意外と知らないベレー帽の秘密！軍隊で採用されているベレー帽が持つ意味とは！

皆さんは「ベレー帽」と聞くとどんなイメージを思い浮かべますか？

サバゲーアーカイブをご覧頂いている方ならグリーンベレーなどのエリート部隊や特殊部隊を連想された方が多いと思います。

一方で普段からミリタリー関連に馴染みの人は芸術家や漫画家などを連想するようです。

果たしてこの差はいったいどこで生まれたのでしょうか。

今回はそんなベレー帽の歴史や、ベレー帽が持つ意味について紹介したいと思います。

■ベレー帽の歴史

By Maria L. Taylor – [1], パブリック・ドメイン, Link

日本で帽子と言えば鍔の付いたベースボールキャップのような物が一般的で、ウールで作られた鍔の代わりにベロ（垂れ）があるベレー帽はあまり馴染みが無いと思います。

しかしベレー帽の発祥の地であるフランスやスペイン地方では日常生活においても馴染み深い帽子だったりします。

今のベレー帽が形作られたのは15世紀から16世紀といわれており、聖職者が使用した角帽（ビレッタ）が農民に普及した事が始まりと言われています。

ちなみに“ベレー帽”という名前が付いたのはナポレオン三世がスペインのバスク地方を訪れた際に、バスク地方の事を“ベレー・バスク”と呼び、ベレー・バスクの地方で被られている帽子ということで“ベレー帽”という名前が付いたのだとか。

そんな長い歴史があるベレー帽ですが、実はミリタリーの世界では意外と新参者だったりします。

■ベレー帽とアーミーベレー帽

最近、海外の軍隊による式典などではベレー帽を着用した兵士達をよく見かけますが、軍隊で採用されているベレー帽の事を、一般のベレー帽と区別するために“アーミーベレー”や“ミリタリーベレー”といいます。

そして、このアーミーベレーが軍隊で採用されたのは第二次世界大戦頃であり、以外と歴史は浅いのですが、ベレー帽が軍隊で採用された理由としてはずばり部隊の識別。

ベレー帽を採用している国は基本的に部隊によってベレー帽の色を変えており、一目で所属を明らかにするという意味と、制服を部隊ごとに統一させて団結力を高めるといった意味があります。

私の中でアーミーベレーといえばロシア軍なので、ロシアを例に挙げて紹介すると

濃紺：ロシア連邦警護庁、クレムリン連隊
水色：空挺軍
若草色：ロシア連邦保安庁
赤色：ロシア内務省特殊部隊
黒色：ロシア海軍
オレンジ：非常事態・自然災害復旧省

といった区分けがされています。

また、ベレー帽が世界各国の軍隊に広まったのは素材が安価な上、作りも単純なため大量生産に向いているというのも理由の一つのようです。

■ミリタリーベレー帽が持つもう一つの意味。ベレー帽はエリートの証！

上記でベレー帽は所属を明確にするために採用されたと紹介しましたが、実はもう一つ意味があったりします。

それは一部の兵士達に“自分たちはエリートである”と意識付けさせるという事。

ベレー帽を採用している国の多くは、ごく一部の軍人しか着用が許されない色のベレー帽があり、その色のベレー帽をかぶっている＝超エリートという仕組みを採用しています。

再びロシアを例に挙げて紹介しますが、ロシアでは赤色のベレー帽はエリートの証であり、赤色のベレー帽の着用を許可された兵士達の事を尊敬の念を込めて「レッドベレー（Red Beret）」と呼んでいます。

（レッドベレーの過酷な訓練と授与式）

ちなみにレッドベレーは主にスペツナズなどに所属しているエリート達が着用していますが、スペツナズを抜けたからと言ってはく奪されるわけではなく、不祥事などを起こしはく奪されない限りはいつまでも着用を許可されています。

つまり、ロシア国内でレッドベレーを着用しているという事はエリート中のエリートであると同時に、兵士達にとってあこがれの存在になるというわけです。

■まとめ

ただの制服かと思いきや、いろいろな意味を持つベレー帽。

ちなみに記章を左側につけて、布を右側にたらすとイギリス式で、記章を右側につけて、布を左側にたらすとフランス式だったりします。

サバイバルゲームやコスプレでベレー帽を使いたいと思っている方は、先にコスプレしたい軍隊をイメージすると、色や被り方が絞られてくるのでコスプレしやすくなりますよ。