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2017/12/28

Gunfire

ツインガバメント「AF2011-AF」の魅力! たぶんそれは見た目だけ……?

銃の歴史は非常に長く、時代の節目には様々な奇抜な銃が登場しています。

マガジンが異様に長い銃や、銃身が曲がっている曲射銃身など、当時の人は本気で考えたであろう奇抜な銃も現在ではネタにされている事が多々あります。

そんな奇抜な銃のほとんどは何かしらの欠点や欠陥があり、最終的には人知れず姿を消していくのが定石でした。

しかし、ここ最近になって再び目を疑うような奇抜な銃が登場しているのをご存知でしょうか。

その名も「AF2011-AF」、別名「ツインガバメント」。

今回はそんな奇抜な銃であるツインガバメントについてご紹介したいと思います。

■2つで1つ? 2丁のガバメントが合体した「ツインガバメント」!

今回の奇抜な銃として紹介する「ツインガバメント」。

その基礎となった銃はご想像の通り日本では「コルト・ガバメント」の愛称で知られ、コルト社が開発し、第一次世界大戦の後半から第二次世界大戦で大活躍した名銃中の名銃「M1911」です。

Colt Model of 1911 U.S. Army b.png
By Sam LiskerFile:Colt_Model_of_1911_U.S._Army_b.jpg, CC 表示-継承 3.0, Link

M1911はかなり昔の銃ではありますが、今でもコアなファンが多いハンドガンの1つでもあります。

そんな名銃を奇抜な銃に仕立て上げてしまったのがイタリアに本拠地を置く「アーセナルファイアアームズ社」。

なんとこの会社はこの2丁のM1911を1つにくっつけてしまったのです。

これは決して比喩的な表現ではなく、ツインガバメントは本当に2丁のガバメントが溶けてくっ付いたようなハンドガンなのです。

■威力を増やしたい? だったら2発撃てばいいじゃない!

Pistola-doble-cañon-450x339.jpg
By teknologeek.com – http://www.teknologeek.com/wp-content/uploads/2012/03/pistola-doble-ca%C3%B1on-450×339.jpg, CC BY-SA 4.0, Link

2丁のM1911が1つに合体したツインガバメント、その風貌は誰がみても異様に映る姿をしています。

その姿とは銃口が2つあり、銃口が2つあるということはバレルも2本あり、バレルが2本あるということはハンマーも2つあり、そしてトリガーも2つあります。

またバレルが2本あるということは、それぞれに弾を送り込む必要があるためマガジンですら通常のマガジンが二つ並んだような形をしているのです。

当初はトリガーが2つあったので交互に撃つことができるのかとも思いましたがスライドは一体型ですし、ハンマーも根元では一体化しているため交互に撃つことはできません。

正直言ってそれなら何故トリガーを二つにしたのか、そもそも何を考えてこのツインガバメントを製作したのかが気になり調べてみた結果、ツインガバメントの開発コンセプトが公開されていました。

そのコンセプトとは「.45ACP弾の威力を倍増させる」との事。

M1911は.45ACP弾を使用しており、その威力を増加させるために今回のツインガバメントが生まれたそうです。

確かに2発同時に発射されれば威力は倍増するかもしれませんが、それは果たして本当に倍増していると言っていいのでしょうか……。

最初は正直、ネタで作られた銃だと思っていたのですが、このツインガバメントはただ単にM1911を溶接したわけではなく、左右対称になるように一から設計、デザインされている上、タクティカルモデルも登場しており割と本気で作っているようにも感じられます。

■散弾銃ではポピュラーなダブルバレルシステム

BDFAuswerfer900.jpg
By Joachim Baecker – 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, Link

せっかくなのでここで少しダブルバレルの仕組みやメリットについて触れておきたいと思います。

実はダブルバレルシステム自体は奇抜な物ではありません。

特に散弾銃ではダブルバレルシステムは一般的であり、クレー射撃といった標的射撃ではむしろ上下に2本のバレルを並べた上下2連銃が一般的でもあります。

その理由はバレルにそれぞれ別の加工ができるという点。

ショットガンにはチョークと呼ばれる銃口の口径を調整する仕組みがあるのですが、口径を調整することにより発射される散弾の散らばり具合を調整することができるのです。

たとえば上下二連銃であれば1発目は調整せずにそのまま、2発目はチョークを使い口径を狭くすることが一般的です。

クレー射撃の場合、クレーは手前から奥に向かって飛翔するため1発目を撃つときは比較的近距離なので散弾が散らばったほうが命中率はあがります

しかし、2発目を撃つ頃にはクレーは遠方に飛んでいるため、散弾が散らばりすぎるとクレーが散弾の隙間を通ってしまい逆に当たらなくなってしまうため、口径を狭くして散弾が散らばるのを防ぐというわけです。

とはいっても、これはあくまで散弾銃の話で.45ACP弾を使うツインガバメントにとっては無関係。

むしろ散弾以外の銃をダブルバレルにする意味は正直言ってありません……。

■台湾メーカーのWEが実はひっそりとエアガン化も!?

あまり知られていないツインガバメントですが、実はちゃっかりエアガン化もされています。

このツインガバメントをエアガン化したのはサバイバルゲーマーにとってはお馴染みの台湾エアガンメーカー「WE Airsoft」社。

WE Double-Barrel 1911」という商品名で販売しており、ブローバック式のガスハンドガンとなっており実売価格は2万円後半といったところ。

個人的には非常に使ってみたいエアガンではあるのですが、金額面もさることながら流通量が少ないため故障したときの修理や対応するホルスターの有無、そしてそもそもサバイバルゲームフィールドのレギュレーションに通るのかといった問題もあり二の足を踏んでいます。

もし、お財布に余裕があるのなら一度探してみてはいかがでしょうか。

ちなみに、さんざん意味が分からないと言ってきたツインガバメントですが、実は超有名映画で登場していたりもします。

その映画は誰もが知っている007シリーズの一つである「007 スペクター」。

もし興味がわいたら是非探してみてくださいね!

Gunfire

元々はインドア派だったが、体力の衰えを感じはじめたため、体を動かす趣味を探してサバイバルゲーム初参加。それ以降というものサバイバルゲームの魅力と銃の魅力にひきつけられ、今では猟銃免許や狩猟免許まで手を出して本物のショットガンを背負って山でイノシシやシカを追うまでに。サバゲーやアウトドアの魅力を知ってもらうために今日も熱意執筆中。

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