- コラム
『レッドサン』日米仏スター夢の競演
2018/02/1
笹木恵一
すごいー! たーのしー!
2017/12/21
笹木恵一
出典:YouTubeムービー
『荒野の七人』は1960年に公開された西部劇の傑作。監督はジョン・スタージェス。ご存知の方も多いと思うが、この作品は1954年に公開された黒澤明の代表作である『七人の侍』を西部開拓時代のメキシコにおけるガンマンたちの戦いに置き換えたリメイク作品だ。
大まかなストーリーは、メキシコのとある村はカルヴェラ率いる盗賊団に目を付けられ、刈入れの度に作物を奪われてしまっていた、村人たちは盗賊を倒すべく、村にある金をすべてかき集めたなけなしの僅か20ドルで7人のガンマンを雇うことになった。各々の思惑により集まった7人は36人の盗賊団との戦いに身を投じていくのだった。
7人への報酬の20ドルは作中でも語られるが1人分の葬式代に過ぎないはした金である。それに対しある者は本当は20ドル以上の報酬があると信じて、ある者は冒険とロマンを求めて、またある者は過去の自分との決着をつけるために戦うことを決意する。この映画で語られるのは「男は何のために戦うのか?」ということだ。盗賊のリーダーカルヴェラは7人に対し問いかける、何故そんなはした金で自分たちの何倍もの人数がいる敵から、縁も義理もない村人たちを守って戦おうと思ったのか? その質問に対するスティーブ・マックイーン演じるガンマンの1人ヴィンの答えが実に粋だ。
「昔服を脱いでサボテンの上に飛び降りた奴がいた。なぜそんなことをするのかと問いかけると奴はこう答えた……」
「……その時はそれでいいと思ったのさ」
基本的に原作である『七人の侍』に準じたストーリーとキャラクター設定を踏襲しているが、一部役割の改変があったり、まったくのオリジナルキャラクター、展開の違いが存在する。これは文化の違いや、武士が身分であるのに対しガンマンは自ら選ぶことのできる生き方である為である。チャールズ・ブロンソンが演じるオライリーのセリフにある「銃を持っているから勇気があるのではない、畑を耕し日が暮れるまで働き、愛する子供たちや家族を守る生き方を選ぶことこそ本当の勇気である」という言葉がそれを象徴しているだろう。
また原作は3時間越えの作品だが、こちらは2時間強で収められているのでテンポもよく、より気軽に観ることができるので「七人の侍」をもうご覧になった方も、まだの方も是非ご覧になっていただきたい。
幼稚園時代からレンタルビデオ屋に足しげく通い、多くの映画や特撮、アニメ作品を新旧国内外問わず見まくる。
中学時代に007シリーズにはまり、映画の中で使用される銃に興味を持ちはじめる。
漫画家を目指すも断念した過去を持つ(笑)。
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