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2017/10/26

笹木恵一

スパイの秘密兵器初登場~007:ロシアより愛をこめて~

出典:YouTubeムービー

スパイ映画の見どころといえば、何と言っても秘密兵器。現在も様々なスパイ映画やスパイっぽい映画には必ずと言っていいほど個性的な秘密兵器が登場する。2015年公開のパロディ要素の強いスパイ映画『キングスマン』でもそのことには触れられている。
1963年に公開された007シリーズ第2作目『ロシアより愛をこめて』こそ、スパイといえば秘密兵器というイメージを作り出した映画なのだ。

大まかなストーリーは、悪の組織『スペクター』が自分たちの邪悪な計画を阻止した憎き007ことジェームス・ボンドへの復讐計画を企てる。それはソビエトの美人諜報員タチアナ・ロマノヴァを騙して利用し、彼女と彼女の所属するソビエト情報局が持つ暗号解読機を餌に007をおびき出し、0彼を暗殺しおまけにソビエトの暗号解読機まで奪ってしまおうという恐ろしいものだった! 許せねぇ!
トルコのイスタンブールを舞台にスペクターの送り出す強力な刺客との手に汗握る戦いが始まるというものだ。



出典:YouTubeムービー

初期007シリーズの中では次回作の『ゴールドフィンガー』と人気を二分する作品で、現在のアクション映画のような派手さはない。しかし、いつどこに敵のスパイが紛れているか、だれが殺されてもおかしくない緊張感や、サスペンス色の強い駆け引きの描写等に重きが置かれており、これが毎回ハラハラさせられて面白い。
以降定番の悪役となる『スペクター』も前作では軽く名前が出てくる程度だったが今回本格的なデビューとなり、とはいえまだまだ謎めいた存在として描かれている。所謂“悪の組織”という概念を広く知らしめたのもこのスペクターだといわれている。当時は冷戦時代真っただ中で人々の多くが、冷戦を利用して利益を得ている本当の“黒幕”が存在しているのではないかという陰謀論が囁かれていた。その陰謀論を体現したのがこのスペクターだったのだ。さらにスペクターの首領『ブロフェルド』も全貌は明らかにならず、猫を撫でている冷酷な悪役で本作では正体不明のままだが、現在もよくある“猫を抱いた悪役”のイメージソースは言うまでもなく本作のブロフェルドである。
筆者お気に入りのヒロインを演じたダニエラ・ビアンキについても語りたいところではあるが、長くてキモくなりそうなので、いい加減本題に入ろう。



出典:YouTubeムービー

上記のように様々なフィクション世界に影響を与えた本作だが、以降あらゆるスパイ映画で定番となるスパイの秘密兵器が初登場した作品でもある。
本作では英国秘密情報部のQ支局から特殊なアタッシュケースが支給される。一見普通のアタッシュケースだが、飛び出す仕込みナイフ、緊急用の隠し金貨が計50枚、赤外線照準器付きのアーマライトAR-7 が入っている。このAR-7 は元々航空機パイロットが緊急不時着した際の護身用として開発されたもので、狭い航空機の中でも持て余すことが無いよう、通常は分解しすべてのパーツをバットストック内に収納し、コンパクトな状態で持ち運べるようになっている。以前も紹介した組み立て銃というわけだが、本作以降フィクション世界では暗殺用の銃として定番化していく。



出典:YouTubeムービー

そしてこの映画一番の見せ場ともなったが、このアタッシュケースのロック機構には仕掛けがあり、ある特別な手順を踏んでから開けないと、催涙ガスが噴射されるのだ。さてこれがどういった手順なのか、どういった場面で活躍するかは是非映画をご覧になっていただきたい。50年以上前の映画だと侮るなかれ。現在にも受け継がれているスパイ映画の面白さがいっぱいに詰まった傑作だ。
あとマジでヒロインのダニエラ・ビアンキ超かわいいから! まじでかわいいから、電車の中でのおヒゲごっこするシーンとかマジ髪! じゃなくて神! まじで……うわっ! 何をする! 放せ! もうちょいダニエラ・ビアンキの話をさせ……うわ! 催涙ガスだ! 卑怯だぞボンド君!

笹木恵一

幼稚園時代からレンタルビデオ屋に足しげく通い、多くの映画や特撮、アニメ作品を新旧国内外問わず見まくる。
中学時代に007シリーズにはまり、映画の中で使用される銃に興味を持ちはじめる。
漫画家を目指すも断念した過去を持つ(笑)。

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