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2017/10/11

菅野 直人

実戦配備直前! など惜しかった試作機BEST5(米軍機編)


期待の新鋭機として初飛行する姿やその後の試験飛行など派手に宣伝される一方、高騰する開発費にどうも予算がおりるか怪しくなり……というのは、もう軍民問わず最近の新型機では定番でしょう。

中でも予算やコストパフォーマンスにうるさく、冷戦に振り回された米軍の試作機などは数も多いもの。「飛んではみたものの」惜しかった試作機5選です。

5位:ノースアメリカン XB-70バルキリー(空軍)

XB-70 1号機
パブリック・ドメイン, Link

米戦略爆撃機軍団の頂点に立つ、マッハ3級超音速戦略爆撃機。純白の美しい姿でその生涯を終えましたが、実戦配備されて長く現役にいれば、B-1BやB-52Hのように迫力満点のグレー塗装にされたりしたんでしょうか。

開発そのものはそこそこ順調だったのですが、1964年の初飛行時点でもうICBM(大陸間弾道弾)の時代に突入してしまい、米空軍の核戦略もICBM中心になったものですから、「あ、飛んだんだカッコイイー!」だけのために多額の予算を費やした結果に。

まあ多少時期がズレたとしても、マッハ2級超音速爆撃機B-58と同じく早期退役の運命にはあったと思います。

なお、マッハ3で巡行できる性能自体は素晴らしかったので戦略偵察機RS-70へと転換する計画もありましたが、やはり専門の偵察機を配備した方がいいもんで、ロッキードSR-71ブラックバードが採用されました。
 
そう、SR-71の「71」とはXB-70(RS-70)からの連番だったりします。

4位:ボーイング / シコルスキー RAH-66コマンチ(陸軍)

RAH-66 コマンチ
パブリック・ドメイン, Link

攻撃ヘリAH-64の相棒としてステルス性の高い偵察/観測ヘリを投入、その戦闘力の高さも活かしてソ連軍の機甲部隊やヘリコプターをボコボコにすべく開発開始。

しかし1996年に初飛行した頃にはとっくに冷戦も終了し、湾岸戦争その他の実績からどうも攻撃ヘリは言うほど撃たれ強くもないから役に立たないんじゃないか? と、相棒のコマンチまで含め疑問に思われてしまいます。

結局、大した対空火器どころかマトモなレーダーやセンサーすら持たない相手をボコボコにするだけだったら、今まで(ベルOH-58)と同様に民間ヘリコプターベースで優れたセンサーと武装に金かけた方がいいよね?と結論づけられ、あえなく計画中止になりました。

ステルス性とか航続距離とか性能はとにかく優れてるんで、スパイ小説なんかでは秘密部隊で活躍することもありますが、本来そういうヘリじゃないので。
 
なお、やたら贅沢な偵察 / 観測ヘリは陸上自衛隊のOH-1もありますが、これも「これのどこが観測ヘリなんだ?」とかよくツッコミが入ります。

3位:ロッキード AH-56 シャイアン(陸軍)

テスト飛行を行うAH-56A シャイアン
By William PretrinaLockheed AH-56 Cheyenne, CC 表示 2.0, Link

ベトナム戦争が始まった頃の米陸軍の空中機動戦力で火力支援を行える機体と言えば、まだベルUH-1Bにロケット弾や機関銃を搭載しまくった武装ヘリが実用化された程度。

輸送ヘリの応用だから撃たれ弱いし、さっさと撃たないと弾薬で重くて輸送ヘリに追従するのも大変でしたが、それ以前の武装ヘリと言えば「命中したところを見ろ、それがたぶん目標だ」という程度だったんで、無いよりマシだったんですね。

しかし戦争してて無いよりマシ程度の兵器では困るもので、高速飛行可能で装甲を持つ空飛ぶ戦車のような攻撃ヘリ、AH-56を開発することにしました。

1967年に初飛行後、性能そのものは良かったもののベトナム戦争の激化で戦費は大変だし、ベル社が提案したUH-1を改設計した攻撃ヘリ(後のAH-1コブラ)の方が安い早いウマイで戦力化も早そうだったので、哀れAH-56はお蔵入り。

なお、漫画/アニメの「機動警察パトレイバー」の世界ではAH-56が米軍に採用され、その後継機としてAH-88ヘルハウンドなるカッコイイ攻撃ヘリが登場します。アニメ映えする飛行機やヘリって、実戦配備されないのが多いというか、だからアニメに登場するのでしょうか?

2位:ジェネラル・ダイナミクスF-111B(海軍)

F-111 1.jpg
By US Air Force – description page, image, パブリック・ドメイン, Link

世が世なら、映画「トップガン」でF-5戦闘機扮するMig-28戦闘機をやっつけまくるのはコイツのはずだったのに……射出座席の事故でグースが死ぬことも無かったはず!

それで良かったのかどうかはともかく、空軍の戦闘爆撃機、というより超音速軽爆撃機というべきF-111を開発する時。1960年当時のマクナマラ国防長官が財布の中身を出し渋って「海軍の戦闘機とも共通化して安くしよう」と考え、海軍から大ブーイングを浴びた艦上戦闘機。

海軍としてはこんなにデカくて重い機体は必要無いと考えてたのですが、実際には飛行性能、発着艦性能、火器管制装置など電子装備の性能にも特に問題があったわけではなく。

後にやっぱりそれなりにデカイF-14トムキャットを採用したところを見ると、「やっぱり戦闘機ってこう、グッときてダーッというのが無きゃダメだよね。」という、海軍のイメージに合わなかったのが原因でしょう。

まあ実際F-14がカッコ良かったおかげで映画とかでも絵になりましたし、アニメ「超時空要塞マクロス」で可変戦闘機VF-1バルキリーがF-111Bベースにならずに済んだので、結果的に米海軍のワガママは大正解だったわけですが。

1位:ジェネラル・ダイナミクスF-16XL(空軍)

ジェネラル・ダイナミクス F-16XL
By Service Depicted: Air Force – ID:DFSC8302040, パブリック・ドメイン, Link

元々米空軍でF-15を補う軽戦闘機として開発されたのに、今や装備の追加追加ですっかりデブチンになってしまったF-16が、その道から足を踏み外した第一歩となった機体

F-15Eストライク・イーグルの対抗馬として開発され、クランクド・アロー翼という名前を聞いただけでアニメに出したくなるような変形デルタ翼と、F-16とは(当時は)思えないほどの爆弾など兵器搭載力を誇りました。

結果的にはカーボンファイバーなど複合素材の製造費が当時(1982年初飛行)はえらく高くついてしまい、F-15Eよりコスパ悪いよねということで開発中止

複合素材多用型のF-16発展型といえば、のちに航空自衛隊のF-2なんて飛行機があったのですが、もしかしてF-16XLが制式採用されていれば、F-2もこれがベースになって、クランクド・アロー翼の下にASM4本ぶら下げてたかもしれませんね。うーん、航空祭なんかで飛んでたらカッコ良さそうです。

そう考えると、試作2機で終わったのは非常に惜しい飛行機ではありましたが、F-2開発時に三菱の案にはF-16XLベースは無かったのでしょうか。不採用案なんて使いたく無かった?

菅野 直人

物心付いた時には小遣いで「丸」や「世界の艦船」など軍事情報誌ばかり買い漁り、中学時代には夏休みの課題で「日本本土防空戦」をテーマに提出していた、永遠のミリオタ少年。撤退戦や敗戦の混乱が大好物で、戦史や兵器そのものも好きだが、その時代背景や「どうしてこうなった」という要因を考察するのが趣味。

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