- コラム
ランペイジ 巨獣大乱闘~今年最高の脳筋バカ映画!~
2018/06/14
笹木恵一
すごいー! たーのしー!
2018/11/29
笹木恵一
よいこのみんなは、宇宙行きたいかな? 宇宙行きたいよね? 宇宙行ったらレーザー銃とか撃ちまくりたいよね。でももし、よその惑星で緑色のスライムみたいな生き物を見つけたら、絶対にレーザー銃を撃ってはいけないよ。撃つなよ? 絶対に撃つなよ? もしこれがネタフリだと思って撃っちゃったおバカさんの家は気持ち悪いモンスターに襲われて、全員感電死してしまうだろう。え、じゃあどうすればいいのかって? そんな君は深作欣二監督の名作映画『ガンマー第3号 宇宙大作戦』を観よう!
地球に小惑星が落ちてくるってんで、ジャッキ・ランキン中佐が宇宙ステーション・ガンマー3号に派遣され、小惑星爆破作戦指揮官に任命される。本来ガンマー3号の指揮官であるエリオット少佐とは昔コンビを解消した仲で、二人とも表面上は仲良くしているように見えるが、なーんか不穏な空気が漂う。まぁそれは置いといて早速、地球めがけて飛んでくる惑星フローラに爆弾を仕掛けに出動するランキンとその仲間たち。みごとフローラの破壊には成功したものの、フローラで発見されたスライム状の生命体が宇宙服に付着していた為、ガンマー3号内に持ち込まれてしまう。この生命体は電気をエネルギー源として成長していく。しかも食べた電気を放電することで人間を焼き殺してしまうのだ。さらに自慢のレーザー銃を浴びせようものなら、傷口から飛び散った血から新しい個体が生まれてきてどんどん増殖していくんだからたちが悪い。このままではガンマー3号はこの気持ち悪い生物に乗っ取られてしまうぞ! はたしてランキン中佐は、なーんかいう事を聞いてくれない部下たちと共に、この宇宙生物を皆殺しにすることができるのか!?
東映とアメリカのラム・フィルム社による日米合作SF映画で、実際の撮影は日本で行われているが、出演者は全員白人。批評家からは散々な言われようで、特にお気に入りの悪口で『貧乏人が作った2001年宇宙の旅』とまで言われたほど。
しかし物好きな映画ファンの間でカルト的な人気を集めており、物好きでお馴染みのクエンティン・タランティーノ監督もこの映画が大のお気に入りだそうだ。
モンスターは当然着ぐるみで、大して出来のいいものではないが、なんかそのデザインセンスやら、やたら印象的な鳴き声のおかげで、グロテスクで不気味に見えるのだから映画って不思議! スライムが壁を這うシーンは、セットごと傾けて撮ってんだろうなぁといった感じで、手作りの特撮の面白さを存分に堪能できるが、素人にはお勧めできない!
脚本はというと、もう登場人物がみんな馬鹿で自分勝手でどうしようもない。宇宙ステーション勤務ってエリート集団だと思うんだけど、みんなすぐ怒ったり、命令違反は日常茶飯事で、劇中で起きる事件の殆どが夫々の命令違反によって起こされるのだから、たまったもんじゃない。最後はその命令違反で主人公が救われるんで、無理やり良い話にもってかれたけど、俺は騙されないぞ! ああ、でも後に仁義なき戦いシリーズを撮ることになる深作欣二による組織内のいざこざ劇としては面白いかもしれない。明らかにランキン中佐はよそ者で、皆から嫌われてるし。いざとなったら人間ってみんな自分勝手だからね。しょうがないよね。
というわけで、そんなに出来は良くないんだけど、何故か好きになってしまう素敵な映画の紹介でした。
幼稚園時代からレンタルビデオ屋に足しげく通い、多くの映画や特撮、アニメ作品を新旧国内外問わず見まくる。
中学時代に007シリーズにはまり、映画の中で使用される銃に興味を持ちはじめる。
漫画家を目指すも断念した過去を持つ(笑)。
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