バトルシップ～宇宙人とのレーダー作戦ゲーム！～

『バトルシップ』は2012年に公開されたアメリカ作品。監督は『ハンコック』や『キングダム／見えざる敵』のピーター・バーグ。出演はテイラー・キッチュ、浅野忠信、アリーナ、ブルックリン・デッカー、そしてリーアム・ニーソン。なお、この映画の原作はなんと年配の方にはお馴染みの『レーダー作戦ゲーム』。テレビゲームではなく、机の上にマス目を置いてやるアレだ……。

出典：Amazonビデオ

バトルシップ (字幕版)バトルシップ(吹替版)

ストーリー

いい年こいてニートで飲んだくれのアレックスは、海軍中佐の兄の心配をよそにナンパでカッコつけたあげく深夜のスーパーに侵入して御用となる。ついに兄の堪忍袋の緒が切れ、強制的に海軍に入隊させられる。数年後、もともと素質があったのかアレックスは大尉にまで昇進していたものの、今だに子供っぽさが抜けず度々問題を起こし、上官であり恋人サマンサの父であるシェーン提督には彼女との結婚の許しを得られずにいた。そんななか日本の海上自衛隊との合同演習中、宇宙から謎の物体が飛来！ それは他の惑星からやってきた侵略者の戦艦だった！ しかも登山中のサマンサの近くにも侵略者の宇宙船が飛来し奴らの母星と連絡を取り、さらなる援軍を呼ぼうとしているらしい！ 敵の攻撃で仲間を失い急遽艦長となったアレックスは、犬猿の仲である海上自衛隊のナガタと共に指揮をとることに！ 果たして宇宙人の侵略から地球を守ることができるのか！？

レビュー

レーダー作戦ゲームの実写化と聞いて、いったい何をどうすればアレを実写化できるのか、83年の『ウォーゲーム』の現代版の様なものかと予想していたが、まさか正真正銘戦艦同士の戦いを描くとは。本格的な戦闘が開始され、主人公たちが特殊な状況に置かれたことから編み出した戦法がまさにレーダー作戦そのものになっていくのには、製作陣の発想の豊かさに感服させられた。一方でストーリーはというと、よく言えば盛り上がれるシチュエーションをこれでもかと言わんばかりに詰め込んだ、悪く言えばご都合主義で大味。燃えるシチュエーションにお話を持っていくためにその前後の合理性、論理性を全く無視した造りになっているので、細かいことは気にせずに燃える展開だけを追い求める方ならきっと気に入ることだろうが、リアルさや重厚さを求める方には全くお勧めできない。アメリカでは予想以上の不入りで、批評家からの意見も散々なものだったが、日本ではこれがカルト的な人気を集め、テレビ放送が諸事情で延期になった際はSNSにて有志によるDVD同時視聴祭りが行われたほど。友達と酒でも飲みながら笑ってみるには最高の映画なので、お好きな方は是非！

バトルシップ (字幕版)バトルシップ(吹替版)