開発を辞退するということはかなり異例な事態ですが、不景気が続く現在では致し方ないのかもしれません。
またコマツは弾薬などの供給も行っていますが、車両以外については従来通り納入を続けていく方針のようです。
防衛省は新しいパートナーを獲得するまでは慌ただしい事になりそうですが、他の企業の参入により装備の品質向上やさらなる技術の発展に繋がるといいですね。
元々はインドア派だったが、体力の衰えを感じはじめたため、体を動かす趣味を探してサバイバルゲーム初参加。
それ以降というものサバイバルゲームの魅力と銃の魅力にひきつけられ、今では猟銃免許や狩猟免許まで手を出して本物のショットガンを背負って山でイノシシやシカを追うまでに。サバゲーやアウトドアの魅力を知ってもらうために今日も熱意執筆中。
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