- コラム
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笹木恵一
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笹木恵一
『キノの旅 -the Beautiful World-』 は2000年から電撃文庫より刊行されている時雨沢恵一によるライトノベルシリーズ。2003年にはテレビアニメシリーズが放送され、その後2本の劇場版も公開される程の人気作で、今年14年ぶりに新しいアニメシリーズが放送開始した。
出典:Amazonビデオ
基本的に一話完結で、毎回主人公のキノという一見少年にしか見えない中性的な少女が、喋るバイクに乗って世界中を旅し、訪れた様々な国を観光して回るというもの。
この作品で描かれる『国』とは、それぞれがまるで中世のように城壁で覆われており、外からの干渉を受けることなく独立した文化をもっている。住んでいる人々の国民性もそれに倣っている。国によっては攻撃的であったり、優しかったり、または全くの無関心であったりと様々。一見国民全員が一辺倒な態度かと思いきや、何人かのひねくれ者や、はぐれ物がいたり。一人の人間の性格は決してシンプルではなく、一言で言い表せるものではない。しかしフィクションにおいてそれを描くのは高度な技術を要し、また受け手にもそれを読み取ることは難しいことがある。キノの旅では国とその中で暮らす国民として描くことで分かりやすく表現しているのではないだろうか。
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この作品独特の雰囲気を醸し出す要素として、一部において独自の用語や名称が使われていることがある。例えば冒頭で主人公は喋る『バイク』に乗ると書いたが、正確にはこの作品において所謂自動二輪車を指す言葉は『モトラド』といい『バイク』は空も飛べるタイプのものを指す言葉だ。
そして旅には危険がつきものであり、盗賊や殺人者がキノに襲い掛かってくることも珍しくはない。そんな旅人の必需品である『銃』もこの作品では『パースエイダー』という独自の名称で呼ばれている。
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一つ目に紹介するパースエイダーは『カノン』と呼ばれるリボルバー式の拳銃で『コルトM1851』がモデルとされている。キノが旅を始める際に彼女の師匠から譲り受けたもので扱いが難しいものの威力は高い。アニメ第一作目ではローディングレバーをフォアグリップとして使用する描写があった。
二つ目は自動式の『森の人』でモデルはその名の通り『コルトウッズマン』とされているが、現実には存在しない左利き専用モデルとなっている。こちらは旅の途中で偶然出会った師匠のかつての弟子から譲り受けたものである。
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三つ目は『二式テラ銃』がモデルとされる銃で、作中では『フルート』と呼ばれている。
このほかにもナイフ形の仕込み銃を使用することもある。
この作品は各エピソードの時系列がバラバラになっているが、キノが持っている銃の種類によって前後関係が解る仕掛けにもなっているので、これらを参考に並べ替えて読んでみるのも面白いかもしれない。
個人的には各巻の『あとがき』を最初に読むことをお勧めする。
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幼稚園時代からレンタルビデオ屋に足しげく通い、多くの映画や特撮、アニメ作品を新旧国内外問わず見まくる。
中学時代に007シリーズにはまり、映画の中で使用される銃に興味を持ちはじめる。
漫画家を目指すも断念した過去を持つ(笑)。
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