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2018/03/22

笹木恵一

パシフィック・リム~怪獣を倒すなら巨大ロボで殴るしかない!~

先日の第90回アカデミー賞において「シェイプ・オブ・ウォーター」が作品賞など4部門を受賞し話題になったが、その監督であるギレルモ・デル・トロ監督による2013年の大ヒット映画で、今年4月には続編も公開されるのが今回紹介する『パシフィック・リム』だ。

出典:Amazon Prime Video

ストーリー

海底から巨大生物が次々と出現し、世界中を襲い始めた。巨大生物は日本の言葉で“強大な獣”を意味する“KAIJU”と呼ばれ、世界各国が協力して環太平洋防衛軍『PPDC』を設立し、これに立ち向かう。しかし核兵器の使用による環境汚染は人類にとっても害があるうえに、KAIJUの体液は強酸性の猛毒であり、それによる二次災害を防ぐため人類が選んだ対抗手段は通常兵器による攻撃ではなく、巨大ロボット兵器『イェーガー』で殴り殺すというものだった! アメリカ代表のパイロットローリーとヤンシーの兄弟が搭乗するイェーガー『ジプシーデンジャー』はKAIJUナイフヘッドとの戦いで大破し、兄ヤンシーも命を落としてしまう。それから数年後、パイロットを辞めたローリーの元へPPDC司令官のペントコストが訪れ、再びイェーガーのパイロットとして戦うことを求められる。PPDCの基地でローリーを待っていたのは、修復されたジプシーデンジャーとペントコストの養女であり、新しいローリーのパートナとなるマコだった。果たして人類は怪獣軍団を滅ぼし、地球に平和を取り戻すことができるのだろうか!?

レビュー

連日の報道ですでにご存じの方も多いと思うが、監督のギレルモ・デル・トロ大の怪獣ファンで、ゴジラやウルトラマンはじめとした日本の怪獣作品についても造詣が深いことでお馴染みだ。作中にテロップで「この映画をモンスターマスター、レイ・ハリーハウゼンと本多猪四郎に捧ぐ」と表示されるが、ハリーハウゼンといえば50年代から80年代のアメリカ映画における特撮の第一人者で、ストップモーションを駆使しリアルな巨大生物達を世に送り出してきた人物だ。本多猪四郎は言わずと知れた『ゴジラ』の初代監督で70年代まで多くの特撮作品に携わってきた人物だ。
このように往年の特撮映画への愛に溢れた今作は、公開されるや否や世界中の特撮ファンからの喝采を浴びた。それもそのはず、ハリウッドの卓越した映像技術で描かれるリアルな巨大ロボットと怪獣が画面狭しと殴り合いを繰り広げるのだからこれほど面白いものはない。怪獣のデザインはリアルな生物としてのディティールを持っていながら、どこか中に人が入って演じている着ぐるみの様な親しみやすさも感じさせ、さらに頭が斧になっているやつやナイフになっているやつ等々、生物としてどこか踏み外しているという怪獣としての特徴をちゃんと心得ているのが心憎い。世界各国が送り込んでくるイェーガーも個性豊かだ。主人公機のジプシーデンジャーはオーソドックススタイルながら、頭部はどこか武骨さを感じさせるアメリカらしいカッコよさ。一方オーストラリアの『ストライカー・エウレカ』はいかにも現代的な、まるでシューティングゲームの主人公機のようなクールさで、好きになる方も多いのではないだろうか? 個性派という意味では中国の『クリムゾン・タイフーン』とロシアの『チェルノ・アルファ』。クリムゾン・タイフーンは中国らしく身軽なカンフーアクションで戦う機体で、3本の腕から繰り出す連続パンチで怪獣をノックアウトする。チェルノ・アルファはもうその名前の時点でヤバさが漂ってくるが、見た目はまさに歩く原子力発電所。こいつに会ったら確実にタダじゃすまないと直感的に訴えてくる!
イェーガーのパイロットは基本2人ペアになっており、2人の息がぴったり合ってないとスマートにイェーガーを操れない。そのためコックピットでは戦闘中も常にパイロット同士が声を掛け合っており、特に必殺技を繰り出すときはタイミングを合わせるためにも大きな声で技の名前を叫びあう。日本のロボットアニメに見られがちな必殺技の名前を叫ぶという演出をこんな形で再現してくれるデル・トロに対し、日本人は孫の代まで感謝し続けても足りないくらいではないだろうか?

この作品に関してはまだまだ語りたいことは山ほどあるが、百聞は一見に如かず、ぜひ自分の耳と目でご覧になっていただきたい。子供のころ夢に見た世界がそこに繰り広げられていることだろう。
ちなみに芦田愛菜さんのハリウッドデビュー作でもあるので、彼女のファンも要チェックだ。

笹木恵一

幼稚園時代からレンタルビデオ屋に足しげく通い、多くの映画や特撮、アニメ作品を新旧国内外問わず見まくる。
中学時代に007シリーズにはまり、映画の中で使用される銃に興味を持ちはじめる。
漫画家を目指すも断念した過去を持つ(笑)。

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