- コラム
ランペイジ 巨獣大乱闘~今年最高の脳筋バカ映画!~
2018/06/14
笹木恵一
すごいー! たーのしー!
2018/06/7
笹木恵一
現在絶賛公開中の『デッドプール2』はもうご覧になっただろうか? 今回紹介するのはその1作目『デッドプール』。2016年に公開されたアメリカ映画で、同名のアメリカンコミックスが原作。監督は今作が初の長編映画となるティム・ミラー。出演は主人公のデッドプール=ウェイド・ウィルソンをライアン・レイノルズが、その恋人役をモリーナ・バッカリン、敵役のフランシスをエド・スクラインが演じている。なお、今作は同じ20世紀フォックスが製作しているX-MENシリーズと世界観を共有しており、同シリーズの人気キャラクターコロッサスとネガソニック・ティーンエイジ・ウォーヘッドが登場している。
出典:Amazonビデオ
元特殊部隊で、現在はニューヨークでトラブルシューターとしてその日暮らしを続ける主人公ウェイド。ある日バーで出会った娼婦のヴァネッサと恋に落ち、それはそれは濃厚な愛の日々を過ごしていた。遂に二人は婚約し幸せの絶頂に至ったのもつかの間。急に意識を失うウェイド、病院に運ばれ宣告された病状はまさかの末期癌。そんなウェイドを訪ねてきた何やら怪しい男のいう事には、癌を完治させる方法があるとか。ヴァネッサに黙って家を飛び出しその男についていくと、そこはマッドサイエンティストのフランシスが支配する人体を改造し人工的にミュータントを生み出す実験場だった。しかも誕生したミュータントは超人兵士として海外に売られてしまうのだという、騙された! 監禁され殆ど拷問に近い人体実験を施されたウェイド、ついにどんな傷も一瞬で回復してしまう特殊能力を手に入れ癌を克服するも、その副作用で全身が爛れたような醜い姿になってしまった。怒りに燃えるウェイドは実験場を脱走。愛するヴァネッサの元へ戻ろうにも、今の醜い姿から彼女に拒絶されることを恐れてそれができない。自分を元の姿に戻すことができるのはフランシスしかいない。ウェイドはデッドプールを名乗り、失踪したフランシスを探す闘いの日々に足を踏み入れる。しかし自分を追うデッドプールの正体がウェイドだと知ったフランシスの魔の手が、愛するヴァネッサの元へと忍び寄る! 果たしてウェイドはヴァネッサを救い出し、再び結ばれることができるのだろうか!?
現在、特に若いアメコミファンを中心に絶大な人気を集めるデッドプールは、1991年にライターのファビアン・ニシーザとアーティストのロブ・ライフェルドによって生み出された。
人気の理由はまずそのヒーローとしては破天荒で型破りなキャラクター。ヒーローらしいモラルや品位等とはまるで無縁。いくら相手が悪人とはいえ、下劣なジョークを口走りながら、ためらいもなく殺しまくる姿はまるで命をもてあそんでいるかの様。そして何より彼の最大の特徴は“第4の壁”を破ることにある。自分がコミック(媒体によっては映画、ゲーム)のキャラクターであることを認識しており、度々読者や視聴者に語り掛けてきたり、メタ的な発言や、コミック内の吹き出しが邪魔で奥が見えないとまで言い出す始末。人気格闘ゲームの『MARVEL VS CAPCOMシリーズ』に登場した際は体力ゲージをつかんで殴りかかってくる等、ともかくやりたい放題。古い伝統を持つヒーローコミックの常識をことごとく破壊する姿は、刺激を求める若いファンにとってはさぞ痛快なことだろう。
もちろんこの映画版でも彼の魅力は余すことなく描かれている。MAEVEL作品としては異例のR-15 指定で、残酷な暴力描写はもちろん、カメラを動かす、BGMを指定する、他のヒーロー映画と比べて予算が無いことを茶化す等やりたい放題。もちろん観客に向かって何度も何度も話しかけてくる。
このような作風ははただ破天荒な面白さを我々に提供してくれている以上の意味を持つのではないだろうか。現在国内外を問わずしてYouTube等のネットメディアが発達し、エンターテイメントの主流となりつつあるが、それらの特徴として作り手と受け手の心の距離の近さが挙げられる。テレビや映画の時代には、タレントは視聴者にとって雲の上の存在だったが、YouTuberはどこか自分たちと近い位置にいる印象がある。彼らは視聴者のコメントにダイレクトに反応し、共感を得易いことが最大の魅力といえる。そんな作りと受け手の共感がメディアに求められる時代において、デッドプールは映画業界が提示できるキャラクター最高の在り方ではないだろうか? 実際近年の映画は観客層からの共感を得ようとするストーリーや演出が多く見受けられ、その見せ方もわざとらしくなり過ぎないように、それでいてわかりやすいようにと工夫がみられるが、デッドプールならダイレクトに言葉で伝えることができるのだ。今作が低予算ながら世界中で大ヒットを記録したのは当然の結果と言えるだろう。現在公開中の2作目と合わせてぜひご覧になっていただきたい。
幼稚園時代からレンタルビデオ屋に足しげく通い、多くの映画や特撮、アニメ作品を新旧国内外問わず見まくる。
中学時代に007シリーズにはまり、映画の中で使用される銃に興味を持ちはじめる。
漫画家を目指すも断念した過去を持つ(笑)。
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