- コラム
サバゲーマー的映画レビュー -ゴースト・イン・ザ・シェル(吹き替え版)- (若干のネタばれ注意)
2017/04/21
marodaruma
すごいー! たーのしー!
2018/02/1
笹木恵一
『レッドサン』は1971年公開のフランス、スペイン、イタリアによる共作の映画で、侍を主人公にした西部劇という異色の設定と、三船敏郎、チャールズ・ブロンソン、アラン・ドロンの競演で話題となった名作映画だ。
日米修好の条約調印の為、日本からの全権大使を乗せた列車がならず者のリンクとゴーシュ率いる強盗団に襲われる。ゴーシュは日本側からアメリカ大統領への贈呈品である黄金で装飾された太刀を奪い、さらに口封じのためにリンクとその他数名の仲間をダイナマイトで吹き飛ばしてしまう。一命をとりとめたリンクは、日本大使の側近黒田重兵衛と共にゴーシュから奪われた太刀を奪還するよう頼まれる。しかしリンクはゴーシュから奪われた金を取り戻すことにしか頭にない。幾度となくぶつかりながらも共に危険を潜り抜けるうちに、二人の間には奇妙な友情関係が生まれるのであった。果たして二人はゴーシュから奪われた金と太刀を取り戻すことができるのだろうか?
タイトルの『レッド・サン』とは、欧州では一般的に太陽の色は黄色とされるのに対し、日本では赤とされることから来ている。
この映画を語るうえで欠かせないのは、何と言っても出演者他関係者の豪華さだろう。まず日本を代表する世界的スター三船敏郎演じる黒田重兵衛は鎖国時代が終わり、もはや消えゆく存在となっていた侍の姿を通し、日本人がすでに失ってしまったにも拘わらず、むしろ外国人が憧れるカッコイイ日本人の精神性というものを体現したキャラクターとなっている。
ハリウッドを代表するダンディ俳優、日本でも「うーん、マンダム」でお馴染みのチャールズ・ブロンソン演じるリンクは、西部劇のアメリカ人という事で正統派のヒーローとして描かれているかというとそうではない。監督がイギリス人という事もあるのか、基本的にマイペースで自分勝手でおちゃらけた人物として描かれている。しかしそんないい加減な奴なのに何故かこの男かっこいいのだ。彼はいい加減に見えて実は情に厚いのだが、不器用な性格故に表面的にはそう見えてしまうだけなのだ。真の男は上っ面の言葉ではなく行動で語るものだとブロンソンは教えてくれる。そして当時美男子の代名詞ともいわれたアラン・ドロン演じるゴーシュの名悪役っぷりときたら、とにかく悪い! 戦っている相手を一度助けておいて相手が安心しているところで撃ち殺したり、敵だろうが仲間だろうが邪魔になったら容赦なく殺してしまうのだ、しかも笑顔で! ただの笑顔ではない、絶世の美男子アラン・ドロンだ。これ以上美しく残酷な微笑みが映画史上あるだろうか?
豪華なのは主演の3人だけではない。監督は007シリーズのテレンス・ヤング。ヒロインのクリスチーナを演じるのはこちらも007シリーズから初代ボンドガールを演じ伝説となったウルスラ・アンドレス。音楽は『アラビアのロレンス』や『ゴースト/ニューヨークの幻』のモーリス・ジャール。特撮ファンなら見逃せない部分として日本大使を演じるのは『モスラ』等の東宝特撮映画にも数多く出演していた中村哲。その側近役で後に『ジャッカー電撃隊』のジョーカーを演じていた、それよりも丸大食品のCMで『わんぱくでもいい、たくましく育ってほしい』でお馴染みの田中浩。テレビ東京で放送された際の吹き替え声優が、ブロンソンを大塚周夫、三船を大塚明夫がそれぞれ演じるという声優親子共演が実現しているのでこちらも見逃せない。
この映画、主演3人が三者三様、それぞれ全く違ったキャラクターであるにも関わらず、夫々がカッコイイ男の在り方を我々に示している。
自分に合ったカッコよさを探している方にはぜひご覧になっていただきたい一本だ。
幼稚園時代からレンタルビデオ屋に足しげく通い、多くの映画や特撮、アニメ作品を新旧国内外問わず見まくる。
中学時代に007シリーズにはまり、映画の中で使用される銃に興味を持ちはじめる。
漫画家を目指すも断念した過去を持つ(笑)。
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