- コラム
ランペイジ 巨獣大乱闘~今年最高の脳筋バカ映画!~
2018/06/14
笹木恵一
すごいー! たーのしー!
2018/09/27
笹木恵一
最近ATGの作品ばかり見ている私ですが、もう頭がぐわんぐわんして大変です。そして今日紹介するのもATG配給の岡本喜八監督作品『肉弾』。出演は若き日の寺田農、大谷直子他。音楽は黒澤映画でもお馴染みの佐藤勝。
出典:肉弾
戦時中と1968年では男性の平均寿命が20歳と6か月も違う。そういえば『アイツ』も20歳と6か月で死んだっけ。幹部候補生だったアイツは日本の敗戦色が濃くなる中、特攻隊に任命されてしまった。最初で最後の外出許可が出た日、女郎屋にいって可憐なセーラー服の少女と出会い恋に落ちる。特攻の訓練の為、地雷を抱えて砂丘の中に掘った穴で暮らす日々。前掛けのおばさんや腕の無い古本屋さんとその奥さん、アイツに懐いた小さな兄弟との出会い。アイツはみんなを守るために死のうと覚悟する。空襲で兄弟の兄とセーラー服の少女は死んだ。作戦は変更され、アイツは魚雷に括りつけられたドラム缶に入れられ10日間も海の上を浮かんでいた。その間に終戦になったことも知らずに……
岡本喜八による終戦映画と言えば『日本のいちばん長い日』が有名だが、その監督に任命される直前に今作の着想を得たとされている。『日本の~』が政府上層部の終戦だったのに対し、今作で描かれるのは末端の兵士のそれが描かれる。
戦争映画とはいえ戦闘描写はなく、しかもどこか牧歌的。これから死にに行く兵士という事を除けば、普通の青年の普通の青春コメディとしても見ることができる。初めての女性体験を前に緊張しすぎて、不細工な女郎を見て恐怖のあまり逃げ出すシーン、しかもなぜかちょっとホラー映画っぽく演出されていて最高に笑える。
今作から見えてくるのは、当時の人々にとって戦争というものが何か特別なことではなく本当に日常の一部であったという事。まるで来年オリンピックをやるからビッグサイトが使えなくなりますよ、困ったなぁ、というレベルの認識で戦争を受け入れなければならないという時代。だからこそふっと冷静になってしまうと、自分たちの置かれている状況が、いかにどうかしているか、あまりにも狂気じみているかに気づいてしまう恐ろしさ。最初は乗り気ではない主人公が様々な出会いを経てその狂気を受け入れていく様。そしてすべてが終わった瞬間に訪れる悲劇もまた、コメディタッチで描かれる残酷さ。普通だからこそ、当たり前のように起こるからこその残酷さが、この映画では描かれているのだ。
幼稚園時代からレンタルビデオ屋に足しげく通い、多くの映画や特撮、アニメ作品を新旧国内外問わず見まくる。
中学時代に007シリーズにはまり、映画の中で使用される銃に興味を持ちはじめる。
漫画家を目指すも断念した過去を持つ(笑)。
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