- コラム
傑作兵器「驚異の命中率!九九式艦上爆撃機~帝国海軍急降下爆撃隊」
2017/04/19
菅野 直人
すごいー! たーのしー!
2017/07/22
菅野 直人
第2次世界大戦中、各国で軍艦や商船を攻撃するための対艦船攻撃用航空機は数多く実用化されましたが、中でも海上戦闘が数多く行われたのが太平洋戦線での日米戦でした。その一方の主役、日本海軍攻撃隊で対艦攻撃のプロと言えた航空機BEST5をご紹介!
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地味ながらも戦争の全期間、それも戦局が日本の不利となるほど活躍し続けたのが、水上機隊です。決戦レベルの派手な戦闘では偵察機として脇役に徹することが多かったのですが、それ以外の夜間戦闘では魚雷艇狩りなどに大活躍!
戦争中盤のソロモン戦線などでは零式水上偵察機が増設した機銃や小型爆弾で魚雷艇を狙いましたが、フィリピン戦以降で活躍したのがこの瑞雲。
零式水上偵察機よりハイパワーで運動性に優れ、エアブレーキを装備して急降下爆撃も可能、さらに狙った獲物に返り討ちに合わないよう、主翼の20mm機銃が唸ります。
相手に夜間戦闘機なども登場して不利な条件下、任務を強行するための重武装を施した戦争末期の高性能水上機です。
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マレー沖海戦で英戦艦「プリンス・オブ・ウェールズ」「レパルス」を撃沈して名を上げた海軍航空隊の九六式 / 一式陸上攻撃機ですが、敵が強力な対空砲火や迎撃戦闘機を持ってくると、同じような大戦果は二度と挙げられませんでした。
そこで、過酷な状況下でも任務を強行できる高性能陸上攻撃機として開発されたのが「銀河」で、急降下爆撃が可能なことを表す「爆撃機」に分類。
故障も多かったので十分な活躍ができたとは言い難いのですが、戦争末期の1945年3月、日本本土を攻撃しにきた米機動部隊の攻撃に成功し、エセックス級空母「フランクリン」に急降下爆撃で爆弾2発を命中させて撃破。
猛烈な大火災を起こしたフランクリンは、こともあろうに日本本土の目の前で一時航行不能に陥り、自沈処分寸前に追い込んでいます。
By http://www.ijnafpics.com/jbwd4y1.htm, パブリック・ドメイン, Link
九九式艦上爆撃機の後継として戦前から開発されていた、零戦より速い艦上爆撃機。
急降下爆撃機としては機体の強度不足などもあり、改設計を行いながらまず二式艦上偵察機として採用されミッドウェー海戦に参加。
大規模に実戦投入されたマリアナ沖海戦では米海軍のF6Fヘルキャット戦闘機を振り切るなど速度性能の優秀性も示しましたが、ハイライトは1944年10月、フィリピン戦のレイテ沖海戦中に、陸上航空隊の彗星が米軽空母プリンストンを撃沈したこと。
250kg爆弾1発の命中で大火災を起こし沈没させましたが、これが日本海軍航空隊の通常攻撃による、最後の米大型艦(巡洋艦以上)撃沈戦果になりました。
後に沖縄戦では終戦間際まで特攻を拒否したことで有名な夜間戦闘機隊「芙蓉(ふよう)部隊」の主な使用機としても活躍しています。
By http://www.ijnafpics.com/JB&W4/D3A-31.jpg www.ijnafpics.com, パブリック・ドメイン, Link
太平洋戦争開戦時の日本海軍航空隊主力急降下爆撃機。
艦載機としても陸上機としても使われ、急降下爆撃で艦船など移動目標に対しても非常に高い命中率を記録し、「太平洋戦争中、もっとも多数の連合軍艦船を撃沈した飛行機」とも言われます。
戦争中期以降は時代遅れとなって苦戦するものの、それ以前はセイロン島沖海戦で英軽空母ハーミースや英重巡コーンウォール、ドーセットシャーを相手に80%以上(最高90%以上)という異常に高い命中率を記録し、たちまち撃沈する大活躍を見せました。
小型で扱いやすい複座(2人乗り)機だったので、戦争末期には後席からも操縦可能な練習機にも改造されたほか、全金属製から木製化した「明星」も開発されています。
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日本で初めての近代的艦上機で、太平洋戦争中も初期から中期までの主力艦上攻撃機。真珠湾攻撃で魚雷や大型爆弾を数多く直撃させ、米戦艦数隻を撃沈破したのは九七艦攻です。
性能もさることながら、熟練搭乗員による超低空からの肉薄雷撃はマレー沖海戦時の九六式 / 一式陸上攻撃機と並んで圧巻!
しかもそれら大型機より小型で的になりにくく、低空での機動性も優れていたため、ミッドウェー海戦で米空母ヨークタウン、南太平洋海戦では米空母ホーネットの撃沈に大きな役割を果たしています。
太平洋戦争の最末期、1945年8月18日にソ連軍が停戦を無視して占守島に侵攻してきた時には上陸船団攻撃に出撃、それが日本海軍航空隊最後の出撃になりました。
物心付いた時には小遣いで「丸」や「世界の艦船」など軍事情報誌ばかり買い漁り、中学時代には夏休みの課題で「日本本土防空戦」をテーマに提出していた、永遠のミリオタ少年。撤退戦や敗戦の混乱が大好物で、戦史や兵器そのものも好きだが、その時代背景や「どうしてこうなった」という要因を考察するのが趣味。
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