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2018/07/5

笹木恵一

『アイアンマン』~マーベルシネマティックユニバース第一弾!~

アイアンマンは2008年に公開された同名アメリカンコミックの実写化作品。主演は当時キャリアが低迷していたものの今作で再ブレイクし現在に至るまでスターの座に君臨するロバート・ダウニー・JR。敵役には『トロン』シリーズのジェフ・ブリッジス、ヒロインには『恋におちたシェイクスピア』のグウィネス・パルトロ―。監督は自身も俳優のジョン・ファブローで、本人もハッピー・ホーガン役で出演している。

出典:アイアンマン(字幕版)







ストーリー

天才的な頭脳を持ち、若くして父の兵器製造会社を引継いだトニー・スタークは自身の開発した新型爆弾のお披露目の為にアフガンに飛ぶが、現地のテロリストに拉致されて捕虜となる。そこで見たものは、戦争の早期終結の為と自らが作ってきた兵器がテロリストの手に渡っており、それが現地の罪もない市民を傷つけていたという現実。テロリストから銃を突き付けられ彼らの為にミサイルを製造することを要求される。同じく捕虜で物理学者のインセン博士と共に、ミサイルを製造しているふりをして脱出用のパワードスーツを制作。完成し起動寸前にテロリスト達に感づかれたもののインセン博士の自己犠牲を伴う時間稼ぎにより無事に起動。脱出しアメリカに戻ったスタークはより高性能のパワードスーツを制作、驚くべき力を持つ“アイアンマン”となり、テロリストに渡った自社の兵器を悪用するテロリストとの戦いに挑む。ところがテロリストに武器を横流ししていたのが、自社No.2のオバディア・ステインだと発覚。ステインはスタークがアフガンから脱出する際に製作したアーマーを元にさらに強力なアーマーを製作し“アイアンマンガー”となってアイアンマンの前に立ちはだかる!

レビュー

公開から早10年。当時マーベルコミックスの人気者といえばスパイダーマンX-MENで、アイアンマンはどちらかというとマイナー寄りだったと記憶している。筆者も名前は知っていたし、原作コミックもほかのマーベルキャラクターとの共演作品ぐらいでしかチェックしておらず、研究本やファンサイト等で主な設定や出来事を把握する程度だった。しかしそれが実写映画になると聞いたとき、当時原作に対し自分が抱いていた印象とは裏腹に「これはけっこうウケるんじゃないか?」と思った。というのも原作のトニー・スタークのキャラクターはヒーローと会社の重役という責任からのプレッシャーに負け酒に溺れたり、映画直前に原作で展開していた『シヴィル・ウォー』では彼の良かれと思った決断が結果的にヒーロー達の大戦争を引き起こしてしまった上に、さらにそこで彼のとった手段の「理解できんでもないがヒーローとして、人としてどうよ?」的な行動等、時折垣間見せる人間としての脆さの部分は現代の映画向きな要素だし、何より全身が金属製のアーマーに包まれたその姿は、実写化してしまうとどうしても陳腐になりやすい全身タイツのヒーローよりもヴィジュアル的にカッコイイし説得力があると思えたのだ。こいつは全身タイツが苦手な日本でもきっとウケるしオモチャも売れるだろう。案の定アイアンマンは世界中で大ヒットを記録した。ビジュアルだけではない、今作で描かれるトニー・スタークは複雑でセンシティブな内面を持ちながらも作品のトーンは常に明るく、ユーモアにあふれている。奇しくも2008年という年は同じくアメコミ映画の大傑作と謳われるバットマンシリーズの『ダークナイト』が公開された年でもある。ダークナイトは90年代から続くヒーローをダークに描く路線の到達点とも言えるもので、一方のアイアンマンはヒーロー映画の方向性の次の10年を決定づけた作品でもあり、まさに2008年はヒーロー映画のトレンドのバトンタッチが行われた年だったのだ。実際DC側はその後もダーク路線のヒーロー映画を作り続けたがどれも思ったほどのヒットを出せずに、途中から路線変更を余儀なくされている。

現在のアメコミ映画の原点ともいえるアイアンマン。まだご覧になっていない方は10周年のこの機会に是非!

アイアンマン(字幕版)

笹木恵一

幼稚園時代からレンタルビデオ屋に足しげく通い、多くの映画や特撮、アニメ作品を新旧国内外問わず見まくる。
中学時代に007シリーズにはまり、映画の中で使用される銃に興味を持ちはじめる。
漫画家を目指すも断念した過去を持つ(笑)。

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