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2017/12/5

Gunfire

『バイアスロン』って知ってる? スキーと射撃のちょっと変わった射撃競技


今回はちょっとサバイバルゲームとは違い、実銃の競技についてご紹介したいと思います。

実銃はクレー射撃や、精密射撃など様々な競技がありますが、その中に『バイアスロン』という競技があるのはご存じですか? 実はこの競技、オリンピックに採用されている競技にもかかわらず日本ではかなり知名度が低く、知らない人も多いようです。

銃に詳しいサバイバルゲーマーやミリタリー好きな人も名前は知っていても、詳しいルールなどは知らない人も多いのではないでしょうか。

そこで今回はそんなマイナーなバイアスロンについてご紹介させていただきたいと思います。

スキーと射撃を合体させた競技「バイアスロン」

まず、このバイアスロンの大まかなルールを説明すると
 
「スキー板を履いた状態でライフルを担ぎ、10km~20㎞ほどを走破。ゴールと同時に精密射撃をする」
 
という物です。

ちなみに勝敗はスキー時のタイムと射撃の点数の合計で決まり、単純に
 
「早くゴールして沢山命中させた方が勝ち」
 
というものです。

また、ルールによっては射撃時に弾を外してしまうと、一周が数kmあるトラックを外した弾の数だけ再び走らされるという、まるで体育会系の罰ゲームのようなルールも存在します。

バイアスロンについてご存じ無かった方は、このルールを聞いてだいぶ混乱されているのではないでしょうか。しかし、実は日本に馴染みがないだけで雪が多い国などではいたって普通の種目なのです。

雪の多い国では至って普通のバイアスロン

Sylvie Becaert - 22-01-2010 - Shooting.jpg
By Miho投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, Link

スキーと精密射撃という組み合わせは一見、おかしなスポーツに思われるかもしれません。しかし、雪の多い外国ではいたってごくごく普通の組み合わせなのです。

もともとバイアスロンの起源は雪山で狩猟を行うためにスキー板を装着して探索するという行為で、雪が多い国ではスキーとライフルはセットでした。

また、スウェーデンやノルウェーなど雪の多い国で国境警備や山林警備を行う際に軍人もスキーを装着するようになり、その後は技術向上のために競技として採用され、今ではオリンピックの競技として採用されるまでになったのです。

ライフルに対して馴染みがなく、徒歩での国境警備や森林警備が必要のない日本では「スキーを履いてライフルを担ぐ」という行為は異様に映るかもしれません。しかし、バイアスロンが生まれた背景や歴史を知ればいたって普通のスポーツだとご理解いただけたのではないでしょうか。

バイアスロンの主なルール


最後に簡単ではありますが、バイアスロンに興味を持った方のためにバイアスロンの種目についてご紹介させていただきたいと思います。

バイアスロンは全部で7種類あり、「スキーで走って標的射撃を行う」という基本的な部分は変わりませんが走行距離や射撃時に外した際のペナルティなどが大きく変わっています。

◆個人

20kmを走ったあとに伏射、立射、伏射、立射の順で合計4回の射撃を行う。射撃時に外した弾の数だけ走行タイムに1分加算
 
 

◆個人追い抜き

12.5kmを走ったあとに伏射、伏射、立射、立射の順で合計4回の射撃を行う。射撃時に外した場合、1発につき2.5㎞あるトラックを1週する。また時間差でスタートし、前方の選手を追い抜かさなくては勝利できない。
 
 

◆スプリント

10kmを走ったあとに伏射、立射を合計2回の射撃を行う。射撃時に外した場合、1発につき3.3㎞あるトラックを1週する。
 
 

◆リレー

スプリントのリレー版。スプリントを4人1組となって行う。走行する距離は1人7.5km、外した場合は1発につき2.5㎞追加
 
 

◆ミックスリレー

リレーの男女混合版。男子2名、女子2名の4名で行う。走行する距離は1人6km、外した場合は1発につき2㎞追加
 
 

◆マススタート

個人の一斉スタート版。走行距離は15kmで伏射、伏射、立射、立射の順で合計4回の射撃を行う。外した場合は3km追加。スキーを履いた状態でスタートするため接触や転倒などが多い。
 
 

◆スーパースプリントクオリフィケイションファイナル

スプリントと同様のルールだが、標的を外した瞬間に失格となる。走行距離は6kmで伏射、伏射、立射、立射の順で合計4回の射撃を行う。

まとめ

いかがでしたか。長距離をスキーで走った後、息切れや動悸が収まらない中で精密射撃を行うという行為は想像以上に難しく、バイアスロンは体力と精神力の両方が要求される非常に繊細なスポーツです。

銃を使うため、日本ではあまりメジャーにはなれずオリンピックではメダル取得者も残念ながら出ていませんが、実際見てみるとかなり面白いスポーツです。サバイバルゲームでも雪国のフィールドを貸し切りにした際などに、バイアスロンと同じようなルールでプレイしてみたら面白いかもしれませんね。

Gunfire

元々はインドア派だったが、体力の衰えを感じはじめたため、体を動かす趣味を探してサバイバルゲーム初参加。それ以降というものサバイバルゲームの魅力と銃の魅力にひきつけられ、今では猟銃免許や狩猟免許まで手を出して本物のショットガンを背負って山でイノシシやシカを追うまでに。サバゲーやアウトドアの魅力を知ってもらうために今日も熱意執筆中。

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