- コラム
ランペイジ 巨獣大乱闘~今年最高の脳筋バカ映画!~
2018/06/14
笹木恵一
すごいー! たーのしー!
2018/08/30
笹木恵一
バレエはお好きですか? バレエはみんな大好きです。2010年には『ブラック・スワン』というバレエ映画がなんかすごい賞をとったんで、人類は皆バレエが好きなんです。バレエが嫌いな人は人間じゃありません。でもバレエ映画ってなんかアクションシーンとか人がいっぱい死んだりするシーンが無いからつまらないなーって思ってるそこのアナタにピッタリな映画があります。それが今回ご紹介する1969年公開、サム・ペキンパー監督の『ワイルドバンチ』という西部劇のような血みどろバレエ映画だ! 銃撃戦もいっぱいあるよ!
ならず者のパイク・ビショップ率いる強盗集団“ワイルドバンチ”はそろそろ一山当てて泥棒稼業も引退したいなーってみんな思っていたところ、マパッチ将軍率いるメキシコ政府軍と出会い、アメリカ政府の軍用列車から武器を強奪すれば1万ドルの報酬を支払うと依頼されてこれを承諾。しかしパイクの逮捕に執念を燃やす鉄道会社は彼らを逮捕すべく、かつてのパイクの相棒であるソーントン率いる囚人軍団を釈放と無罪放免を条件に送り込んできた! さらにワイルドバンチのメンバーの一人エンジェルの故郷の村をメキシコ人が蹂躙していることが発覚! エンジェルの元カノもマパッチ将軍にヤられちまってる始末! どこもかしこもクズだらけの西部を生きる男たち! 本当の悪党はいったいどいつだ? 奴等を機関銃で撃ちまくって死のバレエを躍らせてやれ!
ともかくこの映画老若男女問わず出てくる奴はどいつもこいつもクズばかり。冒頭からたった2匹のサソリを大量のアリの大群に襲わせ、サソリが死んだら燃えた藁をかぶせてアリを皆殺しにする笑顔の子供達、軍人に蹂躙され征服された村人たちも囚人の公開処刑を見ながら楽しい音楽を奏でて笑っている。一般的な常識でいえば本来は守られるべき善良な人々が持つ無邪気な残酷さをこれでもかと言わんばかりに見せつけられる。体制は腐敗し、いやそもそもからどす黒く、権力を振りかざし弱者から搾取をしまくってのうのうとしている。そんな腐った世の中で、自由を求めて2つの体制に殺し合いをさせられる、本来は悪党であるはずのパイクとソーントンこそが本当に純粋な善に見えてくる。だからこそラスト15分の映画史に残る名シーンとなった通称“死のバレエ”は痛快であり、悲しくも美しいのだ。簡単に言うと、命も何もかも捨て去った負け犬たちが、たった一つ手元に残したプライドだけを賭けて、今まで自分たちを踏みにじったクソ野郎どもを皆殺しにしてやるのは最高に気分がいいぜ! ってことだ。
幼稚園時代からレンタルビデオ屋に足しげく通い、多くの映画や特撮、アニメ作品を新旧国内外問わず見まくる。
中学時代に007シリーズにはまり、映画の中で使用される銃に興味を持ちはじめる。
漫画家を目指すも断念した過去を持つ(笑)。
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