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  • ハカイダー ~時代を超えるカッコイイ悪役~

2017/10/5

笹木恵一

ハカイダー ~時代を超えるカッコイイ悪役~

ハカイダー』といえば特撮ファンの間では、実際の番組視聴の有無にかかわらず、一般常識とも言えるキャラクターだろう。
後の特撮作品の悪役に与えた影響はそれだけ大きい名キャラクターだ。
出典:Amazonビデオ



ハカイダー……大人になって聞いてみればなんてふざけた名前なんだろう……
破壊だー」なんて駄洒落丸出しの名前にもかかわらず、こんなにもカッコイイと思えるキャラクターは他にはない。
僕は世代的には90年代に劇場公開された『人造人間ハカイダー』に登場する正義のロボットとしての彼がファーストコンタクトだ。当時はまだ語彙も豊富ではなく純粋にカッコイイ名前だと思っていた。後に再放送で『人造人間キカイダー』を視聴する頃には。すでに『破壊』という単語を知っていた上に、90年代のお子様から見た70年代の特撮技術の稚拙さも相まって、もっと小さいころにあれだけかっこいいと思っていたハカイダーが一度はすぼんで見えてしまった。
しかしそれも束の間だった。悪役であるにも関わらず戦士としての美学を持ち、それが自分の立場を揺るがすことになろうとも組織の意向ではなく自らの意志を貫き通した彼の魅力は、世代を超えても色あせてはいなかった。
出典:Amazonビデオ



キカイダーのビジュアルもヒーローとしてはかなり異形な部類に入るのだが、それでも明るくカラフルな色使いなのに対し、黒のレザースーツのような渋い出で立ち。そして両者が共にクリアー素材の頭部を持ち正義のキカイダーがまさに機械そのものの電子頭脳を、ハカイダーは有機的な人間の脳をむき出しにしているという対極であり、しかも悪役の方を人間に寄せるという皮肉なデザインのなんと素晴らしいことか。
使用するメカニックもキカイダーの『サイドマシーン』がいかにもヒーロー然とした外観のサイドカーであるのに対し、ベース車両に銀のペイントとハカイダーのマークのプリントがされるに留めた渋いバイクで、その名もはぐれ者を意味する『白いカラス』というんだからたまらない。
出典:Amazonビデオ



ハカイダーの愛銃『ハカイダーショット』はベースとなった実銃があるわけではなく、プロップも完全に1から作りおこされたものだが、シリンダーにあたる部位こそSFチックなディティールにも拘わらず、グリップとバレルから両サイトまでは実銃のような風貌を持つ虚構と現実の狭間にあるようなデザインで、番組の世界観を守りつつも決して陳腐にならない秀逸なものと言えよう。
高周波弾を放つこの銃を食らえばどんなマシンも一発でスクラップと化す。
出典:Amazonビデオ

何をもってカッコいいとするのかは、時代によって移り変わりが激しいものだ。しかし普遍的なカッコよさ、哲学を存分に取り入れたデザインやキャラクター性が、世代を超えて輝き続けるハカイダーの魅力なのだろう。

ギルハカイダーは……………おっとあるはずのない文字数制g

笹木恵一

幼稚園時代からレンタルビデオ屋に足しげく通い、多くの映画や特撮、アニメ作品を新旧国内外問わず見まくる。
中学時代に007シリーズにはまり、映画の中で使用される銃に興味を持ちはじめる。
漫画家を目指すも断念した過去を持つ(笑)。

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