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  • 『スポーン』赤いマントにマシンガン、アメコミ映画CG時代の幕開け的作品!

2018/01/11

笹木恵一

『スポーン』赤いマントにマシンガン、アメコミ映画CG時代の幕開け的作品!

スポーン』は1992年にスタートしたアメコミ作品で、1997年に実写映画化もされた。

原作と映画で共通する大まかなストーリー

CIAの特殊工作員アル・シモンズは任務中に仲間の裏切りによって暗殺される。生前に工作員として任務とはいえ多くの命を奪ったアルは当然地獄行き。そのまま魔界の第8階層へと送られ、魔王マレボルギアと悪魔の契約を交わしてしまう。冷酷な殺人マシンだったアルにも最愛の妻ワンダがいた。その妻と再会できるなら自分の魂を捧げると。マレボルギアによって地獄の戦士スポーン』に変えられたアルは現世へと帰る。しかしその姿は生前のものとはまるで違い、見るもおぞましいものになっており、ワンダからはかつての夫であることを信じてもらえずに拒絶されてしまう。さらに自分の死から5年の月日が流れ、最愛の妻はアルの親友だったはずのテリーと再婚し、アルがワンダとの間に設けることの出来なかった子供まで授かっているではないか! 不幸のどん底に陥れられたアル=スポーンの元には同じく地獄生まれのモンスターや、彼の存在を快く思わない者たちからの刺客が次々と襲い掛かってくる! 果たしてスポーンは戦いに生き抜き、ワンダの愛を取り戻すことができるのだろうか!?
出典:Amazon Primeビデオ

レビュー

原作コミックは90年代初めに当時の人気作家数名が集まって結成された新進気鋭のコミック出版社イメージコミックスから発行され、現在でもアメコミ業界を代表するDC、マーベルの人気をしのぎ、当時は逆にこれら大手出版社のほうが作風を寄せてくるという現象まで起こったほどだった。人気が出れば当然実写映画化も決定し、97年に鳴り物入りで公開されるも評判は芳しくなく、スポーンの人気は沈静化していくのだった。

映画自体の評価は高くないものの、アメコミ実写化におけるCGの可能性を示した意味での功績は大きい。映画公開の際にはCGの多様を謳い文句にしており、スポーンのトレードマークでもあり、それ自体が生命体という設定で、常にウネウネと動きまくるマントや鎖が当時最新のCGで表現されていた。もっとも今見るとそれらが登場するシーンは非常に少なく、多くのシーンは従来通りのアナログ特撮で表現されているのだが、それでもCGによって映像表現の不可能がほぼ無くなることを十分世間に知らしめたと言えるだろう。この数年後に現在も続く『X-MEN』シリーズがスタートし本格的にCGを多用したアメコミ実写化時代が訪れるが、本作はその先駆けとして忘れてはならない一本だろう。

もう一つ、スポーンのトレードマークで忘れてはならないものが銃だ。主人公が元工作員ということで、スポーンとなって地獄のパワーを使えるようになった後も、様々な銃を使用する場面が多いのもこの作品の特徴。まるで魔術師のような真っ赤なマントの下にガンベルトを巻き、大きなマシンガンやグレネードランチャーを両手に縦横無尽に駆け回るギャップのある姿は、特に原作コミックで最高にクールなイラストで描かれている。次にサバゲーで何か変わったコスプレを探している方は、是非このスポーンに挑戦してみてはいかがだろうか? 回によって銃を使用する姿にも様々なバリエーションがあるので、こだわる方は原作コミックを読もう!

笹木恵一

幼稚園時代からレンタルビデオ屋に足しげく通い、多くの映画や特撮、アニメ作品を新旧国内外問わず見まくる。
中学時代に007シリーズにはまり、映画の中で使用される銃に興味を持ちはじめる。
漫画家を目指すも断念した過去を持つ(笑)。

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