- コラム
歴史を今に伝える、世界の記念艦(博物館船)5選
2017/10/13
菅野 直人
すごいー! たーのしー!
2017/09/20
菅野 直人
1990年代までは第2次世界大戦末期に建造した旧イギリス空母が頑張っていたり、ソ連崩壊で後継者のロシアも空母どころではなく、新造空母といってもアメリカの原子力空母くらい。2000年代にはそれに加えて仏・伊・スペインの空母が完成しましたが、2010年代になってまた新造艦が増えてきて、2017年半ばですと5隻も就役したばかり、あるいは建造中と空母ラッシュです。
By Hunini – 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 4.0, Link
2017年3月就役の、海上自衛隊が誇る最新鋭ヘリコプター護衛艦、「いずも」級2番艦。
旧海軍の中型空母、飛龍や雲龍級より大型の海上自衛隊創設以来最大の水上戦闘艦でもありますが、前級の「ひゅうが」級が「もう大きすぎて自ら潜水艦を追いかけたり防空戦闘したりは限界!」とされ、最低限の小型対空ミサイルや小型機関砲しか搭載していません。いわば「護衛を受けないと行動できない初の護衛艦」ですが、それゆえ公式にはともかくヘリ空母です。
F-35BのようなSTOVL(短距離離陸・垂直着陸型)戦闘機の運用能力こそ持ちませんが、この種の小型空母が最近のトレンドとしている「多用途艦」として作られており、高速輸送艦や高速補給艦、ヘリコプター揚陸艦としても高い能力も持っています。
By U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 2nd Class Ridge Leoni パブリック・ドメイン, Link
2017年7月に就役したばかりの新品ホヤホヤ空母で、今のところ3隻の建造が承認されているジェラルド・R・フォード級原子力空母の1番艦。
1975年に就役したニミッツ級空母1番艦「ニミッツ」以来42年ぶりとなる完全新設計の空母で、ニミッツ級では右舷に3基あったエレベーターの1番後ろにあったものを廃止、そこに艦橋や航空指揮所を備えたアイランドを移設したのが外見上の特徴です。
アイランド位置の変更で飛行甲板への見晴らしが良くなり、出撃させる艦載機のハンドリング(交通整理ですね)が効率的になったり、蒸気圧で動かすため連続射出能力が制限されていたカタパルトがリニア式になったので、短時間で多数の艦載機を運用できます。
今のところはまだ造船所でのテストが終了したばかり、新設計艦で実績の無い最新装備も多く、海軍側でのテストや訓練にしばらく時間がかかるため、実戦配備がいつになるかはまだわかりません。
By Royal Navy – UK Ministry of Defence photo 45162753, OGL, Link
2017年6月に完成して建造していたドックから出たばかりで試験航海中、就役は2017年度中と見られる、2隻建造予定の最新鋭空母、クイーン・エリザベス級の1番艦。
最初はF-35Bを搭載しスキージャンプ甲板から短距離滑走発艦、垂直または短距離滑走着艦するSTOVL方式の空母として計画され、その後米海軍と同じF-35Cを搭載するカタパルト発艦、ワイヤーにフックを引っ掛ける拘束着艦のCATOBAR方式に変更されます。
しかし、F-35Cの開発が遅れたため再度STOVL方式に変更され、ようやく完成しました。
STOVL空母としては世界最大で、飛行甲板も広大なため、右舷前部に航海用の艦橋用アイランド、中央部に航空指揮所用のアイランドが設けられた、特異な姿をしています。
なお、予算上の問題で搭載機は1機分しか確保できないため、2020年の完成を目指す2番艦プリンス・オブ・ウェールズとは交代でヘリ空母または予備艦となり、F-35Bを搭載するSTOVL空母として常時運用されるのは1隻だけになる見通しです。
By GG001213 – 投稿者自身による作品, CC0, Link
2012年に就役した練習空母「遼寧」(りょうねい・旧ソ連未完成空母ワリヤーグ)で空母や艦載機の運用実績を積んでいる中国海軍が建造している、同国初の新造空母です。
中国メディアは「山東(さんとん)」と命名されると伝えていますが、正式には不明であり、001型空母(遼寧)の発展型ということで001A型と言われています。
遼寧と同じく、スキージャンプ甲板を使った短距離滑走発艦と拘束着艦を組み合わせたSTOBAR方式の空母で、原型であるアドミラル・クズネツォフ(旧ソ連 / ロシア)の準姉妹艦です。
搭載機はウクライナから入手したロシアの艦上戦闘機、スホーイSu-33の試作機をベースに、同じSu-27系列の中国版J-11Bを艦載機型としたJ-15を採用。
将来的には中国が独自開発したステルス戦闘機、J-20やJ-31艦載機が登場すると思われますが、その実態はまだよくわかっていません。
2017年に進水し、2020年代はじめには就役すると言われていますが、かわぐちかいじの漫画「空母いぶき」では最新鋭空母「広東(かんとん)」、その2番艦「天津(てんしん)」まで登場しています。
ただ、002型と言われる2番艦は米空母のようにカタパルトを装備したCATOBAR式空母になるとも言われており、カタパルト試験施設では蒸気式とリニア式がテスト中です。その後は原子力空母2隻を建造すると言われていますが、002型の起工も確認されていないので、まだだいぶ先の話になるでしょう。
By Indian Navy, CC BY 2.5 in, Link
2009年の起工以来、予算不足などもあってなかなか建造が進まず、まだブロック工法で建造中の船体が未結合にもかかわらず「他の船の建造に邪魔だから」とドックから出されたりと、とにかく建造に時間がかかっているのがインドのSTOBAR空母ヴィクラント。
そもそも起工が遅れたのでインド海軍の空母2隻体制を維持するためロシアから廃空母アドミラル・ゴルシコフを購入、大改造の上STOBAR空母「ヴィクラマーディティア」として再就役させました。
それでもヴィクラントが完成しないので、どうにか現役に留まっていた世界最古の空母ヴィラート(旧 英空母ハーミーズ)が2017年で退役してしまい、ついにインド海軍の空母は1隻になっています。
ヴィクラントは2013年にどうにか正式に進水し、現在は2020年の完成を目指していますが、2016年の段階でもアイランドの内装工事に手がつけられていないドンガラ状態など、相変わらず工事は遅れ気味のようです。
完成時の搭載機もヴィクラマーディティアと同じロシア製のMig-29Kと言われていますが、何しろ完成がいつになるか不透明なのと、国産戦闘機テジャスの艦載型も開発が難航しているため、アメリカのボーイングなどが艦載機の売り込みを図っています。
物心付いた時には小遣いで「丸」や「世界の艦船」など軍事情報誌ばかり買い漁り、中学時代には夏休みの課題で「日本本土防空戦」をテーマに提出していた、永遠のミリオタ少年。撤退戦や敗戦の混乱が大好物で、戦史や兵器そのものも好きだが、その時代背景や「どうしてこうなった」という要因を考察するのが趣味。
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