- コラム
『戦国自衛隊』~自衛隊 VS 戦国武将が夢の対決!~
2018/04/5
笹木恵一
すごいー! たーのしー!
2018/04/12
笹木恵一
今回紹介するのは石ノ森章太郎原作の名作特撮ドラマ『人造人間キカイダー』に登場した名悪役ハカイダーのスピンオフ作品。監督は近年では『牙狼』シリーズでお馴染みの雨宮圭太、脚本は平成ライダーシリーズの多くを手掛けた井上敏樹、出演はハカイダー=リョウを石坂浩二版水戸黄門で助さんを演じた岸本祐二、ヒロインのカオル役は当時18歳の宝生舞が演じていて、ビックリするほどかわいいぞ! 敵役グルジェフを演じるは今でいうビジュアル系アーティストの先駆けだった本田恭章。グルジェフに遣えるロボットミカエルの声は同じ石ノ森章太郎繋がりで、79年版『サイボーグ009』における009島村ジョーの井上和彦だ。
なお今作は石ノ森章太郎が生前最後に関わったヒーロー映画作品でもある。
時は近未来、世界中がなんだかよくわからないけど荒廃していたが、ジーザスタウンと呼ばれるグルジェフという怪しい男に牛耳られる街だけは表向きは争いがなく平和が保たれているかに見られたが、実態はグルジェフの忠実なる部下ミカエル率いる重武装兵によって市民たちは徹底的に監視、管理され、逆らうものは連行され脳にチップを埋められて人間らしい感情を奪われてしまうのだからさあ大変。ところがそんなジーザスタウンに一人の訪問者が現れた。それはかつてグルジェフが作らせた人造人間ハカイダーだった。ハカイダ-はジーザスタウンの防壁を突破し破壊行為を行う。偶然居合わせた打倒グルジェフに燃えるレジスタンスと遭遇し、彼らと行動を共にするが、ミカエルによって隠れ家を襲われレジスタンスは全滅する。心を通わせたレジスタンスの少女カオルの死に怒りを燃やすハカイダーは単身グルジェフの本拠地へと乗り込むのだった!
スピンオフ作品とはいうものの、原典の『人造人間キカイダー』に登場するハカイダーとは自出もキャラクターの性格も大きく変更されている。リニューアルされたデザインは今見ると時代を感じさせ、90年代当時のカッコ良さ=ハイディティールで有機的なフォルムは現在まで続くアクションフィギュアシリーズの『S.I.C.』に大きく影響を与えた。特に注目したいのはハカイダーの表情。オリジナル版はフラットな印象で、正面から見ると口が横一線、これが見る角度によって笑っていたり怒っていたりに見えるというものだったが、今作では歯を食いしばった形になっており、明確に怒りの感情のみが表現されている。これは当時人気を博していたアメコミのアクションフィギュアシリーズの影響もあるかもしれないが、もう一つは80年代後半から90年代にかけて流行した往年のキャラクターにダークでクールなエッセンスを加えてリメイクするという方向性からなるものかもしれない。これが2000年代に入るとむしろ旧作の魅力をそのまま残すことが好まれるようになり、以降のハカイダーのリメイクにおいても原典通りのフラットな表情が採用されるようになるのだから、流行の移り変わりというのは面白い。
さてこの映画を語るうえで欠かせないのは雨宮圭太監督のやり過ぎな演出だ。監督は91年の『ゼイラム』でも和製特撮では珍しい人形アニメーションや、当時としては珍しかったCGを取り入れるなど、枠にとらわれない姿勢で挑み、まるで当時のアニメーション作品の世界観をそのまま実写化したような絵作りにこだわっているが、今作ではそこに後の平成ライダーを手掛ける井上敏樹のこれまたやりすぎ脚本が見事にマッチし、ハッキリ言ってお好きな方が見ればこれでもかと言わんばかりにドストライクな、そうでない方が見れば見てるほうが恥ずかしくなるぐらいにもう色々とヤバい、あえて言おう「中二病全開」な世界観に仕上がっている。もしあなたが現在中学生、もしくは中学生な精神状態にあるならばきっとこの映画の虜になってしまう事だろう。ファイナルファンタジーとか好きな人には大ヒットすること請け合い。そうでなくても今も昔も日本では珍しい特撮技術ももりだくさんで、そういった面白映像ファンにもおススメだ。一部のシーンはあまりにもやりすぎで、つい笑うところじゃないのに吹き出してしまうかもしれないが、それも一つの楽しみ方だ。ぜひぜひご覧になっていただきたい一本だ。
劇場公開版とディレクターズカット版の2つがあるが、迷わず後者を選ぼう!
幼稚園時代からレンタルビデオ屋に足しげく通い、多くの映画や特撮、アニメ作品を新旧国内外問わず見まくる。
中学時代に007シリーズにはまり、映画の中で使用される銃に興味を持ちはじめる。
漫画家を目指すも断念した過去を持つ(笑)。
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