- コラム
日本海軍航空隊・対艦攻撃のプロBEST5
2017/07/22
菅野 直人
すごいー! たーのしー!
2017/10/31
菅野 直人
世の中、傑作兵器あれば駄作兵器あり。中には「なんでこんなもの作っちゃったの?! 」という珍兵器もあり、その国の特徴が現れることもあれば、突然変異のように登場することもあるので珍兵器はまさに神出鬼没です。
今回はそんな珍兵器の中から、ロシア/旧ソ連編で5つほどご紹介します。
By Unknown. File originally uploaded on English Wikipedia in August 28, 2009 by Materialscientist – http://www.wildnet.ru/docs/sobaki.doc, パブリック・ドメイン, Link
動物を兵器に転用する例は太古の昔から乗用や牽引用の馬や牛、象など多岐にわたり、現代でも機雷探知などに使われる軍用イルカもいます。
しかし、動物に爆弾などを仕掛けて自爆攻撃を行う例というのは意外に少ないもので、旧ソ連で第二次世界大戦中に投入された対戦車犬など少数しかありません。
動物愛護精神に則り、代わりに人間が爆弾抱いて突っ込むのだ……というわけではなく、理由は単純明快、「犬が言うことを聞かないから」。
旧ソ連の例で言えば、訓練レベルでは「ほら、あの戦車(訓練用)の下に潜り込めばうまいエサがあるぞぉ?」などと教え込み、戦車の下に潜ると犬の背中のスイッチが車体底面に引っかかり作動! とうまくいくのですが。
当たり前の話、実戦では轟音立てながら敵戦車が向かってきますし、拳銃から大砲に至るまで轟音を発して放たれ、爆発し、そりゃもう恐ろしくてたまりません。
おまけに動物愛護精神に欠けた? ドイツ軍が火炎放射器まで持ち込むもので、哀れ対戦車犬は犠牲に……どころではなく、それ以前に味方の方へ逃げ帰ってきます。
慌てたソ連軍は「こらっ! こっちへ来るな! 」と叫んでも後の祭りで、味方陣地に飛び込み次々爆発する対戦車犬なのでありました。
それでもいくらか成功例はあったようですが、ソ連以外にもテストしたアメリカなどでも普及しなかたようです。
もうちょっと後の時代になるとイスラム過激派組織が無線指令で爆発させる自爆テロ式の爆弾犬を実用化? したようですが、こちらは宗教の戒律で「動物は食べるもので爆弾ではない」ということになり、一般的にはならないようでした。
By Netmate – 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, Link
世界屈指の「珍軍艦」として紹介されることが多いのが、帝政ロシア時代の円形砲艦ノブゴロド。
基本的には「モニター」と呼ばれる沿岸や大型河川などで短距離行動する大砲を積んだ砲艦の一種で、船体が文字通り円形だったのが最大の特徴。ただし、中央部に旋回砲塔を搭載していたので「船の向きをクルっと変えて素早く撃つ!」という目的ではありません。
その最大の目的は「艦の全幅を広げて全長を短くすれば、最低限の面積で可能な限りの重装甲ができる」というもので、沈まないがゆえに有利とされた地上部隊との砲戦を戦わなければいけない沿岸砲艦(あるいは海防戦艦)としてはそれなりに合理的発想です。
1873年に完成したノブゴロドは、その奇妙な図体ゆえに「案外マトモに航行したし、その気になれば機関を調整して素早く方向転換できた」とも、「制御不能の回転で乗員が目を回し、とても使い物にならない」とも言われます。
実際によくクルクル回る船だったことは確かだったようですが、それがワザとなのか、欠陥だったのか? その後誰も同種の船を作って実戦配備しようとしないことから、今でも定かでは無い……というより、その時点で答えは出ていますね。
By 不明 – English Wikipedia, originally uploaded by w:en:User:Fastfission, パブリック・ドメイン, Link
なんか車輪の後ろに小さい木がたくさん生えていますね……縮尺違いのジオラマに紛れ込んだパンジャンドラム? 火を吹いて回ったりするんでしょうか?
いえいえ、よく見ると後ろで支えてる小車輪もあるし、どうもジオラマや模型ではなく実物のようです。
これが第1次世界大戦中に帝政ロシアが開発した「ツァーリ・タンク」!
当時の戦車はまだ登場したばかりの黎明期で、何より重視されたのはそこら中に掘って掘って掘りまくられた塹壕を超える超壕能力。そのため大抵の初期型戦車はイギリスのマークI(世界初の戦車)をはじめ、長い車体の全周に渡る履帯(キャタピラ)をつけていたのですが、このツァーリ・タンクはよりダイレクトかつわかりやすい方式として「巨大な車輪で乗り越える」を選択しました。
結果、「超巨大な三輪車」ができあがったのですが、これでも高い位置に設けられた車体には大砲が設置されていたのですから、マジメな戦車と言えばそう言えないこともありません。
しかし、当然な話として巨大すぎていいマトな割には攻撃力不足、おまけに車輪が重すぎて狙った超壕性能も発揮できず、挙句の果て後ろの補助輪が塹壕にハマって抜けないという、何か出来損ないの大道具みたいな代物へ。
当然テストでは大失敗、もう動かすのも面倒なのか演習場に放置されているうちにロシア革命が起きてしまい、ソ連時代になってから1923年にようやくスクラップになりました。
By Soviet army – http://www.rkka.ru/docs/real/min37/index.htm, パブリック・ドメイン, Link
シャベル(スコップ)って便利ですよね……塹壕もタコツボ(個人用塹壕)も掘れるし、塹壕に敵が躍り込んでくれば近距離の殴り合いでは武器として大活躍!
でも、それ以外は運ぶのも重いし敵が近距離に来るまではそのへんにぶん投げておくだけで使い道が無いし……そうだ! これで何か発射できるんじゃないですかね? と旧ソ連で開発されたのが37mm軽迫撃砲。
シャベルとしてちゃんと使える上に、土を掘る円匙(えんし)を外すなど分解してこう、カチャカチャと組み立て直せば…ジャーン! 小型迫撃砲の出来上がり!
旧日本軍でも似たような「八九式重擲弾筒」という小型迫撃砲がありましたが、さすがにそれをシャベルにして塹壕掘れば便利! とは貧乏性の旧日本軍ですら思わなかったアイデア兵器。
ただし、照準も何もなく目分量で何となく撃ってみるだけでは効果が期待できず、割と早期にお蔵入りしてしまい、祖国を守る勇敢な赤軍兵士諸君には普通のシャベルが支給されたのでした。
しかし、近年になってまたロシア軍が「40mm擲弾発射筒つきシャベル」なるものを開発したらしいので、ロシア人が単にこの種の兵器を好きなだけなのでしょうか? 素直に小銃にグレネード・ランチャーをつけた方が良さそうですが。
By Dmitry Pichugin – http://www.airliners.net/photo/Sukhoi-Design-Bureau/Sukhoi-Su-47-Berkut/1225052/L/&sid=f0f38682c1c65528451e54660cec6c62, GFDL 1.2, Link
ああこの飛行機を駄作だの珍兵器と言ってもいいのでしょうか……とにかくカッコイイことこの上ない! せめてこれが1980年初頭にでも初飛行していれば……しかし1997年に初飛行した時には、世はもう「これからは機動性よりステルス性!」という時代なのでした。
姿を見ればわかるとおりスホーイの傑作、Su-27フランカー系列の機体で、スホーイの独自計画機、つまり軍が発注したわけではなく技術デモンストレーション的にスホーイが勝手に作った飛行機ということになります。
それでも空軍に採用してもらえれば……と本格的に武装やウエポン・ベイを設けてマルチロール・ファイターとしての適性をアピールしたんですが、結果的には航空ショーで華を添えるだけの、今で言えば「何かインスタ映えするだけの飛行機」になってしまいました。
ロシア空軍は機動性に優れた前進翼機ではなく、ステルス性の高い飛行機が欲しかったのでPAK-FAことスホーイT-50を開発させ、このほどSu-57として採用が決まったようです。最近はSu-47が飛んだという話すらあまり聞かなくなりましたね……
なお、人気アニメ「超時空要塞マクロス」シリーズの「マクロス7」では、Su-47ソックリのバルキリー(可変戦闘機)、VF-19エクスカリバーが登場します。
中でも主役メカのVF-19改ファイヤーバルキリーは、主人公の熱気バサラが操縦システムを兼ねたエレキギターをガンガンかき鳴らしながら「俺の歌を聴けぇッ!」と叫びまくるのですが。
スホーイのパイロットも、どうせならSu-47を赤く塗ってテストパイロットにギターを持たせたら……日本ではすごくウケると思います。ただそれだけですが……
ちなみに「マクロス7」は1994年放送開始でVF-19もSu-27とアメリカの前進翼実験機X-29がモデルのため、特にSu-47をパクったわけではありません。
物心付いた時には小遣いで「丸」や「世界の艦船」など軍事情報誌ばかり買い漁り、中学時代には夏休みの課題で「日本本土防空戦」をテーマに提出していた、永遠のミリオタ少年。撤退戦や敗戦の混乱が大好物で、戦史や兵器そのものも好きだが、その時代背景や「どうしてこうなった」という要因を考察するのが趣味。
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