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今回は1940年代にアメリカで開発・製造された「リベレーター」と呼ばれるハンドガンについてご紹介したいと思います。
ハンドガンといえば「M9A1」や「SIG P320」など、今では様々な名銃が存在しますが、リベレーターはそんな名銃達に負けない点が一つだけあります。
それは「価格の安さ」
実はリベレーターは世界最安のハンドガンと言われており、製造コストは当時の金額でなんと約2ドル、現在だと約17ドル程度で製造できる超安価なハンドガンなのです。
しかし、そこまで安いと性能も気になるところ……。
それでは早速紹介していきましょう!
By Rama. – Self-creation., CC BY-SA 2.0 fr, Link
今回紹介するハンドガンであるリベレーターの正式名称は「FP-45」。
この銃はもともと第二次世界大戦中にナチス・ドイツに侵略された国を援助するため、アメリカが開発・製造した銃で、ナチス・ドイツに対抗するレジスタンス達に配布することを前提に作られた銃です。
とはいっても、当時のアメリカは自分の軍隊にも銃器を供給しなければならず、他国のレジスタンスのために大幅な労力や多大なコストを割く訳にはいきませんでした。
そこで打ち出されたコンセプトが「安くて早くて他の銃の製造に負担がかからない銃」であり、そんな無理難題をすべて実現し誕生したのがリベレーターなのです。
このリベレーターの安さと早さの秘訣はライフリングやマガジン、排莢システムなどを全て取り除いた上に、プレス加工製品であるという点。
当時はすでに弾丸を直進させるためのライフリングシステムや自動装填システムは確立していましたが、そんな“製造に手間暇のかかるシステム”は全て不採用。
しかも銃本体を含め、ほとんどのパーツがプレス加工で作られており、外見はまるで子供向けのおもちゃのような銃となっています。
しかし、コンセプトである「安くて早くて他の銃の製造に負担がかからない銃」という点においては効果抜群で、価格については冒頭でも紹介しましたが1940年代では1丁につき1ドル71セントで製造することができ、現在の金額に直しても約17ドルでの製造を実現しました。
また、非常に単純な仕組みの銃であったため、1丁あたりの組み立て時間は約7秒といわれており、たった7日間で約100万丁の製造に成功した恐るべきハンドガンなのです。
次にリベレーターの仕組みや性能についてですが、結論からいうと当然ながら銃としてまともに使えるものではありませんでした。
まず、命中精度ですがライフリングが無いため弾丸は直進せず、有効射程距離は3メートルといわれており「自殺用に作られた銃なのでは?」と誤解が生じるほど。
また、このリベレーターはマガジンが無い単発式のハンドガンなのですが、排莢システムを取っ払った結果、弾丸を発射した後は銃口から棒などを突っ込んで空になった薬莢を取り除かなければなりませんでした。
つまり何発も射撃するためには
1.銃本体の後部にあるスライドを後方へ引き出す。
2.弾丸を装填する。
3.スライドを押し戻す。
4.発射
5.銃本体の後部にあるスライドを再び引き出す。
6.銃口から棒を差し込み、空になった薬莢を排莢する。
7.2へ戻る
という工程が必要でした。
ただでさえ命中精度が悪い上に連射も効かず、当時は「装填から発射するまでより短い時間で製造された拳銃」とも言われていたのだとか。
むしろリベレーターは“ハンドガン”というより“ハンドガン用の弾丸を発射できる鉄パイプ”といったほうが正しいかもしれません。
ただ、こうなることはアメリカの上層部も十分に理解しており、「安くて早くて他の銃の製造に負担がかからない銃」という意外にも「敵対組織から“まともな銃”を奪うために使うための銃」というコンセプトもあったようです。
ただ残念ながら“まともな銃”を奪うための銃としても力不足だったようで、実際にレジスタンス達に配布はしたものの大した活躍をしないままスクラップにされたり海にそのまま大量放棄された悲しい歴史もあったりします。
「安かろう、悪かろう」とか「安物買いの銭失い」という単語がピッタリの「リベレーター」。
とはいっても、他国のレジスタンスために無料で作るのならば致し方なかったのかもしれません。
ちなみに世界最安の銃であるリベレーターは大量放棄され現在ではほとんど残っていないため、現存している物にはプレミアがついているのだとか。
当時の人たちもまさかスクラップ同然の銃にプレミアが付くなんて夢にもおもわなかったでしょう。
でも、いくらプレミアがついたとしてもあまり欲しいとは思わないのは私だけでしょうか……?
元々はインドア派だったが、体力の衰えを感じはじめたため、体を動かす趣味を探してサバイバルゲーム初参加。
それ以降というものサバイバルゲームの魅力と銃の魅力にひきつけられ、今では猟銃免許や狩猟免許まで手を出して本物のショットガンを背負って山でイノシシやシカを追うまでに。サバゲーやアウトドアの魅力を知ってもらうために今日も熱意執筆中。
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