- コラム
日本海軍航空隊・対艦攻撃のプロBEST5
2017/07/22
菅野 直人
すごいー! たーのしー!
2017/09/28
菅野 直人
いつの世でも進撃路に川や海があると面倒なものです。迂回したり橋をかけたり、とにかくそこを通過するだけで時間がかかる上に、ノンビリ架橋しようにも敵の砲撃でうまくいかないことも考えねばなりませんし、船で渡ろうにも撃沈されてしまうかも? それを解決すべく登場した水陸両用戦闘車をいくつかピックアップしました。
By Bundesarchiv, Bild 101II-MW-5674-33 / Engelmeier / CC-BY-SA 3.0, CC BY-SA 3.0 de, Link
水陸両用戦闘車両の中でもっとも特異な存在と言えば、第2次世界大戦中のドイツ軍が開発した「潜水戦車」でしょう。
川などを渡るため、浸水を防ぎエンジンの吸排気用に水面の上に突き出すシュノーケルを装備した戦車自体は、今やそれほど珍しくありません。核戦争時の放射能にも耐えられるよう、戦車に気密性が求められるようになってからはなおさらです。
しかしドイツ軍がIII号戦車、IV号戦車を改造した「潜水戦車」はその程度のレベルではなく、「フランス沿岸からドーバー海峡の海底を走り、そのままイギリス本土の海岸に上陸して戦う」という目的で開発されました。
ドーバー海峡に水深の浅い部分があったからこそ可能な戦術でしたが、もしイギリス本土上陸作戦が行われていれば、ダンケルク撤退戦で多数の重装備を失っていたイギリス軍(およびイギリス本土に逃げ込んだヨーロッパ各国軍)はさぞ苦戦を強いられたでしょう。
実際にはイギリス本土上陸戦は行われなかったのですが、潜水戦車は後に対ソ戦で大規模河川を潜水突破するのに使われました。
By Photographer not identified. “Official photograph”.
Post-Work: User:W.wolny –
This is photograph MH 3660 from the collections of the Imperial War Museums (collection no. 5207-04)
, パブリック・ドメイン, Link
上陸作戦において戦車を輸送するもっとも一般的な方法は、「上陸用の小型艇や、専門の洗車揚陸艦艇で直接海岸にのし上げ、戦車を自走で海岸に走らせる」ことです。
しかし、第2次世界大戦の時代、小型の上陸用舟艇に戦車を乗せるのはクレーンで吊り下ろすなど大変 (戦車を乗せたまま上陸用舟艇を発進させられる母船、強襲揚陸艦を持っていたのは、当時は日本くらい)。さりとてある程度大型の戦車揚陸艦艇は海岸防衛側から見ればいい的なので、危なくて上陸第1波には使えません。
そこで、「だったら上陸第1波の戦車は、自ら浮いていけば、少なくともひと手間省ける」とは誰もが考えることで、日本やソ連などでも浮航可能な軽戦車が使われました。
それを主力戦車でもやってしまったのが米軍やイギリス軍などが用いたシャーマンDDで、M4シャーマン戦車を改造、沈まないよう防水処理を施すとともに、足りない浮力は車体をキャンバス(帆布)で四角く覆って補っています。
ハタから見ると、何やら白い豆腐みたいなのがワラワラと海岸に向かって攻めてくる……という不気味な光景でしたが、投入されたノルマンディー上陸作戦では波が高すぎて多数が転覆、上陸前から大損害を出しました。いっそ「シャーマン豆腐」とでも言いたくなるくらい浮力があれば良かったのですが、何ぶん考えたのがイギリス人でしたから、こういうオチは必須です。
By U.S. Army photo by Spc. Lindsey M. Frazier+/−, パブリック・ドメイン, Link
陸上自衛隊も採用したアメリカ製水陸両用装甲戦闘車。
なにぶん1960年代に開発、1970年代に米軍で配備が始まりましたから、陸自では74式戦車や73式装甲車と同世代の旧式戦闘車両で、陸自も島嶼防衛(奪回)の研究用、あるいは訓練用として考えており、これで真面目に戦争しようというわけではありません。
武装も12.7mm重機関銃や40mm自動てき弾銃くらいで貧弱、装甲も大したことはなく、水上速度も13km/h程度と鈍足ですから、「本番」用には新型の水陸両用戦闘車が海外メーカーと三菱重工で開発予定。
現状では「無いよりマシ」という程度でしょう。
第2次世界大戦中、現在では「ビートル」として知られる国民車をベースとした軽野戦車「キューベルワーゲン」をさらに発展させた、水陸両用4輪駆動野戦車。
もちろん大戦中は各地で活躍しましたが、何と今でもカナダのインターメカニカ社がレプリカを販売しており、エンジンや電装品が中古品では無いシュビムワーゲンが今でも新車で買えます。
日本でもインターメカニカ東京が販売していて、もちろんナンバーも取得できますから軍用車マニアは注目すべき。
By los688 – 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, Link
戦車や装甲車の水陸両用車は珍しく無いのですが、火力支援を行う自走砲はあまりありません。
中国の07B式122mm水陸両用自動榴弾砲や、旧ソ連製の2S1グヴォズジーカ122mm自走榴弾砲など比較的小型のものならあるのですが、陸上自衛隊がかつて装備していた74式105mm自走榴弾砲もそんな1つ。
水陸両用の73式装甲車をベースとしているので、自走砲化でもその能力を受け継いだ形ですが、肝心の105mm砲が砲兵支援用としては貧弱すぎるということで特科(陸上自衛隊の砲兵科)から嫌われ、20両ほど生産したのみで2000年にいは早々に退役してしまいました。
火力支援用の車両だと、単に「そこに行ければいい」で済む話では無く、ちゃんと威力と射程が十分な大砲が無ければ話にならないので、水陸両用自走砲は今でもあまり一般的とは言えません。
物心付いた時には小遣いで「丸」や「世界の艦船」など軍事情報誌ばかり買い漁り、中学時代には夏休みの課題で「日本本土防空戦」をテーマに提出していた、永遠のミリオタ少年。撤退戦や敗戦の混乱が大好物で、戦史や兵器そのものも好きだが、その時代背景や「どうしてこうなった」という要因を考察するのが趣味。
2018/01/2
Gunfire
1
2018/03/31
Gunfire
2
2018/01/11
Gunfire
3
2018/05/29
Sassow
4
2018/12/4
Gunfire
5
2017/07/26
Sassow
6