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2018/12/20

笹木恵一

怒りのガンマン 銀山の大虐殺 ~銀山は出ない!!~

みんな怒ってますか!? 怒ったときは大虐殺でもしてスカッとするしかありませんよね! でもそんなことをしたら警察に捕まってしまうので、それっぽい映画を見て気持ちだけスッキリするに越したことはありません! というわけで、今回紹介するのはマカロニウエスタンの隠れた名作『怒りのガンマン 銀山の大虐殺』です。監督は巨匠セルジオ・レオーネの助監督を務めていたジャンカルロ・サンティ! 主演は大傑作『夕日のガンマン』でクリント・イーストウッドともう一人の主人公を演じたリー・ヴァン・クリーフだ!

画像:https://video.unext.jp/title/SID0035522

ストーリー

サクソンシティの権力者サクソンを殺害した罪で賞金首となったフィリップは、元保安官で町を追い出されたクレイトンと再会する。フィリップはクレイトンもまた自分を捕らえて賞金を狙っているのだと警戒するが、そうではなかった。クレイトンはフィリップの無実を証明しようとしていたのだ。彼はサクソン殺しの真犯人を知っているというのだ。サクソンシティに戻ってみると、死んだクレイトンの息子たち極悪外道三兄弟が父親から引き継いだ権力を振りかざし、傍若無人に町を支配し、罪のない市民の虐殺に明け暮れていたのだ! 血も涙もないこいつ等は、女も子供も老人も、さらに自分達の仲間ですら虐殺する鬼畜っぷり。彼等はフィリップの父親が発見したという金鉱を手に入れようと密かに企んでいた。金鉱と町の平和を守るために、クレイトンとフィリップは立ち上がる!

レビュー

ストーリーは悪いわけじゃないが、飛びぬけて良いわけでもない。なんというか普通。全体を通してサクソン殺しの真犯人は誰かという謎が提示されているが、そのオチもそんなに驚くようなものでもない。あとタイトルでは「銀山の大虐殺」と謳われているが、実際に虐殺シーンの舞台となるのは金山で、銀山はそもそも出てこない。しまいにゃ第一次世界大戦で使われたMG42まで登場して、時代考証がいい加減。
じゃあまったくもってつまらない駄作なのかと言えばそんなことはない。そんな細かいことを忘れさせるだけのパワーがこの映画にはあるのだ。冒頭から荒唐無稽な演出を交えながら展開される派手でスピーディなアクションや、何度か挟まれる決闘シーン等、アクションは今見ても痛快。霧の中にサクソン殺しの真犯人の影が浮かび上がる回想シーンは、モノクロのコントラストが痺れる程カッコいい。そして何より主役のクレイトンを演じるクリーフが醸し出す大人の男の渋みにすべてを持っていかれてしまう。「俺ぐらいの歳になると知らないふりができる」なんてセリフいつか言ってみたいもんだ。彼の存在感のおかげで見てる側からするとバレバレの真犯人が明かされる所が本当に本当にカッコよくてカッコよくて。謎が解けた瞬間思わず「そうだったのかー!」って叫びたくなること請け合いだぞ!
脇役も素晴らしい。今作以外に2,3本しか映画に出ていないアルバート・デンティス(クレジットではピーター・オブライエンになっている)演じるフィリップはワイルドさの中にも繊細さを併せ持つ若者を見事に表現している。敵役のサクソン3兄弟もそれぞれキャラが立っていて見事な悪役だ。特に三男の外道っぷりは思わず笑ってしまう程。
本作のテーマ曲はタランティーノ監督の『キル・ビル Vol.1』でも使用されているので、同作のファンも元ネタとしてご覧になってはいかがだろうか?







笹木恵一

幼稚園時代からレンタルビデオ屋に足しげく通い、多くの映画や特撮、アニメ作品を新旧国内外問わず見まくる。
中学時代に007シリーズにはまり、映画の中で使用される銃に興味を持ちはじめる。
漫画家を目指すも断念した過去を持つ(笑)。

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